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裁判での誤訳

2017-05-24 23:30:35 | 中国語と日本語
 大阪地裁で判決が出た中国人殺人罪被告事件、取り調べ中の(かなりの数の)誤訳が認められたとのニュースが流れました。

 私は、今、中国語を解する・話せる弁護士として活動していますが、誤解を恐れずに言うと、


 裁判での法廷通訳<中国語>でも、ニュアンスが違うのみならず完全なる誤訳も相当程度存在し、重要な点が訳されていないということはさらに多い!ましてや、密室の取り調べでの通訳なんて、もっと怪しいはず!


 立場上、具体的には書けませんが、刑事事件で事件の核心部分に関する明らかな誤訳に一度出くわしたことがあります(本当に核心中の核心での誤訳だったので、私は本当に内心「え、え、今のはさすがにまずいんじゃ」と1人で慌てていました)。
 ※この秘密の具体的内容は墓場まで持っていくつもりはありませんが、少なくとも文字では書きません。そのぐらいまずい誤訳でした。

 また、私が実際に弁護人として関わった事件で、極めて重要な争点の部分で訳をぶっ飛ばされたことがあり、裁判長に対して「今の部分の訳は納得いきませんので、通訳しなおさせてください」と申し出たことがあります。こう書くと、なんか私がものすごい紳士かのように見えますが、実際は、ダチョウ倶楽部のように立ち上がって「をい!今のおかしいから!訴えてやる!」みたいな感じでした(笑)。
 ※ちなみに、この法廷通訳は、私に対して「素人のくせに何がわかる!」と超絶的に激怒してきましたが、この後から通訳のクオリティが格段に上がりましたので、言ってよかったと思います。多分、実際は私が「素人ではない」ことがわかったんだと思います(笑)。


 正直なところ、裁判関係の通訳全体として、あまりに玉石混交過ぎて怖いです。

 「専門の通訳です」と自称していながら、私が留学1年半で到達できていたレベルの人間もいます。まず、こんなレベルでは、絶対的に通訳は無理です。

 それから、役職だけ立派な人(例えば教授とか)は、意外に通訳としてはダメダメだったりします。要するに、やはり学者なのであって、実践が少ないのだと思います。裁判所は権威に弱いので、肩書を持った人に対しては簡単に依頼する(そして、誰も指摘をしないので、そのまま肩書だけが残ってしまう・・・)のだと思います。


 あとは、個人のレベルの問題ではなくて、制度・日本の文化の問題もあります。

 まず、法廷通訳という資格がありません。つまり、何らの能力・努力・経験の担保もないのです。登録さえして最初の何件か案件に恵まれれば軌道に乗ってしまったりします。

 そして、通訳に対するリスペクト・支払いの不足に端を欲する人材不足という大きな問題があります。

 通訳というのは、何年も訓練を積んでようやく一部の人がなれるという、それはそれは大変な仕事です。私は中国語についてビジネスレベルとしては問題ありませんが、それでも純粋な通訳の仕事の場合はお断りします。レベルが不足していると考えているからです。

 自分の言葉で表現できて、聞き取れなかったときは聞き返せる「ビジネス」と異なり、「通訳」というのは、会話の内容という観点からするとあくまでも黒子なので、話者の言葉を完全に訳さないといけないのです。途中で聞き直すというのも、許されるのは10分の間でせいぜい1回程度ではないでしょうか。
 ということで、ビジネスレベルと通訳レベルの間には極めて厚い壁があり、専門の訓練を受けないとよほどの天才以外は通訳という仕事をできないのです。

 そして、そのように能力に恵まれ努力も必死でして来た人であっても、通訳というのは本当に神経をすり減らす仕事で、もともと、完全に集中できる時間というのは高々15分~30分程度、超頑張っても1時間なんです。
 ※国際会議では15分~20分程度で交替しているはずです。

 それにもかかわらず、日本では、通訳という職業がすごい仕事・とても大変だという理解がなく、たいした金額も支払わずに、平気で3時間ぶっ通しで通訳させたりします。こんな状態では、優秀な通訳者であっても、後半はぐだぐだになります。
 ※はっきり言うと、話者たる部長や課長の方がずっとずっと高給をもらって安定した身分なのですが、通訳と同等に価値がある仕事をできる人なんてほとんどいないんですよ。ただ、肩書だけの管理職ばっかりですから。彼らの給料を削れば、本当に仕事をしている通訳にたっぷり報酬を払えます(笑)。

 さらに言えば、日本語以外何語も話せない人、真剣に外国語を勉強したことのない人に限って、「外国語を95点のレベルでマスターすること自体たいへんなことである」という当たり前のことすら理解せずに、無理強いしたりします。
 ※能力もない、努力もしたことないというのは、自分に甘く他人に厳しい人が多いので、見ていて「お前らほんま気楽やな~、日本はアホであればあるほど幸せだな」とか時々思います。


