beatitude

好きなことだらけさ…

『言の葉の庭』

2013年06月14日 | 映画 アニメ

高校1年生のタカオ(声:入野自由)は靴職人を目指しており、
アルバイトもする一方、こつこつと自分で靴を作っていた。
雨の朝は学校をさぼって日本庭園で靴のスケッチを描きデザインを考えている。
ある雨の日庭園で、チョコを食べながら一人缶ビールを飲む謎めいた女性と出会う。
女性は、ユキノ(声:花澤香菜)といった。
その日から、約束はしていないものの雨の日の午前中に会うようになっていく二人。
ユキノが自分の居場所を見失っていることを知り、タカオは彼女が歩きたくなるような靴を作りたいと思う。
揺れ動く二人の心模様をよそに、梅雨はもうじき明けようとしていた……。
(Movie Walkerより)

新海ファンではないのに、また観に行ってしまいましたw
残念感の強かった『星を追う子ども』からどうきたか観たいもんね。

で、圧倒的な映像に驚いた!!!!

その前に、ストーリーはやっぱり弱いかな。
若干ネタバレ入ります。

主人公の設定としてはこんな27歳の女はいるだろう。
大人なはずなのに成長しきれない部分をたくさん抱えたまま、年齢だけいっちゃってるような
そんな自分を自覚してるんだけど、どうにもならなくなってるような。
でもこの15歳の高校生は無理~wこんな老成した15歳はいないよなぁ。
観ているとタカオが15歳だという事を忘れちゃうもん。
18歳だと言われればギリギリかなぁ。
戦前ならいざ知らず、いくら家庭環境がそうさせたと言っても今の15歳はもっと子供でしょw

逆に感情の流れ的にはユキノの方がありえない。
教師やってんだから、自分の勤めている高校の生徒だと分かった時点で、
どんなに弱っていても自制が効くよw
だって生徒だと思った瞬間から子供に見えるはず、普通相手にしないよなぁ。
 タカオの方は15歳の男の子なんだから、
誰とも知れないOLっぽい女性に惹かれていくのは、そうだろうと思うんだけど。

まあゴチャゴチャ書きましたが、
それでも『秒速5センチメートル』よりははるかにいい。
『秒速5センチメートル』がベタベタの少女漫画ストーリーだとすれば
『言の葉の庭』はラノベくらいには昇格してるんじゃね?
46分という尺の短さに余計なサイドストーリーを排除して
タカオとユキノの時間だけに焦点をあてて上手くまとめている。

しかし、そんなストーリーがぶっ飛んでしまう程の映像美にクラクラしましたw
実際、もう1回観たいなと思いますもん。
梅雨時の地下鉄、水たまりに落ちる雨、雨に濡れる緑、風になびく樹木、
雷雲、けぶる豪雨、アイロンの湯気…
数え上げたら切が無い程に水に関する事がら全てが匂い立つ。
観てるだけでこれほど雨の匂いを想起させるアニメ映像って。

例えばポスターの撮影で絵コンテ何枚も出して決め、
新宿御苑にカメラを設置してあとは天気待ちだよね~なんて言いながら何時間も待って
やっと撮ったような画を、こんなシズル感(死語?)バリバリで描けちゃうんだ!!
と、何か悔しい気もw

キャラデザも今までのどの作品より細かく丁寧な仕上がり。
劇場に足を運んだ甲斐があるってもんです。