ゆるゆる素浪人の「気まぐれ日誌」~ 自己満足とボケ防止に、人生の雑記帳~  

そういう意味で老人の書いた「狼の遠吠え」、いや「犬の遠吠え」と思い、軽い気持で読んで頂けば有り難いです。

東京医大で悪しき慣行

2009-02-20 06:49:00 | 時事・雑感
今朝の地方紙はサヌキの県立○○病院で不妊治療の受精卵を取り違え妊娠、
そして人工中絶をしたと医療ミスが大きな活字で一面を躍っている。

先日の二ユースでは東京医大で博士論文審査に係わった教授と、
博士号を収得した学生との間に、
20万円前後の現金授受があったと報道していた。
昔から博士号に係わる不祥事は繰り返されていたが、
大学院(学位審査が出来る大学)の乱立した現在、
こんな慣行がまだ行なわれていたこと自体に驚きである。

サヌキ出身の菊池寛の小説に「末は博士か大臣か」と言う言葉が在るが、
昔は博士や大臣は出世の代名詞でもあった。
現在では大臣や博士浪人が掃いて棄てるほどいるが、
今でも出来れば取りたい称号の一つに違いない。

私も思いがけなく地方の「公衆衛生」関係の研究職場に配属されたので、
職責を果す上から「学位収得」が必要と感じ挑戦することにした。
とは言っても40年前の当時は「学位審査権」の有する大学は少なく、
近県では国立の九州、岡山、徳島、大阪、京都大学ぐらいで私立はなく、
近県の○○大学に入学した。

仕事を兼ねていたので10年近く掛かり論文を仕上げ、
学位審査を受ける事になった。
当時の多くの大学では語学は英語とドイツ語、そして論文審査が行なわれた。
論文審査は専門の指導教授が主査を務め、
他教室の教授が副査で審査するのが通例であった。
最終的には教授会で合否が決定されるのだが、
今ではもう少し厳しくなっているかもしれない。

このように書くと難しい審査試験のようだが、
指導教官が主査で新しい専門の研究だから、
そう簡単には副査や他の教授には論文内容までは分からない。
今でこそインターネットで直ぐ調べられるが、
昔はそう簡単には分からなかった。
だから学位審査は教室の主任教授が絶対権限を持つ事に成り、
指導教授が学位審査会に提出してくれれば殆ど合格と言うことだろう。

その為か昔から指導教官と博士号に係わる金銭の噂が絶えず、
マスコミ等でしばしば報じられていた。
私が通った大学は国立だったので小額の手土産程度のお礼で済んだが、
当時から一部の大学では黒い金銭の噂が流れていた。

今回の不祥事を契機に文部科学省は、
全国大学・医学部・博士課程の一斉調査をすると発表していた。
恐らく他の大学のでも「博士号」に係わる金銭の授受が、
今も悪しき慣行として残っている大学が在るのかも知れない。