 こんな状況ですから、なかなか優秀な方が通訳を目指さない世の中になってしまっているのです。

 さらに、優秀な通訳者であれば、優良大企業の渉外担当秘書あたりの方があらゆる意味で恵まれているので、いよいよ司法通訳に目も向けてくれないのです。

 そういう訳で、司法通訳は、かなりの人材不足だと思っています。


 日本人は、本質的に外国人が嫌いなので、中国人をはじめとした外国人が誤訳されて厳罰を受けても、「けっ、ざまあ。さっさと国に帰れ」と思う人がほとんどだと思います。

 ですが、例えば、自分自身が外国で強制わいせつの裁判にかけられたことを想像してみてください。
 本当に教室説例で恐縮ですが、「ということで、無理やり、キス(KISU)をしたのですね?そのとおりですね?」というという問いかけが誤訳によって、「ということで、検察官はやむなく起訴(KISO)をしました。理解できますね?」という問いかけになり、そのせいで「はい、そのとおりです」と回答してしまったことを想像してみてください。

 この誤訳のせいで、強制わいせつで有罪になりかねないのです。本当は合意があって、ただ、そのあと仲が悪くなって腹いせで告訴されただけなのに!?

 こんな不正義、どこの国の人が被告人であろうと許されるものではありません。


 通訳が大切なことをおわかりいただけたと思います。

 なんとか、司法通訳業界も充実してレベルアップされることを心から祈っています。


 追:ちなみに手前味噌ですが、私は証人尋問の前に、極めて重要なポイントになる単語について、裁判所に「こういう日本語を使う予定で、この中国語訳は〇〇というのが一般的です。法廷通訳にお伝えくださいませ」と申し入れをしています。これはかなり大きいと思っています。一定レベル以上の通訳者でも、(その訴訟に特徴的な業界の)専門用語とかの訳はわからないのです。
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今日は端的に(笑)。

2017-05-09 03:01:57 | 中国の文化と日本の文化
 私の書く文章は、ブログにしても、メールにしてもいつも長いのですが、今日は端的に。


 飲みに行って、年齢も経歴も収入も明らかに上なのに完全割り勘した上、領収書を全額自分のものにする人には、私は付いていかない(笑)。 


 誰も文句は言わないが、必ずみんな内心でぼろくそに評価している。
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とにかく忙しい。。。

2017-04-27 04:14:35 | 中国の文化と日本の文化
 ありがたいことなんだろうとは思いますが、とにかく忙しいです。

 で、過労でストレスが溜まり、暴飲暴食に走り(生まれつき暴食傾向な訳ですが(笑)、そこに弁護士になってから暴飲も加わるようになりました)、膵臓を悪くしてしまいました。

 お酒と天ぷらがNG、油もの大量摂取は避けるべし、との指令を医者から受けてしまいました。

 普段は、そもそも医者にも行きませんし(笑)、医者の言うことよりも自分の直観(とネット調査の結果)を信じるタイプなのですが、今回は、自分のドス勘とも合致しましたし、このままの生活を続けたら近い将来大変になるという気も実際にしましたので、おとなしく従っております。

 GWあたりで細かく分析したいと思いますが、今の東京の弁護士というのは命を削ってやる職業です。したがって、ものすごくはっきり言うと、瞬間的にグワーッと稼いでぱっと引退しないと、早死にするのだろうなという印象です。
 ※なぜグワーッと稼ぐという要素が加わるかというと、単純な話で、稼がないと早期リタイアできないからです(爆)。
 ※ちなみに、戦後70年も経ち、弁護士業界も既得権益というのが完全に確立していますので、既得権益層の周りに群がって媚びを売るというビジネスモデル以外は苦しいというのが現状です。


 とにかく、携帯電話とかメールとか何もない無人島で休みたいです。
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クズ映画監督とプロデューサーは、さっさとブタ箱に入れましょう。

2017-03-07 00:09:41 | 北京の「食」
 本当にひどいニュースです。


1月20日正午から21日午前2時までと、同日正午から22日午前5時までの2回行われた。いずれの時間も稲垣さんは撮影現場や仮眠用スペースなどで待機。22日午前3時すぎに仮眠から目を覚ました稲垣さんを撮影に参加させたという。

 深夜3時過ぎからダメ出しを繰り返し、数十回にわたる撮り直しを強行。プロデューサーの森井輝氏(43)も現場にいながら撮影を中断しなかった。稲垣は同行していた母親に抱き付き、肩を震わせて泣き始めたという。この前日も稲垣は深夜2時まで14時間に及ぶ撮影をさせられていた。



 関連条文を後掲しておきますが、どこからどうみても完全な労働基準法違反です。奴隷的拘束という意味では憲法違反の領域にも差し掛かっています。


 6歳の子役を超絶ド深夜にたたき起こして仕事をさせた、クズ監督(犯罪者)の名前は三島有紀子。私たちはよく覚えておきましょう。正直なところ、子役にこういう非人道的なことをしていい作品が取れる訳ないですから、監督としても5流以下な訳で、名前を覚える間もなくすぐに消えると思いますが(笑)。

 とりあえず、、、

 こういう、クズ監督は、ブタ箱にぶち込みましょう。あと、見て見ぬふりしていたプロデューサーも、ついでにぶち込みましょう。 


 もうね、芸能界なんていうのは、パワーバランス(パワハラ)だけで成り立っているような業界ですから、論理や倫理だけでは浄化できません。

 犯罪者はがんがん牢屋にぶち込みましょう。牢屋で毎日午前3時にたたき起こしてやれ(爆)。

 
【労働基準法】

第5条(強制労働の禁止)  
 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

第32条2項(労働時間)
使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

第56条(最低年齢)
使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない。

第60条2項(労働時間及び休日)
 第五十六条第二項の規定によつて使用する児童についての第三十二条の規定の適用については、同条第一項中「一週間について四十時間」とあるのは「、修学時間を通算して一週間について四十時間」と、同条第二項中「一日について八時間」とあるのは「、修学時間を通算して一日について七時間」とする。

