ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

要件事実

2014年01月20日 13時03分50秒 | 民訴法
民事訴訟実務の基礎を読んでいます。

仕事が多忙なのでかなり時間が空いてしまいながら読んでいます。

やはり民法と民訴法の知識が要求されますね。

これらが理解できていればかなり染み渡ってくるように丁寧に書かれています。

来月からは倒産法の本も買うのでそれと並行して勉強していきます。

反訴

2013年12月18日 00時11分59秒 | 民訴法
債務不存在確認の訴えに対して、反訴にて、被告が給付請求をした場合、同一の訴訟物であり、確認の訴えの利益を欠くとして、原告の債務不存在確認の訴えが却下される(最判平成16年3月25日)。


ここで、債務不存在確認の訴えだけだと、訴えの利益があれば(確認の利益)当然認められるのに、途中の反訴によって訴えが認められなくなるのは不自然のようにも思えます。
債務者としても、不存在部分の確定を求めたいと考えるでしょう。


しかし、訴えの利益は、口頭弁論終結時にあればよいと考えられることからすれば、口頭弁論終結時までに反訴がなされれば、その段階で訴えの利益を欠くことになっても不自然ではないといえると思います。

また、一部認容判決が認められる以上、その場合は、不存在部分に既判力も認められるので(100万円のうち50万円の支払いを命ずる、残りの部分は棄却する、とすればいいのかな?)、問題はなさそうです。





旧司平成22年の問題も似たような問題がありました。

「Aは,Bに対し,平成21年11月2日,返済期日を平成22年3月31日とする約定で200万円を貸し渡した。このような消費賃借契約(以下「本件契約」という。)が成立したことについてはAとBとの間で争いがなかったが,Bがその返済期日にAに本件契約上の債務を弁済したかどうかが争いとなった。
 そこで,Bは,同年4月30日,Aを被告として,本件契約に基づくBのAに対する債務が存在しないことを確認するとの判決を求める訴えを提起した。
 この事例について,以下の問いに答えよ。なお,各問いは,独立した問いである。

1.Bの訴えに係る訴状の送達を受けたAは,同年5月20日,Bの訴えとは別の裁判所に,別訴として,Bを被告として,本件契約に基づいて200万円の支払を請求する訴えを提起した。この場合のBの訴えとAの訴えのそれぞれの適法性について論ぜよ。

2.Bの訴えに係る訴状の送達を受けたAは,同年5月20日,Bの訴えに対する反訴として,Bを反訴被告として,本件契約に基づいて200万円の支払を請求する訴えを提起した。

(1) この場合のBの訴えとAの反訴のそれぞれの適法性について論ぜよ。

(2) 同年6月1日の第1回口頭弁論期日において,Bは,Aの請求に対して,BはAに本件契約上の債務を全額弁済したのでAの請求を棄却するとの判決を求めると述べるとともに,Bの訴えを取り下げる旨述べ,これに対し,Aは,Bの訴えの取下げに同意すると述べた。その後の同年7月15日の第2回口頭弁論期日において,Aは,反訴を取り下げる旨述べたが,Bは,Aの反訴の取下げに異議を述べた。この場合のAの反訴の取下げの効力について論ぜよ。」

民事実務裁判の基礎

2013年10月31日 23時57分21秒 | 民訴法
司法修習は、民事と刑事が重要と言われたので、これを買いました。

完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉


これの前のバージョンを持っていたのですが、賃貸借が変更されましたし、再度読みたいと思い、買い直しました。

多分、それ以外は前版とほとんど変わらないとは思います。



予備試験を受ける方、新司法試験で民事系の要件事実が苦手な方は読むといいと思います。

かなり丁寧に書いてありますので、理解しにくかったところがすっと頭に入ります。

反射効

2013年04月30日 23時54分57秒 | 民訴法
反射効は判例は否定していますが、既判力の拡張も否定しているんですね。


判例は
「保証人が主債務者勝訴の確定判決を援用することが許されるにしても、これは、主債務者勝訴の確定判決の既判力が保証人に拡張されることに基づくものではない」
としているので、既判力の拡張ではありません。


そうすると、信義則によるものとした方がいいのだろうかな。


既判力の拡張がダメな理由

既判力の拡張なら、主債務者勝訴の確定は職権調査事項になり、保証人の援用が不要である
また、既判力の拡張なら、債権者、主債務者間の訴訟につき保証人が参加するには、補助参加ではなく共同訴訟参加になってしまう。
さらに、主債務者と保証人が共同提訴されると、主債務の存否の審理に関する限り類似必要的共同提訴訟になってしまう。

