ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

反射効

2013年04月30日 23時54分57秒 | 民訴法
反射効は判例は否定していますが、既判力の拡張も否定しているんですね。


判例は
「保証人が主債務者勝訴の確定判決を援用することが許されるにしても、これは、主債務者勝訴の確定判決の既判力が保証人に拡張されることに基づくものではない」
としているので、既判力の拡張ではありません。


そうすると、信義則によるものとした方がいいのだろうかな。


既判力の拡張がダメな理由

既判力の拡張なら、主債務者勝訴の確定は職権調査事項になり、保証人の援用が不要である
また、既判力の拡張なら、債権者、主債務者間の訴訟につき保証人が参加するには、補助参加ではなく共同訴訟参加になってしまう。
さらに、主債務者と保証人が共同提訴されると、主債務の存否の審理に関する限り類似必要的共同提訴訟になってしまう。

取締役の責任

2013年04月29日 22時45分06秒 | 商法
取締役の責任で、429条の悪意、重過失の対象について。

商法の答案で

429条は、法が定めた特別の責任であるから、任務懈怠について、悪意、重過失があればよく…

と書いたら、

理由になってません、

とのコメントが来た。


百選71によると、

株式会社が経済社会において重要な地位を占めていること、しかも株式会社の活動はその機関である取締役の職務執行に依存するものであることを考慮して、第三者保護の立場から、取締役において悪意または重大な過失により右義務に違反し、これによって第三者に損害を被らせたときは…

てことですから、

取締役に権限が集中することから、法は取締役に特別の責任を課し、第三者を保護すべきことから…
の方がいいのかな。

経営判断原則

2013年04月29日 22時31分22秒 | 商法
会社法の取締役の責任追及(423条)で注意すべきこと。


任務懈怠
推定される条文はないか。
いかなる任務、義務があるか。
これを客観的に懈怠したか。
経営判断原則があるか。
法令違反は常に任務懈怠と考えるべき。
法令違反に経営判断原則は無い。あるとしたら、過失の有無。

過失
過失も検討する。ただし、過失を否定する事情はない、と簡単に切る。
法令違反での任務懈怠があれば、過失で経営判断原則を論じるのは可能。

損害
いかなる損害かを論じる。

因果関係
任務懈怠と損害の因果関係、

結論
損害賠償責任を負う。とする。
単に責任を負う。としない。

匿名性

2013年04月29日 19時56分05秒 | 憲法
憲法の答案で、Xの権利を侵害されたことを争う場合に、法令違憲を主張するのは、ちょっとズレが生じる問題が多く、あれっ?これで良かった?ってなりますね。

遠回りな主張に見えたりするので、説明が必要になり、難しいです。


答練で、
労働組合のビラ配布で逮捕されたのに対して、逮捕の根拠となる命令の根拠となる条文が、匿名性の表現の自由を侵害するから違憲
というのは、短時間で思い付くのは難しいです。