第61条(深夜業)
使用者は、満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満十六才以上の男性については、この限りでない。

第117条(罰則)
第5条の規定に違反した者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。

第118条(罰則)
第6条、第56条、第63条又は第64条の2の規定に違反した者は、これを一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第70条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第六十三条又は第六十四条の二の規定に係る部分に限る。)に違反した者についても前項の例による。

第119条(罰則)
次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一  第3条、第4条、第7条、第16条、第17条、第18条第1項、第19条、第20条、第22条第4項、第32条、第34条、第35条、第36条第1項ただし書、第37条、第39条、第61条、第62条、第64条の3から第67条まで、第72条、第75条から第77条まで、第79条、第80条、第94条第2項、第96条又は第104第2項の規定に違反した者
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弁護士業界が自殺した日

2017-03-03 22:16:01 | 中国の法律と日本の法律
 さすがにこれは酷い。前代未聞のニュースです。

 舞台は、日弁連(弁護士の親玉。総本社とも位置付けられる団体)の臨時総会。

 もめる案件Aがあったため、やや大げさに言うとプロキシファイトの様相も見せていた。
 ※委任状争奪戦。要するに、自分の意見に賛成してくれる人を募って、予め委任状という形で票をもらっておくということ。

 そんな中、案件A反対派の弁護士に対して18通の委任状が集まった(つまり、反対票が18票集まったということ)。

 ところが、東京弁護士会!!!が、「某弁護士(案件A反対派)に私の票を授けます」という委任状を、「別の某弁護士(東京弁護士会会長経験者。案件A賛成派)に私の票を授けます」と改ざん!!!

 この委任状を正当なものと認めますという東京弁護士会会長名義のゴム印が押されていたので、日弁連はこの票を有効なものと扱い、(本来は反対票なのに)賛成票として扱おうとした。

 が、発覚したため、この3票だけ除いて強行採決。


 これ、本当にびっくりです。

 完全に刑法犯。私文書変造罪又は偽造罪。

 はっきり言うと、この3票だけではないはずです。18通の委任状のうち3通つまり約6分の1という割合で、全体的に書き換えられたと考えるべきです。

 たったの3通のはずがないという推論根拠は以下。

〇そもそも圧勝状態なのであれば、そんな極めて大きいリスクを背負って、たった3票書き換える訳がない。

〇もし、3通の書き換え程度で、結論をひっくり返せるぐらい接戦だったのであれば、「数え間違い」でごまかせるレベルである。※書き換えよりは数え間違えの方が、数段、やりやすいし発覚しづらい。

〇仮に数え間違い作戦をとらないにしても、1人に集まった委任状の改ざんではなくて、もっとばらけさせるはずである。

 したがって、結果から逆算して必要数書き換えたと見るのが自然でしょうね。本当は、否決される票数だったんでしょう。


 恐ろしい話です。

 私たち弁護士は、当たり前ですが、法令順守というのは大前提中の大前提なんです。偽造、変造なんてもってのほかです。論外です。

 そして、私たちは、委任状をもとに依頼者の方から依頼を受けて事件を処理する立場ですので、委任状というのはある種神聖なものなのです。

 さらに、そもそも今回問題となっていたと思われる案件Aは、「弁護士業界に対する信頼の保持のため、弁護士に横領された依頼者(被害者)に対して弁護士会から補てんをする」というもので、もともとの目的が「弁護士業界に対する信頼保持」なんです。そんな文脈の中で、これ以上ないぐらい弁護士業界に対する信頼を失墜させるとはいったい何事か。


 はっきり言いますが、30年以上やっている弁護士は、クズ率が高いです。

 弁護士になってから努力もせずにゴルフにかまけ、バブル時代の土地ころがしや多重債務者の過払い訴訟バブルで能力もないくせに濡れ手に粟の大金を手にし、「バカほど勘違いする」というご多分に漏れずに自分のことを「大先生」と勘違いして、「俺様は偉いから何をやっても許される」と心から思い込む訳です。

 口だけでやって来ているので、中身がすっかすかなんですよ。

 あのな、ゴルフと酒は法律と関係ねえから(笑)。

 相手方弁護士で「こいつ、レベル低いなあ、バカじゃねえの」と思う書面とか出してくるのは、たいていジジイ弁護士です。で、そういう弁護士はやっぱり尋問に行っても、ポイントずれまくりでどうしようもないです。


 で、だいたいこういうジジイ弁護士は、必ず聞いてきます。「君、何期?」「じゃあ、〇年目か」

 要するに、「俺は、ずっとずっと先輩だぞ」と言いたいだけです。

 知るか、ボケ。ただ、私としては、言いませんがいつも内心こう思っています。


 「お前、それだけ弁護士やってきて、このパフォーマンスか。バカもたいがいにしろ。お前、無駄に年食っているだけじゃねえか(爆)。」 



 今回、そもそも上記案件Aなんて、クズ老人弁護士保護法案なんです。

〇自分の威厳を何とか守りたい一心の、うまいこと世渡りしてそれなりの地位を築いたクズ老人が、

〇いつもつるんでいる同世代の中に、お客様のお金を横領するという救いがたいクズ老人がいて、

〇そのクズ老人を救うため、
 (弁護士会から被害者に対して補てんすることにより、被害者からクズ老人への返還請求圧力をなくすため)