第三テーゼ

2013年04月14日 10時21分49秒 | 民訴法
民訴法の弁論主義が超基本的概念であることは周知の事実です。

その中でも、この弁論主義から導かれる第一テーゼ、第二テーゼは頻出の内容ですが、第三テーゼはあまり問われないため、記憶から抜け落ちていました。

職権証拠調べの禁止というのは、記憶にありましたが…。


裁判所は当事者間に争いがある事実の認定は、当事者が申し出た証拠によらなければならない。

相殺の抗弁の既判力

2013年04月13日 22時29分21秒 | 民訴法
民訴法について、相殺の抗弁は、本来理由中の判断といえそうですが、別個の反対債権であるため、これを対抗額で消滅した部分について、すなわち、反対債権の不存在についても既判力が及ぶのが通説だと思います。

とすると、通常の判決主文に関する既判力の問題が、この相殺の抗弁についても及ぶと考えられます。


相殺の抗弁は、別個の反対債権であり、これに既判力が生じると、確定判決の判断における後訴への通用力ないし拘束力が生じます。

とすると、既判力の客観的範囲、主観的範囲、時的限界が同様に生じると思います。


反対債権が、貸金請求の代金支払い請求権だったりすれば、これが一部請求だった場合、保証人がいた場合、相手方が時効消滅を後訴で主張する場合など、主文と同様な問題が生じると思われます。


この辺りは問われたことがありませんが、通常の訴求債権と同様に考えればいいんでしょうね。

管轄の合意の瑕疵

2013年02月23日 22時11分26秒 | 民訴法
管轄の合意については、理解があまり進んでいないので、少し考えてみました。


当事者間に管轄の合意が存在し、専属的合意管轄が生じるとすれば、当事者は当該管轄裁判所に対する訴え提起のみ認められるという当事者間の拘束力が生じます。

では、これを無効とすることができる場合は、いかなるものがあるでしょうか。


1点目
管轄の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければならない(11条2項)。

そのため、一定の法律関係に基づかない訴えに関しては成立しないため、無効です。

また、書面でしなかった場合(例外として電磁的記録があります(11条3項))、あるいは、書面に瑕疵がある場合は、無効です。



2点目
では、民法の規定の類推適用ができるでしょうか。

公序良俗に反する場合(民法90条)、本来は無効となるはずです。

例えば、当事者が強制的に合意させられたとか、一方的に不利益を及ぼすにもかかわらず、他方の地位に基づいて合意したとかの場合です。

この場合、合意は当然無効としたとしても、訴え提起に対して応訴したことにより応訴管轄が生じ(12条)、結局は無効にならないということが考えられます。

そのため、公序良俗違反により無効とするならば、応訴管轄まで無効としなければ当事者間の公平を図れません。

応訴管轄まで無効になり、管轄は生じないとするには、公序良俗違反の効力は、合意の無効だけではなく、応訴管轄まで無効とすることになります。

これを肯定するには、無効の効力を拡張することも当事者間の公平のため、認められると考えることになるでしょうか。

逆に否定するには、合意管轄のみ無効であり、応訴管轄が生じているのであるから、結局現在の管轄裁判所での訴訟係属が認められることになるでしょうか。


また、応訴管轄を無効とする効力まで認めるとしても、当事者が主張しなければ認められないと考えられますので、時機に後れた場合には、責問権の喪失(90条)になるといえるのではないでしょうか。
この管轄については、当事者の利益を保護する目的と考えられますので、責問権の対象となると思われます。



一方、錯誤、詐欺による、無効、取消の類推適用はどうでしょうか。

この場合、民法上、当事者が主張して初めて遡及効が生じ、無効、取消の効力が生じることになります。
とすると、かかる主張をして初めて合意管轄が取り消される又は遡及的無効になり、この後に応訴管轄が生じると考えられます。

とすれば、この場合は、類推適用を認めても不都合性は無いといえるでしょう。


しかし、前述の公序良俗違反は無効としないとした場合には、公序良俗違反の方が瑕疵の程度が大きいのであるから、錯誤、詐欺の類推適用も認めないとした方が、論理が通りやすいように思います。

訴えの変更

2013年02月17日 19時40分11秒 | 民訴法
民事訴訟法において、新しい証拠が出てきた場合、訴えの変更という方法と、時機に後れた攻撃防御方法という方法があります。


前者は、新しい証拠によって訴えの変更、又は追加的変更があり得ます。

後者は、新しい証拠によって、現在の訴訟資料として追加することがあります。


いずれも証拠の使い方、請求の内容によって変わります。


時機に後れた攻撃防御方法として却下される場合でも、訴えの変更、追加的変更については、認められなければ既判力によって遮断されるおそれがあるので、こちらの方がより慎重に検討する必要がありそうです。


