毎日のように畑に遊びに来る野良犬だった
空を保護したのが、昨年11月末。
(保護当日。ビニールハウスで少しウトウト)
ドッグスクールポチパパさんで2か月の合宿を経て
1月末に正式にうちの子になって、ちょうど3ヶ月が経ちました。
保護するまでの1年半~2年間で
信頼関係は、かなりのレベルまで築けてはいたけれど
ポチパパさんの所から帰ってきて
お家での新しい生活になってから
また新たに信頼関係を築く必要がありました。
(うちの子初日)
人工物や、聞いたことのない音に溢れた生活は
空にとって、とてもストレスフルで怖い事だらけ。
なぜ、そんな環境に自分がいなければいけないのか?
なぜ私が空を、嫌な事にばかり誘導するのか?
この人は、本当に信頼できる人間なのか?
空の中で、信頼と警戒と疑惑がぐるぐるしていたと思います。
車に乗る事、掃除機、ガス湯沸かし器、戸が閉まる音、台所の音…etc.
ありとあらゆる生活音や、未知のものと対面し、恐怖を感じ
それら一つ一つが、危険でないと理解し、慣れる、という過程を
ゆっくり時間をかけてクリアしていき
それと同時に、私との新たな信頼関係が築かれていきました。
途中で途方に暮れることもあったし
もうウンザリして、気が遠くなることもあったけれど
でも、やっぱり可愛いな、と思えたことが
空の中で「何があっても、この人は自分を嫌いにならない」
という安心感と信頼につながっていったように思います。
野良時代に近づいた私との距離は
うちの子になってから一旦遠くなり
その後また少しずつ縮まって
最近、更にググっと縮まってきました。
近い近い
コウも(頭とんがってる)
畑作業から戻ると、嬉しくて鼻先でツンツンしたり
以前のように「へそ天」するようにもなりました。
お散歩中に固まることもほぼなくなり
様々な生活音に慣れ、車での移動にも慣れて
お家に入るのに時間がかからなくなり
ブラッシングや、体を拭かれることが好きになり
「家庭犬」としての生活スタイルに馴染むまでに
3ヶ月かかりました。
ちなみに、シャンプーはまだしていません。
毎日、ブラッシング&水拭きをしていて
汚れたら、お湯のシャワーで軽く流す程度。
いつか、どうしても必要になったらやればいいか~
くらいに思ってます。
でもこの3か月というのは、空を保護する前から
空と、私や先住犬であるコウとの間に
すでに、しっかりとした信頼関係があった上で
そして、コウのサポートがあった上での事です。
犬によって個体差もあるとは思うけれど
そして、子犬なら良いのだけれど
もし「成犬」で、全く初めましての野犬や野良犬を迎えるとなると
並大抵じゃないなと感じます。
犬を飼った経験がない人や
保護犬を扱ったことのない人は、まず無理だと思うし
おそらく、逃走して戻ってこなくなるという可能性大。
そうなると、その犬を保護し、世話をし、譲渡するまでの
多くの人々の苦労が水の泡になります。
だから、保護犬を譲渡する際の審査(譲渡先の条件)が
場合によって、とても厳しく、時間がかかるのは納得です。
譲渡された先の生活環境も大切ですが
なによりも、飼い主が
「何があっても、その犬を愛せるか」ということが
犬を迎える際の一番の条件かなと思います。
保護犬に限らず、犬を家族に迎え入れるには
楽しい、嬉しいことだけではなく
いろんな苦労があるかと思いますが
一つ言えることは
「犬と飼い主の間に、ゆるぎない信頼関係が築ければ
どんな問題もクリアできる」
と私は強く感じます。
なので
「犬と飼い主はこうあるべき」とか
「主従関係」とか
「犬はこうやってしつけるものだ」とか
そういう事よりも、まず飼い主が
犬を愛し、信頼し、何があってもお前を守るよ、という気持ちが
一番大切なことだと感じます。
そうすれば、犬も飼い主を愛し、信頼します。
しつけや主従関係は、その後、自然とついてくるような気がします。
私を含め人間は
多かれ少なかれ病んでいる生き物なので
本来、どこまでも健やかな犬たちの心を
汚すことなく、のびのびと
共に健やかに生きていきたいと思う
今日この頃です。
☆今までの経緯は
カテゴリー「野良犬から家庭犬へ 空の話」でご覧いただけます。
<注意>
野良犬/野犬にむやみに近づくことは危険を伴います。
対象となる犬の行動・心理が読めない方は、絶対に真似をしないでください。
また、保護をする際は、自己責任でお願いします。