〇クズぶりをいかんなく発揮して、クズなことをして、無理やり、皆様の弁護士会費でクズ老人への返還請求を事実上防止するというクズ決議をとり、

〇もって、弁護士業界に対する信頼を失墜させ、

〇その割を食うのは、下の方で必死に働いている若手

 というろくでもない事件なんです。


 結局、とにかく存在だけではた迷惑な団塊の世代が、次世代にまたまた迷惑をかけている、その究極系、ここに極まれりという事件なんです。


 まあ、私としては一言。


 クソジジイ弁護士は、さっさと引退しろ!存在が迷惑! 
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3年半前に芦田愛菜ちゃんの私立中受験成功を予言していた男(笑)

2017-02-11 09:11:15 | 日本時事
 芦田愛菜ちゃん(さん)が、超名門私立中に合格したとの話がニュースになっていますね。

 ※ニュースベースで、「偏差値70を超える」とありますから、慶應中等部、御三家、豊島岡ぐらいに限られますが、慶應なら名前を出すのではないか、桜蔭なら「最難関」と書くのではないか、豊島岡なら「超名門」というより勢いのある進学校という印象で「超難関」と書くのではないか、雙葉は微妙に偏差値70いらないのではないか、ということから、女子学院ではないかと推測しています。


 そして、、、

 不肖私め、3年半以上前に、このニュースを予言しておりました(爆)。

 2013年7月12日「麻布学園のススメ 後編:合格する方法<その1:4年生以下>」1読解力と表現力 をご覧ください。

 もちろん芦田愛菜ちゃんはちょっと特別な感じがするのであまり参考にはなりませんが、私立中受験においては、小さいころから大人が大人の言葉で語りかけるというのはとても重要なことだと思います。



 って、芦田愛菜ちゃん、もう中学生なの!?(笑)
 
 
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真の最重要科目(笑)

2017-02-11 08:44:56 | 中国の法律と日本の法律
 いろいろな業界・職種を見てきましたが、組織人・自由業問わず、(概ね5年目以降)文系職種で最も要求される能力は、専門性でもなく経験でもなく英語でもなく、


 ゴルフを通じて人に取り入る能力 


 ですね。

 ファイナルアンサー(爆)
 
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中国人旅行客が減った理由

2017-02-07 23:14:30 | 中国の文化と日本の文化
 今年の春節(1月28日から1週間程度)は、中国からの旅行客が昨年と比べてかなり減っている印象との報道があります。

 東京の家電量販店・ドラッグストアの雰囲気を見ても、ほぼ確実に客数が減っているだろうと私も思います。

 それでは、中国人旅行客が減った理由を考えてみましょう。

1 単に日本旅行ブームが去った。

 ビザ緩和になって2年以上経ち、とりあえず日本に行ってみたいという層が一巡した可能性があります。

 同じ国2回目の旅行というのはそうすぐには行かないのでまだ「リピーター」というのが少ない中、新規がそれほど増えていないということかなと思います。

2 日本との政治関係が相変わらず冷えている。

 これはそうなのですが、実は別に2年前が蜜月だったかというとそうでもないので、あまり理由になるようなならないような感じがします。

 アパホテル問題はこれからじわじわ来るかも知れません。

3 (2と少し連動するが)日本人から歓迎されていないことを肌で感じている。

 これは、日本人である私自身も肌で感じていることなのですが(笑)、とにかく日本人は中国人が嫌いなんですよね。。。

 日本人はもともと外国人が苦手な上、中国人というのは日本人からすると「傍若無人で権利ばかり主張し自分の利益しか考えないわがまま」と感じる訳です。

 中国に長く留学していた身としては、中国人の気持ちもわかります。中国人はとにかく人口が膨大で競争が激しいのでお人好しなことを言っていてはやられてしまうので、とにかく我を張らざるを得ないのです。これはこれで国民性というか環境なのでやむを得ないとも思うのですが、そうはいっても、根っからの秩序好き・波風大嫌い・人の顔を見て権利主張せずで育っている日本人からすると、生理的に無理なんだろうと思います。

 日本に旅行で来る中国人は、中国の中でもかなり上層だと思いますが、それでも日本人の中に先入観がありますから、やはりそういう態度になってしまうのでしょう。中国人観光客もなんとなくそういう雰囲気を肌で感じてしまうのではないかなと思います。

 そうすると、それが口コミやネットで伝播して、第一陣の後が続かなくなってしまうのです。

4 応対してくれる人がどこへ行っても中国人だらけで、異国情緒を全く味わえない。

 最近は、日本の店舗の方が過度に中国人観光客シフトしていて、中国人バイト従業員をそろえています。これは、経営戦略として十分にありなのですが、どこもかしこもやっているので、中国人からしたら、中国で買い物しているのと全然変わりがなく感じてしまうのではないかと心配しています。
 ※日本人は中国人とかかわりたくないので、中国人バイト従業員に全て接客を押し付けていますね、私が見ていないふりして見ていると(笑)。頑張って英語で日本人店員とコミュニケーションをとろうとしている中国人がいても、何となくそそくさと逃げていますね(笑)。

