今日も完璧なオペで、患者の命を救った心臓外科医のトンマーゾ(マルコ・ジャリーニ)は、
医師としては優秀ながら、傲慢な性格と容赦のない毒舌で周りからは煙たがられていた。
プライベートでは妻との仲が倦怠気味の上に、お気楽な長女はサエない男と結婚。
それでも、頭脳明晰な長男が医師を継いでくれれば満足……。
と思っていた矢先、あろうことか医大に通うその長男が“神父になりたい”と宣言する。
表向きは物分かりのいい振りをする一方で、独自の調査に乗り出すトンマーゾ。
やがて、長男が派手なパフォーマンスで人気のピエトロ神父(アレッサンドロ・ガスマン)に
”洗脳”されていると睨み、信者を装って教会に潜入する。
目に見えるものだけを信じる医師と、見えないものこそ信じる神父。
真逆の2人の対決と、いつのまにか芽生えたまさかの友情の行方は……?
(MovieWalkerより)
面白い映画でした。
息子を取られまいとする敵対心バリバリの外科医とムショ帰りのカリスマ神父。
主人公の二人はオッサン俳優であるw
これがなかなか味のある関係を見せてくれる。
ピエトロ神父の過去は詳しくは出てこないけど、ムショ帰りだけあって、人生の闇も経験積み。
エリートで裕福な生き方しか知らない、人の心を汲み取れないトンマーゾは至って分が悪い。
信仰心のカケラも無さそうなトンマーゾを胡散臭しかしないピエトロが上手い事のせていく。
さすが神父www
イライラばかり募らせるトンマーゾに、とっておきの場所を教えるピエトロ。
風が拭くのも木の実が落ちるのも神様の思し召し。
この辺はやはり唯一神を信仰する人たちの思想ですよね。
自分はやはり八百万の神々がいいな。
風が吹くのは風の神様、木の実が落ちるのは木の神様が
それぞれ勝手な都合でやってる事。
(信仰心なんかちっともないけどねww)
終盤"俺たち友達だろ!"的な関係になった矢先、
ピエトロはある不幸に見舞われます。
映画はピエトロがその後どうなったかは映しません。
ひとり、とっておきの場所に向かうトンマーゾ。
彼はようやく人生の何たるかを感じたのかもしれません。
イタリア映画らしく湿り気の無いカラッとした笑いで魅せてくれました。