ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

刑法復習

2004年10月29日 11時43分15秒 | 刑法
刑法の復習をやってます。

自由・身体への罪までが終わりました。各論は総論に比較して簡単に思えます。

住居侵入の処罰根拠
この点、平穏への侵害の態様による住居への立ち入りを処断するとする見解がある。
↓しかし
かかる平穏は、社会の平穏と結びつきやすく、本罪が社会の治安維持を図ることになる。また、個人の意思から法益を分離するのは妥当でない。

思うに、本罪の保護法益は住居に誰を立ち入らせ、誰の滞留を許可するかを決める自由であるというべきである。
↓したがって
住居等の一定の場所を管理支配する権利を害する立ち入りが本罪で処罰されるというべきである。

傷害罪の故意
傷害の結果が発生したが、暴行をする故意しかなかった場合、行為者をどのように処断すべきか。
↓この点
傷害罪の成立には、その故意が必要であり、故意がない限り傷害罪を成立させることはできないとする見解があり、この見解からは、本件では、暴行罪(208条)と過失傷害罪(209条)との観念的競合(54条)によって処断することになる。
↓しかし
傷害の故意と暴行の故意を明確に区別するのはほぼ不可能である。にもかかわらず、かように解すると、処断刑が軽くなり過ぎ、妥当でない。

思うに、208条は「傷害するに至らなかったとき」と規定しており、傷害罪が結果的加重犯であることを予定していると考えられる。
↓とすると
傷害罪は暴行の結果的加重犯と故意犯の複合形態であるといえる。
↓したがって
本件行為者は傷害罪として処断されることになる。

刑法復習

2004年10月27日 15時04分28秒 | 刑法
刑法の復習をやっています。

各論に入って生命・身体に関する侵害をやってます。

自殺関与罪
自殺関与(教唆・幇助)罪の実行の着手時期をどの時点と解するべきか。
この点、自殺関与罪が共犯の特別類型であるとする見解がある。とすれば、自殺者の自殺行為の開始時に実行の着手時期を求めることになる。なぜなら、正犯なき共犯は処罰対象にならないからである。
↓しかし
自殺は自己決定権の現われとして、犯罪というべきではない。すなわち、正犯がいないことになり、自殺関与罪は共犯の特別類型ではないことになる。

思うに、生命は本人だけが左右しうるものであり、他人の自殺への関与は生命への干渉として可罰性があるといえる。
↓したがって
自殺関与罪は独立の犯罪類型として処罰の対象となると解する。
すなわち、自殺関与罪は、教唆・幇助行為を独立の犯罪構成要件として処罰したものといえる。
↓とすれば
関与行為こそが実行行為ということになる。
↓したがって
教唆・幇助行為の開始に実行の着手があると解するのが妥当である。

刑法復習と法学検定3級演習

2004年10月25日 09時07分02秒 | 刑法
刑法の復習と法学検定3級の問題を解いています。

法学検定3級の問題集は法学一般と憲法が解き終わりました。
民法と刑法はまだそれぞれ3分の1ずつぐらいです。

刑法の復習は、やっと総論が終わりました。

違法性の意識
・不要説は 違法性の意識は故意の要素ではない(判例)。
・厳格故意説は、違法性の意識があれば、故意を阻却する。
・制限故意説は、違法性の意識ではなく、違法性の意識の可能性があれば、故意を認める。
・責任説は、違法性の意識は、故意、過失とは別個独立の責任要素である。

故意責任
故意責任の本質は、反対動機の形成があるにもかかわらず、あえて犯罪事実を犯す点にある。

刑法復習

2004年10月18日 15時11分59秒 | 刑法
刑法の復習をしています。

基礎的な構成要件の復習が終わりました。次は共犯をやります。

学説がたくさんありますが、まとめれば何とかなりそうな予感ですね。

最近、自殺サイトからの自殺が増加しているとかってありますね。自殺サイトの管理者は、年間何万人も自殺しているのに国は何もしていないなどと言っているようですが、管理者あるいは、自殺方法のアドバイスをした人は、自殺の教唆や幇助などの同意殺人(刑法202条)にそれこそ当たらないのでしょうかねぇ。

誤想防衛
思うに、誤想防衛とは、急迫不正の侵害がないのに、正当防衛と認識している場合である。
↓ここで
故意責任の本質は、犯罪事実を認識しており、反対動機の形成があるにもかかわらず、あえて犯罪を実行した点に求められる。
↓とすれば
犯罪事実の認識・認容がなければ故意を認められない。
↓したがって
誤想防衛は、認識は正当防衛であるから、故意を阻却する。
↓もっとも
過失犯が成立する可能性がある。

刑訴法

2004年10月12日 11時45分42秒 | 刑訴法
C型答練刑訴法第4回が終了しました。

次は、刑法復習を始めています。

先日、論文本試験の発表がありました。私がチェックしている人たちが結構、不合格となっていて、改めて厳しい試験だと痛感しました。

彼らに負けないように頑張らなくてはいけません。

来月半ばにある法学検定3級の勉強も始めました。基礎的な知識なので、確認にもってこいの問題です。
ただ、法学基礎が難しいです。

伝聞法則
供述証拠(320条第1項)に証拠能力を否定する伝聞法則の趣旨は、供述は、人の知覚・記憶・供述の心理過程を経て公判に現れるものであるから、各過程に過誤が介在するおそれがあり、誤判が生じる可能性がある。
↓そのため
反対尋問によるチェックを必要とし、これが行われなかった場合には、証拠能力を否定することとした。
↓もっとも
伝聞法則を厳格に貫くと、必要な証拠が収集できず、訴訟遅延や真実発見の要請に反する。
↓そこで
法は①伝聞証拠を証拠とする必要性、かつ、②反対尋問に代わる信用性の情況的保障(特信情況)があれば、伝聞法則の例外を認めてよいとした。