プライバシー

2013年04月29日 19時47分36秒 | 憲法
プライバシーの定義を書くことはあまりないかもしれませんが。


私生活上の事実又は事実らしく受け止められるおそれがあること
=私事性

一般人の感受性を基準にして当該個人の立場に立った場合公開を欲しないであろうと認められること
=秘匿性

一般の人々にいまだ知られていない事柄であること
=非公知性


このように、まとめると、
私事性、秘匿性、非公知性の3つが要素になりますね。



労働法の採点で、セクハラを認定して下さいというのがあった。

明らかにセクハラだろうと思われるのも認定する必要があるなら、プライバシーも上記定義にあてはめる必要があるのかも。

構成要件

2013年04月28日 18時46分03秒 | 刑法
傷害罪は、人の生理機能の侵害を意味します。

答案の添削とかには、人の生理機能の傷害が傷害罪です、と書かれたのがありましたが、添削者が間違っていますね。




賄賂罪は、公務への公正と社会の信頼であり、賄賂とは、公務員の職務行為との対価関係にあるかどうかで決します。

そのため、賄賂との対価関係にあればよく、人の需要、欲望を満たす一切のものが、賄賂の目的物となります。

捜索

2013年04月27日 23時33分59秒 | 刑訴法
事例研究類似の問題


甲は自転車を盗んで乗って走っているところを、警察官に呼び止められた。

警察官は盗難自転車であると確信したが、現行犯逮捕をするか検討のために、職務質問を続けていた。

その際に甲は手に持っていたものを捨てようとしたため、警察官は提示するように求めたが、甲はこれを拒否して上着のポケットに入れた。

警察官は上着のポケットに手を突っ込み中にあったものを取り出したところ、白色粉末が入ったビニールの小袋であった。

そこで、警察官は甲を自転車の窃盗で(準)現行犯逮捕した。

その後、ビニールの小袋に入った白色粉末の任意提出を受け、調べたところ、覚醒剤であった。



この問題は、所持品検査の行為が捜索に当たることは間違いないが、逮捕に伴う捜索・差押えとして、適法にならないかという問題も含んでいるように思います。


逮捕する場合は、逮捕する前であっても捜索・差押えが可能です。

先に現行犯逮捕して、逮捕に伴う捜索・差押えで上着のポケットに手をいれることも、他に窃盗の被害品が無いかを調べる目的として許容されると考えられます。

これが、先に捜索・差押えをして、これを適法にするために現行犯逮捕したような場合は、どうなのでしょう?
要件はそろっていますので、まるで、別件捜索・差押えみたいです。

生活保護

2013年04月22日 22時21分27秒 | 憲法
憲法か行政法で生活保護の話が出るかもしれませんね。

最近、生活保護に焦点が当たっています。

外国人やパチンコ通報、減額、生活保護費と年金の差額、最低賃金との比較とか。


外国人に生活保護は不要、または減額すべきですね。
国籍国に保護を求めればいい話なので。

言葉の問題とかいうなら、帰化すればいいですし。
嫌なら国籍国に帰ればいいですし。

両方得ようとする自己的な理由は保護に値しないといえます。

合理的理由のある差別は合憲です。

カーナビと携帯電話による位置情報の把握

2013年04月21日 22時29分37秒 | 憲法
憲法の問題と刑訴法の問題とが考えられますが、最近は、カーナビ情報と携帯電話が結び付いて自車位置をサーバに送信して、集合知によって渋滞情報等を知ることができるサービスがあります。


これを例えば、レンタカーは犯罪に悪用されやすいから、カーナビと携帯電話を必ず装着させ、サーバに送信しなければならないとか、自動車に乗るには、このようなシステムを構築しなければならない、といった法律ができたとします。

これは、自己の居場所を知られたくないというプライバシー権の侵害に当たる可能性があります。


しかし、この情報は法律の手続きなければ開示されないとか、携帯電話情報は削除され、誰がサーバに送信したかは不明にさせる、k-匿名性といった状態にすれば、どうか、とかがありそうです。
もっとも、この場合は、捜査には役に立たないので、憲法上の問題にしかならなさそうです。


この集合知が活躍したのは、東日本大震災です。

この情報によって、通行規制が掛かっている道路や地割れなどで通行できない道路を把握することができました。


このことから、もっと進んで、携帯電話による位置情報をサーバに送り、緊急時の通行可能な帰宅路を探すことにも使えそうです。

分割、合併

2013年04月21日 12時49分31秒 | 商法
ようやく組織再編当たりの知識の整理が付きました。


事例で考える会社法にこの辺りの詳しい問題が載っていました。


新設分割や吸収分割の無効主張の原告適格者は、承認をしなかった債権者も含まれるが、いかなる債権者のことを指すかが難しいですね。



不法行為に基づく債務の債権者は、各別の催告が必要ですが、知れたる債権者のみに限定されます。

知れていない債権者を解釈によって広げることもできるようですが、条文の文言に反するので、説得性に欠けるような気がします。



知れていない債権者は、両当事会社に請求できるため、各別の催告は不要であるとする見解が立法担当者のようです。

これに対して、知れていない債権者は、催告を受けることができないが、保護を図るため、催告を受けることができたのに受けなかった債権者に含まれるとする見解もあるようです。



しかし、知れていない不法行為債権者が催告を受けなかった債権者に当たるとすると、承認をしなかった債権者にも含まれることになってしまい、分割無効の訴えが提起できてしまいます。


これは、会社分割において、不法行為債権者の存在を認識できないのに、無効の訴えを提起されるおそれがあるというのは、法的安定性を害するように思います。


条文上、知れたる債権者と規定し、知れていない債権者を除外したのは、意図的であり、上記のような不都合性を解消し、また当該債権者には、両当時会社に対して請求できるため、不都合はないからと考えられます。