 そうなると、やはり旅行全体として面白味がなくなるかなと思います。

 私だって、海外に行って、どの店に行っても日本人が出てきたらイヤですからね。

 ターミナルとかでしたら確実に言いたいことが通じるという意味で日本人がいたらありがたいかも知れませんが、ガイドでもできれば日本語のできる当該外国人がいいなあと思いますから。ましてやお土産屋で日本人が出てきたら嫌です。電卓を持ちながら片言の日本語とうまくない英語と当該国の言語ごちゃまぜぐらいが楽しいです。

 これが海外旅行なのではないでしょうか。

5 中国人が中国人をだます。

 中国人は往々にして「中国人は信用できない」と言います。

 中国人自身が中国人をよく騙すので、中国人は同国人であってもお互いを信用していないのです。
 ※ここは台湾とかなり違います。

 で、中国人が日本に団体旅行で来る際は、中国人がコーディネートして中国人が手配した中国人店員だらけのお土産屋とかに行きまくる訳です(当然に店からディベートをもらっているでしょうね)。

 これは日本人の団体旅行でもそうですが、そんなの、騙されるとまでは言わなくてもぼったくられること必然なのです。

 おそらく、そういった旅行が結構あるのではないかと思います。こういうのも、口コミ・ネットで流れます。

6 日本が「お・も・て・な・し」国家というのは幻想。

 私の経験からすると、旅行での「お・も・て・な・し」度合いは、すべて価格比例です。

 要はきちんと対価を払っているおもてなしなのです。別に、日本人は無差別に超絶博愛主義者で常に誰に対してもおもてなしをしている訳ではないのです(周りに人に優しいのは、それは恒常的に関係のある人であって、優しくしないと自分にマイナスがあるからなのです。例:近所付き合い)。

 逆に言うと、普通は、対価以上のおもてなしなんて受けられないのです。そうすると、2と3で述べた中国に対する印象によるマイナスおもてなしの方が前面に出てきてしまう可能性があるのです。


 私が以前知床に旅行した時、午前11時ごろでしたでしょうか、通りがかりの大規模ホテルの職員らしき人(駐車場に水を撒いていた)に、「近くに喫茶店はありませんか?」と聞きました。

 この時の回答は、中国人の「不知道(知りません)」よりも最低で、


 「私たちにもプライベートの時間があるんでね。話しかけないでいただけたい」 


 でした。これは、本当に衝撃的でしたので、今でも鮮明に覚えています。

 こっちとしては、このババアがホテルの駐車場に水を撒いていたので、仕事中の人に見えた訳ですよ。そして何より、「〇〇どこにありますか?」なんていう質問は、別に通りがかりの人にしてもおかしいモノではない訳ですよ。それなのに、このクソ回答ですよ。

 このくそ回答をしたババアの「お・も・て・な・し」なんて、「表がない裏の顔しかない」という意味ですよ(笑)。


 あと、札幌の著名ホテルに連泊したら、朝食が全く同じ(しかもたいして美味しくない)で腰を抜かしたことがあります。こんなのも、「お・も・て・な・し」精神の欠如を示しているでしょうね。かなり価格の高いホテルだったんですがね。で、部屋にアンケートがあったので「この価格で、朝食が連日全く同じというのは考えにくい」と書いた上でわざわざメールアドレス欄も埋めてきたのですが、何も反応はなく、性懲りもなく大量送信定型広告メールだけ送って来ますよ(笑)。

 ここには二度と泊まりません。私は、札幌が大好きで、今後このホテルに泊まらないだけで札幌に行かないという選択肢はありませんが、外国人観光客であれば、このホテルに対する印象が、日本そのものの印象になってしまいかねないのです。


 ということで、外国人観光客がみんな日本のことを好きになって帰ってくれる訳ではないのです。むしろ、観光業というのは、日本の中では、「今、目の前にいる客からいかに金を取るか」しか考えない近視眼的人間も多いというのが私の認識です。そうすると、リピーターというのは望めないでしょうね。


 概ね以上です(最後の6は多分に私怨の吐露になってしまってすみません(笑))。

 これからは、観光客による、都市・ホテル・飲食店・お土産店の取捨選択が始まるでしょうね。ここ2年程度がたまたまバブルだけだったという認識を持って、たゆまぬ努力をつづけるところだけが生き残るのかなと思います。

 全体的にこの努力ができれば、ほぼ恒常的に中国人観光客は増えていくのではないかなと思っています。何しろ、日本の10倍の人口で、いくら最近それほど経済好調ではないと言いつつも、5%とか6%は成長しているのですから。
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新鮮な驚き~アメリカの司法判断

2017-02-06 22:07:30 | 中国の法律と日本の法律
 アメリカの大統領令が裁判所によって差し止めされたとのこと。

 内容は多分に政治的なので踏み込みませんが、私が本当に驚いたのが、裁判所が大統領の判断に真っ向から反した結論を極めて迅速に下したということです。

 日本の場合、そもそも行政訴訟は基本的にほぼ無条件に負けますし(真か否かは永遠に不明ですが、裁判官が国を負かせる判決を書くと出世できないなんていう噂すら流れています)、高度に政治的なものについては「統治行為論」といって司法が職責を放棄できる理論が確立しています。