自白の補強法則
補強法則(319条2項)の趣旨は、自白は証拠価値が高いため、自白を強要されるおそれがあり、これを防止すること、また、自白はその性質上証明力が過大評価されがちであるため、誤判が生じるおそれがあり、これを防止することを目的として自白以外の証拠を要求した。

刑訴法とスタンダード100

2004年10月08日 08時59分44秒 | 刑訴法
刑訴法のC型答練第3回が終了しました。

今回第3回のプレ講義はどちらも難しかったです。

セミナーのスタンダード100を全科目揃えました。論文の森も来年必要かもしれませんので、2つの参考書で論文を頑張ろうと思います。

訴因変更の要否
検察官が設定した訴因と異なる心証を抱いた裁判所は、訴因変更をせずに判決を下せるか。

思うに、現行法は当事者主義を採用(256条6項、298条1項、312条1項)していることから、審判対象である訴因は、一方当事者たる検察官のみが設定可能である具体的犯罪事実である。
とすれば、事実の変化があれば訴因変更が必要になる。
↓もっとも
わずかな事実の変化でも訴因変更が必要になるわけではない。
では、どのような場合に訴因変更が必要になるか。

思うに、訴因は、被告人に対しては、防御の範囲を明示する機能を有する。とすれば、被告人の防御活動に重要な変化があり、そのまま裁判所が判断すれば被告人に防御上の不利益が生じる場合に重要な事実の変化があったといえ、訴因変更が必要になると解する。

訴因変更の可否
検察官からの訴因変更請求があれば、裁判所は「公訴事実の同一性」(312条1項)の範囲内であれば、これを認めなければならない。
では、「公訴事実の同一性」の範囲とはどのような基準をもって判断するか。

思うに、公訴事実の同一性は、訴因変更の限界を画する機能的概念に過ぎない。かかる機能は、被告人の防御範囲を明示し、訴訟の一回的解決を図ることにある。とすれば、かかる機能を実現するためには、新旧訴因を比較して、基本的事実に同一性があれば、「公訴事実の同一性」ありと判断するべきと解する。

訴因変更命令義務
裁判所が釈明(規則208条)を求めても、検察官が訴因変更請求を行わない場合、裁判所は、訴因変更命令(312条2項)をすることができる。ただし、かかる命令には形成的効果はなく、命令により訴因が当然に変更されるわけではない。よって、かかる命令は勧告的な役割に過ぎないと解する。
では、裁判所は訴因変更命令について義務を負うか。
現行法は当事者主義を採用していることから、訴因の設定・維持・変更は検察官の専権である。
↓よって
原則、裁判所は訴因変更命令義務を負わない。
↓もっとも
かかる義務を全く負わないとすれば、裁判所は無罪判決を下すしかなく、一時不再理効から、新訴因について検察官は再起訴できなくなる。
これは、真実発見の要請、司法的正義の要請に反する。
↓そこで
例外的に、①犯罪が重大な場合、②証拠上有罪であることが明白な場合に限り、訴因変更命令義務を負うと解する。

317条の意義
事実の認定は証拠によるとされる。
317条の趣旨は、第一に、自白による犯罪事実の認定をする証拠裁判主義を排除することである。
第二に、証拠能力、証拠調手続きについて厳格な規定がなされていることから、事実は証拠能力があり、かつ、適式な手続きを経た証拠にのみ証明される、厳格な証明を規定している。
また、「事実」は、罪を断ずるべき事実であり、335条は「罪となるべき事実」について証拠説明を規定していることから、公訴犯罪事実を含むと解する。
さらに、適正手続きにより人権保障を図る点から、事実は、刑罰権の存否及び範囲を定める事実であり、これは厳格な証明によらなければならない、とされたものである。

刑訴法C型答練

2004年10月07日 08時18分47秒 | 刑訴法
刑訴法のC型答練をやってます。

まだ、3回目のプレ講義。

昨日は、何か疲れからか勉強に身が入ってませんでした。
3時間半やってプレ講義の2問がまとまりついてません。

内容は、訴因変更と317条(事実の認定は証拠による)の意義です。
どちらも難しいです。今日帰ってまた復習しようと思います。

今、syslogというログを取得するプログラムがlinux系にはあるのですが、これよりもセキュリティが
高いsyslog-ngというプログラムがあり、これについて調べることをやっています。

むー、これもメンドイ。

商法のC型答練終了、刑訴法のC型答練に突入

2004年10月05日 09時05分04秒 | 刑訴法
商法のC型答練4回分が終わり、刑訴のC型答練1回が終わりました。

商法は定義を覚えないといけないのが難しい点です。
民訴もそうですが…。

刑訴法が大幅に改正されそうですね。
犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案
これによると、記録命令付差押が新たに加わるみたいです。

取締役会
取締役全員で構成され、会社の業務執行に関する意思を決定し、取締役の職務の執行を監督する必要的機関。

株主総会
出資者たる株主から構成され、株主全員の総意に基づき、会社の重要な意思を決定する必要的機関。

名義書換未了の株主に権利行使を認める場合
会社がかかる株主に権利行使を認めた場合(但し、株主平等原則を考慮する必要あり)
会社が不当に名義書換を拒絶した場合

当事者主義(刑訴)
訴訟追行を当事者の主導権により行う建前をいう。

職権主義(刑訴)
訴訟追行を裁判所の主導権により行う建前をいう。