戦国の世は終わり、平和が訪れたかのようにみえた江戸時代初頭、徳川の治世。
その下では大名の御家取り潰しが相次ぎ、仕事も家もなくし生活に困った浪人たちの間で
“狂言切腹”が流行していた。
それは裕福な大名屋敷に押し掛け、庭先で切腹させてほしいと願い出ると、
面倒を避けたい屋敷側から職や金銭がもらえるという都合のいいゆすりだった。
そんなある日、名門・井伊家の門前に一人の侍が、切腹を願い出た。名は津雲半四郎(市川海老蔵)。
家老・斎藤勘解由(役所広司)は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女(瑛太)の、
狂言切腹の顛末を語り始める。
武士の命である刀を売り、竹光に変え、恥も外聞もなく切腹を願い出た若浪人の無様な最期を……。
そして半四郎は、驚くべき真実を語り出すのだった……。
(goo映画より)
地元の映画館2D上映しかやってなくて2Dで観賞。
重い…重過ぎ…誰も救われないよ…
観終わったあと腹が痛くなりそうなくらい重かった。
市川海老蔵の所作は流石ですが、その部分に酔う気分にならないくらいでした。
千々岩求女(瑛太)の竹光切腹シーンは下を向きたくなりましたよ。
(ちゃんと最後まで観ましたが…)
斎藤勘解由(役所広司)がどうにも武士の体面ばかり気にする、イヤなヤツに見えないんですよ。
なもんで、津雲半四郎(市川海老蔵)の言い分に今一つ納得がいかず、
ええ~、斎藤さんいい迷惑じゃないか。
玄関先貸せと言われ、貸してやって、介錯もしてやって、
なぜ事情を聞かなかった!なぜ止めなかったと言われてもね~。
そりゃあ、竹光と分かっていながら、そのまま切腹をさせたり、
さっさと介錯してやりゃいいものを、「まだまだぁ!」と引き延ばす辺りは
非があるけど、それは沢潟、松崎、川辺の髷を切り落としたところで、終わってるでしょ。
津雲半四郎もいろいろと悔しいかもしれないけど、
元はといえば、狂言切腹という手段を選んだ求女が浅はかだったとしか思えません。
内容はちょっと…という感じでしたが、美術は目を惹きました。
斎藤勘解由がいる部屋の襖、墨色で重苦しくどこか禍々しい。
切腹場所となるお白州も威圧感十分。暗い赤が映えます。
津雲半四郎の貧乏長屋、求女と美穂のあばら家。
坂本龍一の音楽を聴くだけで鬱々とした気分になります。
ひこにゃんでも見たいなぁ。