ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

論基礎解答力養成編刑法第1回突入 監督義務者(民714条)と近親者固有の慰謝料請求

2005年07月12日 01時48分22秒 | 刑法
先週末の土曜日、日曜日は雨も降りましたが、涼しくて過ごしやすかったのですが、今日から猛烈に暑くなりましたね。夏ですか~!

予定より早く民法を終わらせました。やっと刑法に突入です。

論文本試験の方は今週末に始まりますね。力の限り頑張って下さい。


以下の論証は似ている構成です。

監督義務者(714条)の責任
未成年者に責任能力あれば、監督義務者は責任を負わないか?
↓確かに
714条は「責任無能力者がその責任を負わない場合」とあり、反対解釈をすれば、未成年者に責任能力あれば監督義務者は責任を追わないかに見える。
↓しかし
これでは、被害者保護に欠ける。

思うに、714条、責任能力なき者の監督義務者に過失の推定を認めたに過ぎず、監督義務者の709条の責任を免除したものではない。
↓したがって
被害者が監督義務者の過失と損害発生の因果関係を立証さえすれば、709条の不法行為責任に基づき、損害賠償請求しうると解する。

被害者重傷の場合の近親者の慰謝料請求
被害者が重傷を負うにとどまった場合、被害者の近親者は、加害者に対して近親者固有の慰謝料請求できるか?
↓確かに
711条は死亡の際の近親者の慰謝料請求を認めているのであり、反対解釈をすれば被害者が重傷の場合には近親者の慰謝料請求は認められないかに見える。
↓しかし
被害者の負傷が重大な場合には、近親者は精神的苦痛を受けるため、固有の慰謝料請求権を認めるべき。

思うに、711条は、被害者が死亡した場合に、近親者は通常精神的苦痛を受けるため、近親者の立証責任を軽減した規定である。
↓よって
711条は、709条710条を除外する規定ではない。
↓もっとも
近親者の精神的苦痛は間接的なものであり、安易に不法行為の成立を認めると慰謝料請求権を広範にみとめることになりかねない。
↓したがって
被害者が負傷により、近親者の精神的苦痛が死亡と同視できる場合には、709条、710条に基づき慰謝料請求を認めるべきである。