ゆるゆる素浪人の「気まぐれ日誌」~ 自己満足とボケ防止に、人生の雑記帳~  

そういう意味で老人の書いた「狼の遠吠え」、いや「犬の遠吠え」と思い、軽い気持で読んで頂けば有り難いです。

思い出の仕事場「インターネット随想」(56)

2013-01-13 06:00:00 | エッセー
今年はノロウイルスによる食中毒が多いそうだ。
さぞかし微生物部門の担当者は忙しく検査に追われている事だろう。
食中毒の多くは微生検査だが、化学職員の出番もある。

一般的に言って化学物質による食中毒が起れば広域で、
多数の死亡者の出る悲惨な事件に発展する場合が多い。
過去にM乳業のヒ素ミルク事件(As)、水俣病(Hg)、カネミ油症(PCB)等を思い出すが、
なかでも昭和43年、米ぬか油の製造工程に使用されていた加熱媒体のPCBが混入し、
西日本一帯で発生したカネミ油症(患者:300余名、死亡者:38名)は忘れられない。

当時我が研究室にも100本近くのカネミ油が持ちまれたが、
幸いにもPCB混入の食用油は無かったので安心した。
しかし今なお他県にはPCBの後遺症で苦しんでいる人が居るが、
化学物質による食中毒の怖さを感じざるを得ない。

さて今日の「インターネット随想」は、かつて職員の親睦会誌に書いた、
職場紹介の「敏速・タイムリーで県民に密着した試験研究」を掲載する。

急性食中毒の発生の電話が夜中の11時、車をとばして職場へ、
多くの分析機器をスタンバイにして、即応検査態勢にはいる。
様々なガラス器具と薬品臭、分析機器のサウンドが漂う研究室を走りながら、
到着した原因食品、嘔吐物からヒ素、シアン、アジ化ナトリウム、
それに有機隣農薬など約十万種の化学物質を、
原因化合物の検索に職員全員で分担協力し、明け方までには、めどをつける。

そのとき、新鋭のガスクロマト質量分析計、誘導プラズマ質量分析計が、威力を発揮する。

当部門は○○県における科学的かつ技術的中核機関として、
食品、医薬品、毒劇物、家庭用品、温泉、廃棄物、水道水などの試験研究を行っている。
なかでも、「食品中の食品添加物や汚染化学物質」の調査研究を、
昭和61年から国立研究機関と共同して行っており、高い評価を受けている。
   
     (○○県職員機関誌”ふれあい”2000.1.5)

●思い出のレトロ写真から(113) 京都・仁和寺(昭和37年頃)
○拝観券 

○仁和寺庭園

○五重塔


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