 いわゆる執行停止(暫定的な判断)についても基本的には認められませんし、なぜか慣例的に本案判決と同時に執行停止の可否判断がなされる領域すらあります。
 ※本案判決と同時に執行停止の可否を判断するというのは、執行停止制度の存在意義を失わしめるものですので、本来であればやってはいけないことなのです。


 ですので、日本は大統領制ではありませんが、仮に同じようなシチュエーションがあったとしても、日本の裁判所はそもそも判断しませんし、判断するとしたら「国の判断に問題はない」というお墨付きを与える方向の判断になるでしょう。

 ということで、別にアメリカを無条件で賛美するつもりは全くないのですが、今回は、純粋に良い方向でかなりびっくりしました。


 私が思うに、裁判所というのは、行政の判断に追随するのであれば、その存在意義はありません。何のための司法の独立か、と思います。現状であれば、日本の状況は、すべて共産党が指導すると憲法上規定されているC国とあまり変わりがありません。
 ※そういう意味でいうと、別にC国が正しいと主張するつもりはありませんが、建前と実態のかい離がないという意味では中国は潔いのです。あ、中国って書いちゃった(笑)。


 くどいですが、アメリカを賛美するつもりはありません。ただ、やはりまだまだアメリカから学ぶべき点もたくさんあるのだろうなと感じた一幕でした。
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音楽教室から著作権料を取る?~JASRACの不思議解釈

2017-02-04 13:22:45 | 中国の法律と日本の法律
 JASRACが、音楽教室から、練習で使う楽曲について著作権料(授業料の2.5%)を取るという方針にするとのことですね。

 著作権法の規定は極めて曖昧ですし、JASRACのやり口がいくらなんでもえぐいということで、今後もめるでしょうね。

1 関係条文(すべて著作権法)と解釈

(1)2条5項

 「この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。」

 一般的に、法律上の「公衆」「公」というのは不特定又は多数のことを指します。
 つまり、以下の3種類がありうることになります。
 ①不特定かつ多数
 ②不特定かつ少数(多数ではない)
 ③特定かつ多数
 特定かつ少数のみ「公衆」等と判断されないことになります。

 さて、2条5項は、わざわざ③特定かつ多数を含むという規定です。
 これは出来が悪い規定ですね。確認既定のつもりなのでしょうが、なぜわざわざこんな規定を置いたのでしょうか。解釈上、本当は①不特定かつ多数だけなんだけど③特定だけれども多数も含むよ、という規定にも読めなくはないからです。

 そして何より、著作権法においては、「公衆」という単語が140か所程度も出てくるほど超重要なので、こんな「〇〇を含む」という既定の方法ではなくて、びしっと(確認規定でもいいので)「不特定又は多数」などと定義して欲しかったところです。

 さらに、もっと具体的に、不特定というのはどういう意味なのか、どの範囲で特定・不特定の判断をするのかの規定も欲しいところです。

 検討は後述します。

(2)22条

 「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。」

 著作権者が公衆へに直接聞かせることを目的として演奏する権利を専有しているということですので、逆に言うと著作権者以外は著作権を支払うか演奏できないかのどちらかになるということです。

 さて、ポイントは、先ほどの「公衆」と共に、「直接聞かせることを目的として」ですね。

 検討については後述します。

(3)38条1項
 
 「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。 」

 要するに、
①営利を目的としない。 かつ
②聴衆又は観衆から料金を受けない。 かつ
③実演家に対して報酬が支払わなれない。
 場合は、著作権料を支払わずに演奏をすることができるという規定です。

 3点とも検討すべき点がありますので、後述します。

(4)まとめ

 そうしますと、以下が検討すべき課題になります。

 ①「公衆」:音楽教室の生徒が「公衆」なのか。
 ②「直接聞かせる」目的:音楽教室の目的は生徒に直接聞かせることなのか。
 ③営利目的:何の対価を営利目的と評価するのか。「演奏」が営利目的なのか。
 ④「聴衆又は観衆」:音楽教室の生徒は「聴衆又は観衆」なのか。
 ⑤「実演家」への報酬:音楽教室の先生の給料は、「実演家」への報酬なのか。

 ①及び②がYESなら原則として著作権料発生、しかし、③、④、⑤がすべてNOなら、著作権料は発生しないという結論になります。

2 法律上検討

(1)公衆

 JASRACとしては、音楽教室全体でみれば「不特定かつ多数」だと思っているのでしょう。

 ただし、これは不当です。当たり前ですが、「その教室(例えば新宿校舎で毎週木曜日午後4時~5時に開講している講座)」には「その教室」のメンバーしか入れず、「その教室」の音楽は「その教室」でしか聞けないからです。到底、不特定と評価すべきものではありません。

 もし、この意味で広げていけば、世の中の空間はすべからく「不特定かつ多数」空間になるでしょうね。極論すれば、自宅だって友人知人が来るだろ、自宅は日本国内だから1億2000万人の前で演奏していることになる、みたいな考え方をJASRACが編み出してくれば、「公衆」に対する演奏になりかねないのです。


