朝、「じゅうじ農園」に行くと、大輪の黄色い花が咲いています。まるで南の国のお花畑から運ばれてきたようなこの花が、オクラの花なのです。背は高く、90センチ~1メートル近くまで成長しますが、その実は、トウガラシを大きくした程度の可愛らしいものです。切ると、切り口が星型になるところがまた可愛いのですが、食べるとぬるりとしたぬめりがあって、意表をつかれる。外見からは想像もできない不思議な味なのです。オクラは、明治初期に日本に入ってきた作物のようですが、原産地はアフリカ北東部で、熱帯から温帯へかけてさかんに栽培されていたといいます。エジプトでは、紀元前頃にはすでに栽培されていたようです。アメリカ大陸へは、西アフリカから移住させられた奴隷によって運ばれました。現在でも、アメリカ合衆国南部や西インド諸島、ブラジルなどアフリカ系移民の多い地域でよく栽培されていることが、それを示しているといいます。本来、熱帯では多年草ですが、寒さに弱く日本では霜で枯れてしまうため、一年草となっています。オクラは、まさしく南の旅人と言うべき食材でしょう。夏の暑い日に、酢のものや和え物にして食べると、すっきりして元気が出るように感じられるのは、豊富なビタミン類、ミネラル・カルシウム・カリウムなどを含み、独特のぬめりがコレステロールを減らす効果を持っているからでしょう。 *続けて「友愛社ホームページ/じゅうじ農園」のページからのコピー。