そうすると、訴えの変更を認めないとする理由は、訴訟手続きが著しく遅延した場合であっても、相手方が故意に変更しなかった、長引かせたかったとかでない限り、認める必要があるというのがよさそうです。


同じ事実であっても、使い方、訴訟手続きによって、認めたり認められなかったりするので、きちんと検討する必要がありますね。



請求の基礎に同一性があるかどうかが要求されている趣旨
1 防御対象が予想外のものに変更されないという被告の防御上の利益
2 訴訟資料の利用可能性を確保(訴訟経済を図る)

から、

1 両請求が社会生活上同一の事実かどうか
2 旧請求における訴訟資料を利用できるか

という判断基準になります。



訴えの変更について判例があります。

昭和39年7月10日
「相手方の提出した防御方法を是認したうえでその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはでき」ない。


これは、請求の基礎が変更されない場合はもちろん、変更される場合であれば本来被告の同意がなければ訴えの変更ができないけれども、本件のような相手方の主張に依拠する場合には、被告の同意なく認められることを判示したものと言えます。

詐害行為取消権と債権者代位権

2013年01月31日 22時20分45秒 | 民訴法
民訴法の問題です。


AがBに対して300万円の売買代金債権を持っていました。
BはCに対して300万円の貸金債権を持っていました。

Cの貸金債務は、期日が到来しています。

しかし、Bは無資力になったのに、Cの貸金債務を免除しました。

AはCへ詐害行為取消権を請求し、債権者代位権を請求するとします。



この場合、債権者代位権のみを見てみると、Cの貸金債務を免除した効果があり、請求棄却判決になってしまいます。

しかし、その後、債権者取消権が認められた場合、どうなるでしょうか?


Aの債権者代位権が請求棄却判決によって生じる既判力は何か?
・Aの債権者代位権が行使できないこと
・BのCに対する債権がないこと
・AのBに対する債権がないことorあること

どれが理由中の判断で、どれが主文なのでしょうか?


この点について考えてみますと、
Bの被告に対する債権としての貸金返還請求権1個が訴訟物になると思われますので、この範囲で既判力が生じると考えられます。

すると、AのBに代位して返還請求をした債権者代位訴訟の場合に請求棄却されると、Bの貸金が不存在であることに既判力が生じると思われます。


その後に詐害行為取消権を請求し、これが認められると、口頭弁論終結後の事情として前の債権者代位権を再度行使することは認められるのでしょうか?



詐害行為取消権自体は、口頭弁論終結前から発生しているのであって、これを主張すると、前訴たる債権者代位権の請求棄却判決と矛盾しますので、既判力の時的限界として遮断効によって、主張が認められないとはならないのでしょうか?



併合審理されている場合は、詐害行為取消権を認めて、その効力を債権者代位権に及ぼすことが認められるという判例があります(昭和40年3月26日)。

また、併合審理されていないと、詐害行為取消権の効力を先取りできないという判例もあります(昭和43年11月15日)。



前訴の債権者代位権の請求棄却判決後に、詐害行為取消権の行使が認められる(詐害性ありで相対的取消)なら、再訴は否定されないのでしょうか?



難しいです。

補助参加

2012年12月26日 00時01分37秒 | 民訴法
補助参加について。

補助参加は、訴訟の係属中でなければ参加できないとも思われますが、確定判決後に参加を申し立て、再審の訴えを提起することができることから、例外的に確定判決後にも補助参加が認められることになります。

補助参加を取り下げたいときは、手続き規定はありませんが、いつでも同意なく取り下げることができます。

事例演習民訴法

2012年11月24日 22時57分11秒 | 民訴法
事例演習民訴法30問がすべて終了しました。

最後の方は、上告受理や上告事由などがありましたが、短答対策と割り切って読みました。


全体的に良質な解説が多かったです。

ただ、見解が割れる場合に、解決していないため、自説をどっちにすべきか不明確なまま解説が終了するといった点がいくつか見られたため、混乱するおそれがあるかもしれません。


藤田の解析民事訴訟もに載っている旧司過去問も難問か解いていきますが、来月は刑訴法を仕上げます。


公法系、民事系の過去問がまだ一回ししていないので、これも続けてやっていく予定です。


商法、刑法、民訴法とやってきてメキメキと力が付いた気がします。

等価値陳述

2012年11月23日 17時25分33秒 | 民訴法
不利益陳述は、原告が自らの請求原因を否定する陳述など、首尾一貫しない陳述をする場合をいいます。


等価値陳述は、被告の主張事実の中に原告の請求を支持する事実が含まれる陳述、例えば、原告の請求を否定するために被告によって陳述された事実が同時に原告の予備的請求原因となる陳述をする場合をいいます。


等価値陳述の場合に一部認容判決をするか、は重要な問題になります。