 ※そういう意味で本当はカラオケBOXだって「不特定」か否かは本当は怪しいのです。ただ、カラオケは、別に特定のメンバーが毎週同じ時間に集まったりしないので、なんとなく全体でみることの不都合性が和らぐといえば和らぐかもしれません。

 多数かどうかは疑義があります。著作権法も含めた法律では私が知る限り「多数とは、〇〇人以上をいう」との規定はありません。

 ですので、確かに、10人のグループレッスンを「多数」と評価できないことはありません。

 著作権法では、特定かつ多数も「公衆」とされていますので、要は、音楽教室の生徒も「公衆」と解釈することは不可能ではないということになります。

 ただし、常識的には2人(先生と生徒1人)は単なる複数であった「多数」ではない、3人も「多数」とは言えないと思います。それ以上ですと、強弁すれば「多数」となりえなくはないのかも知れません。

 よって、いずれにしても、空間としての「その教室」内で「公衆」か否かを判断すべきですから、個人レッスン・少人数レッスンの生徒は、そもそも「公衆」ではないというべきだと思います。

 なお、発表会はさすがに「公衆」と言わざるを得ないと思います。

(2)直接聞かせる目的

 そもそも音楽教室の生徒が教室に通う目的は、演奏を聴くためではありません。練習して自己の音楽を研鑽するためです。

 おそらくJASRACは、「周りの生徒が弾くのを『聴く』、先生の模範演技を『聴く』、これらも講座の一環であるから、お互いに「聴かせることを目的としている」のである」と主張すると思います。

 ですが、これは不当です。

 なぜなら、まず生徒について言えば、周りの生徒のために弾いているのではなくて、自分のために弾いている(又は先生から指名されていやいや(笑)弾いている)だけです。
 そして、先生の模範演技ですが、断片的なものであれば、これは聴かせるためではなくて、指の動きと音色を示して生徒のレベルを向上させるため・到達点をイメージさせるためです。

 楽曲練習の最初に、楽曲の最初から最後まで丸々先生が模範演技を見せることがあります。これは、確かに形式的文言上「聴かせる目的」に該当すると強弁されると確かにそのとおりですので、そうであれば、模範演技は授業時間中にやらないようにすればいいのです。
 先生が、「来週は、授業時間前に、みんなのためじゃなくて私自身のために、受付の横のちっちゃな小部屋で、〇〇〇っていう曲を弾くかもしれないなあ」とつぶやくとかね(笑)。

 ※ただ、JASRACに対抗する際に、最も苦しい部分だとは思います。

 発表会については、聞かせる目的を否定できないと思います。

(3)営利目的

 音楽教室が全体としては、基本的には営利目的であるのは否定しづらいです。

 しかし、営利目的というのは、①演奏に対する対価収入それ自体が営利目的である、又は、②演奏があることによってその他の項目で儲けることを目的としていることを指すべきです。

 音楽教室の授業料というのは、音楽を教えることに対する対価であって、①演奏に対する対価ではありません。コンサートとかとは根本的に異なります。

 また、ジャズ生演奏居酒屋などと異なって、生演奏によって店の価値を上げてお客を誘引したり客単価を上げたりということはありません。ですので、②演奏があることによってその他の項目で儲けることを目的としている訳ではないのです。

 音楽教室は、(仮にですよ先生の模範演奏が演奏だとしても)演奏のあるなしで授業料は変わらないのです。つまり、音楽教室としての収入は不変であって、模範演奏の時間や頻度とは関係がないのです。むしろ、あまりに模範演奏が長くて、生徒の練習する時間が短かったらクレームになるでしょう(笑)。
 もちろん、超著名なピアニストが、「模範演奏」多めの音楽教室をやったりしたらこれは営利目的演奏と受け取られても仕方ないですが、通常は、そのような脱法的なことはありません。

 したがって、音楽教室は、著作権法上、営利目的の演奏をしているものではないと結論付けるべきだと考えます。

 ただ、大人の「1990年代ヒット曲をマスターしよう!」講座みたいに、明らかに技術向上ではなくて、その曲を弾くこと自体を目的としているような場合は、疑義が出てくるかもしれませんね。

 あと、発表会はどうでしょうね、それ自体は営利目的ではないとも思えますが、さすがにこれは音楽教室全体の組織としてのイベントであって、これについては組織全体の営利性を考えて、入場料とかなくても「営利目的」と言うべきのように思います。

(4)聴衆又は観衆

 わざわざ「公衆」とは別の単語が使われているのですから、不特定又は多数を意味しているとは解されません。

 定義はありませんが、音楽教室の生徒は聴きに来ている訳ではなくて練習しに来ているのですから、日本語として「聴衆」には該当しません。

(5)実演家への報酬

 音楽教室の先生は当然給料又は報酬をもらっています。ですので、一応、音楽教室の先生が「実演家」か、先生への給料・報酬が、著作権法上の「報酬」にあたるか検討しなければなりません。

 先生が「実演家」か否かは、

 2条1項4号 「実演家   俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。 」

 に照らして考えることになりますが、JASRAC的には実演家ということになるのでしょう。

 ただ、「報酬」に関しては、明確に該当しません。なぜなら、前述のとおり「当該上演、演奏、上映又は口述について」の報酬と法律に規定されているところ、先生に支払われるものは、会社のサラリーパーソンとして、あるいは、授業を施すということの対価としてのお金だからです。