第三テーゼ

2013年04月14日 10時21分49秒 | 民訴法
民訴法の弁論主義が超基本的概念であることは周知の事実です。

その中でも、この弁論主義から導かれる第一テーゼ、第二テーゼは頻出の内容ですが、第三テーゼはあまり問われないため、記憶から抜け落ちていました。

職権証拠調べの禁止というのは、記憶にありましたが…。


裁判所は当事者間に争いがある事実の認定は、当事者が申し出た証拠によらなければならない。

相殺の抗弁の既判力

2013年04月13日 22時29分21秒 | 民訴法
民訴法について、相殺の抗弁は、本来理由中の判断といえそうですが、別個の反対債権であるため、これを対抗額で消滅した部分について、すなわち、反対債権の不存在についても既判力が及ぶのが通説だと思います。

とすると、通常の判決主文に関する既判力の問題が、この相殺の抗弁についても及ぶと考えられます。


相殺の抗弁は、別個の反対債権であり、これに既判力が生じると、確定判決の判断における後訴への通用力ないし拘束力が生じます。

とすると、既判力の客観的範囲、主観的範囲、時的限界が同様に生じると思います。


反対債権が、貸金請求の代金支払い請求権だったりすれば、これが一部請求だった場合、保証人がいた場合、相手方が時効消滅を後訴で主張する場合など、主文と同様な問題が生じると思われます。


この辺りは問われたことがありませんが、通常の訴求債権と同様に考えればいいんでしょうね。

瑕疵担保責任

2013年04月06日 22時44分38秒 | 民法
以前から苦手と思っていた瑕疵担保責任を勉強しました。


以下のようなものがちょっと難しいです。


売買契約の瑕疵担保責任
瑕疵とは、当該目的物が通常有すべき性質を有しないこと。

これに加えて、平成22年6月1日の判例は、
「当事者間において目的物がどのような性質を有することが予定されていたとみることができるかについては、売買契約締結当時の取引観念に照らして判断すべきである」、としていることから、

最初のが客観的概念、後者が主観的概念+客観的概念に当たるでしょうか。


瑕疵とは、当該目的物が通常有すべき性質を有しないことであり、その内容は当事者間の合理的意思及び取引観念に照らして解釈すべきである

ということになるかと思います。

そして、これが隠れた瑕疵に当たるかどうかがポイントになります。

すなわち、通常の注意義務を果たしても発見できない瑕疵といえます。


請負契約の瑕疵担保責任
本来559条が有償契約は売買契約の規定を準用するはずなのに、570条を除外して634条を規定している。
これは、請負契約が仕事の完成を目的とするものであり、その完成に至らないものは請負人が無過失であっても責任を負うべきとしたことを根拠とする。

瑕疵とは、当該目的物が通常有すべき性質を有しないこと。

ここに当事者間の合理的意思や取引観念を入れてもいいようにも思いますが、どうなんでしょう??




売買契約の判例であった事例を基にすると、

AはBから甲土地を買った。
しかし、甲土地は、その時には判明していなかったが、購入した翌月に甲土地にフッ素が基準値を超えて含まれていたことが判明した。

この場合、売買契約時には、フッ素が基準値を超えていないことが契約内容となっておらず、当事者間ではそのような合理的意思の合致はなかったし、取引観念上それが通例とはなっていなかったのであり、瑕疵に当たらない。


これを請負契約での事例にすると、

AはBに乙建物を建築するように請負契約をした。

Bは材料を購入して乙建物を完成させた。しかし、この材料には有機化合物が含まれており、人体に影響を与えるものであったことが完成後に判明した。

この場合、注文時には、有機化合物が含まれていないことが契約内容となっていない場合

客観的概念のみであれば、瑕疵に当たり
主観的概念+取引観念も含めれば、瑕疵に当たらない
となりそうな気がします。



売買と請負で契約の性質が違うことから、瑕疵の意味も異なることもアリなのかなぁ。

売買の目的物と瑕疵、仕事の完成と材料の瑕疵、やはり、瑕疵の意味を異ならせるようにして、売買では瑕疵に当たらないけど、請負では当たるとなるのかな。




そうすると、同じように建物の材料に有機化合物が含まれているとした場合、

これを販売すれば瑕疵担保責任は負わない。
これを注文されれば瑕疵担保責任を負う。
という異なる結論は不均衡??

しかし、請負の性質からありなのだろうか。