 仮にですよ、先生の模範演奏が「演奏」だとしても、その演奏があるなしで先生の給料・報酬は変わらないので、先生がもらうお金は、演奏の対価であるということはありえないのです。

 よって、実演家への報酬は発生していない、ということになります。

(6)小括

 以上より、私なりの法律的な結論は以下です。

 グループレッスンであれば①「公衆」と考える余地はある。また、先生の模範演奏は②「直接聞かせる目的」だと言われれば強弁できない。また、発表会は、両方とも満たす。

 よって、グループレッスンと発表会については、原則として著作権料が発生する「演奏」だと言われても文句は言えない。
 一方、個人・少人数レッスンはそもそも「公衆」ではないから、模範演奏云々するまでもなく、著作権料は発生しない。

 しかしながら、仮に講師の模範演奏が「演奏」だとしても、この演奏は③営利目的でもないし、④「聴衆」不存在により聴衆からの対価は観念できず、⑤実演家に「報酬」が支払われている訳でもないから、例外的に著作権料不要な場合(38条1項)に該当する。

 よって、基本的には、音楽教室は、グループレッスン(人数中規模以上)であっても著作権料を支払う必要がない。

 ただし、ヒット曲マスター講座(技術向上というより曲そのものに重きが置かれている講座)は確かに疑義がある。

 発表会は、「公衆」の前での「演奏」であるし、「営利目的」であり例外にも該当しないから、著作権料が必要。
 ※今でも発表会については、入場無料だとしても、著作権料を払っているんではないですかね?大学の合唱サークルでもきっちり払っていましたからね。

3 その他音楽教室特有の問題

(1)音楽教育との関係

 私はヤマハ出身です。うちは音楽家系では全くありませんので、私がピアノを弾けて、音楽的素養を培えたのはひとえにヤマハのおかげです。

 小学校等でも音楽の時間はもちろんありますが、「大人になっても音楽を楽しみたいな」と思えるレベルにまでは学校の授業だけでは到底到達できません。

 したがって、音楽教育に対する音楽教室の貢献というのはとても大きいのです。

 本来であれば、少なくとも義務教育世代に対する音楽教室というのは、著作権フリーにしてもよいぐらいだと個人的には考えます。

(2)音楽教室内でメインに練習する事柄

 まずは、バイエルだとかハノンだとかの指の練習や和音の聞き取りとかが多いです。そして、楽曲にしても、一般的には売りに出されていない、「ヤマハ音楽教室の子」が作った曲とかクラシック音楽とかが多かった記憶があります。

 そんなにJASRACが管理しているような曲を頻繁にやる訳ではないのです。もっと言えば、JASRAC楽曲が全くかかわらない回の方が多いぐらいなんです。

 なのに、なぜ、JASRACがしゃしゃり出てくるのかと。

(3)音楽文化(CD等売り上げ)との関係

 音楽教室で、生徒や生徒の親が「ああ、この曲いい曲だなあ」と感じたら、むしろCDやDVDを買う方向の行動になります。

 そして、これは(1)とも関わりますが、音楽教室で自由に豊かに良い楽曲に触れた方が、将来的に良い楽曲を生み出してくる子が出てくる可能性が高くなると思うのです。

 音楽教室をがんじがらめにして閉じ込めるより、ある程度解放空間にした方が、著作者にとっても将来の日本の音楽文化にとってもプラスなのです。どうせJASRACはJASRACの収入のことしか考えていないと思いますが、将来のJASRACにとっても必ずや良い影響があるはずです。

4 私なりの結論

 おとしどころは、文部科学省の天下り問題と絡めて政治的にJASRACを追い詰めた上で(笑)、

①「18歳以上限定の」「JASRAC管理の曲を一切やらない訳ではない」「在籍4人以上のグループレッスン」と
②発表会での演奏

 のみを著作権料課金対象とする、その他は全て著作権料なし

 あたりかと思います。

5 エピローグ~そもそもの根本的な問題点

 真の問題は、JASRACが音楽著作権界において事実上独占している民間組織だということです。独占ですとひんしゅくをかったところでひんしゅくなことをやればやるほど儲かりますし、国や自治体と違って法令等のしばりもあまりありませんし、一般市民からクレームも飛んできませんから、こんなにやりたい放題になるのです。

 もうね、いっそのこと、ヤマハを中心に反旗を翻して、エイベックスあたりと結託して、JASRACの抵抗勢力になった方がよいと思いますよ。

 いくらなんでも横暴すぎますよ、JASRACは。


 著作権法というのは、著作権者の権利を守り音楽等の文化のさらなる発展を究極の目的としているものです。

 要は、せっかく立派な作品を作ってもただで利用されまくったら著作権者が儲からなくなり、結果として誰も良い作品を出したがらなくなり、結果として文化そのものが衰退してしまうからです。

 しかし、JASRACがやっていることは、著作権を振りかざし「音楽を楽しむ」という事柄を委縮させ、子供たちが音楽に触れる機会を減少せしめ、結果として音楽文化を衰退させるという、著作権法の理念に真っ向から反することです。

 今一度、国全体で、JASRACの存在意義、やるべきこと・やってはいけないことを議論していくべきだと思います。
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