刑法のC型答練をやっています。
第3回まで終わりました。
反対説の批判まで書くのは結構難しいですね。
法定的符合説と具体的符合説
AがBを殺す目的でピストルを撃って、Cが死亡。
殺人罪(199条)の客観的構成要件要素には該当しているが、AにはBに対する殺意しかなく、故意に欠ける(38条1項)かに思える。故意責任を問いうるためには事実の認識について、どの程度必要か、条文上明らかでなく問題になる。
↓この点
認識していた事実と結果発生した事実とが具体的に一致していなければ、故意は成立しないとする見解がある。
↓しかし
この見解によれば、未遂、過失に対する処罰規定がなければ、無罪となり、妥当でない。
↓
思うに、故意責任の本質は、犯罪事実の認識により、反対動機の形成の機会があったにもかかわらず、あえて犯罪を実行した点に強い非難をすることができることにある。そして、犯罪事実は、構成要件として刑法上類型化されている。
とすれば、認識していた事実と結果が発生した事実とが構成要件の範囲内で一致しているならば、反対動機の形成の機会があったといえ、故意責任を問いうると解する。
よって、AはCに対する殺人罪の故意責任を問いうる。
↓したがって
AはCに対する殺人罪の罪責を負う。
被害者の同意
被害者の同意は犯罪の成立にどのように影響があるか。
↓
思うに、条文上、構成要件には同意がないことを要求していない。とすれば、同意があっても、構成要件に該当しないことにはならない。
では、被害者の同意は犯罪成立に影響しないのか。
↓
思うに、違法性の本質は、社会倫理規範に反する行為を非難する点にある。
ここで、同意ある傷害・暴行行為は社会生活上相当と認められる場合も考えられる。
とすれば、被害者の同意は違法性阻却自由にあたると解する。
↓
そこで、同意ある傷害・暴行行為が違法性を阻却されるには、以下の要件を満たす必要があると解する。
①同意の内容が被害者の処分可能な法益であること、
②自ら有効な同意をなさなければならない。
また、
③同意が行為時に存在していることが必要である。同意の対象が当該犯罪行為であるからである。
さらに、
④同意が表示され、行為者は同意を認識していることまで必要である。
最後に、
⑤同意ある行為態様自体が社会生活上是認されるものであることが必要である。
第3回まで終わりました。
反対説の批判まで書くのは結構難しいですね。
法定的符合説と具体的符合説
AがBを殺す目的でピストルを撃って、Cが死亡。
殺人罪(199条)の客観的構成要件要素には該当しているが、AにはBに対する殺意しかなく、故意に欠ける(38条1項)かに思える。故意責任を問いうるためには事実の認識について、どの程度必要か、条文上明らかでなく問題になる。
↓この点
認識していた事実と結果発生した事実とが具体的に一致していなければ、故意は成立しないとする見解がある。
↓しかし
この見解によれば、未遂、過失に対する処罰規定がなければ、無罪となり、妥当でない。
↓
思うに、故意責任の本質は、犯罪事実の認識により、反対動機の形成の機会があったにもかかわらず、あえて犯罪を実行した点に強い非難をすることができることにある。そして、犯罪事実は、構成要件として刑法上類型化されている。
とすれば、認識していた事実と結果が発生した事実とが構成要件の範囲内で一致しているならば、反対動機の形成の機会があったといえ、故意責任を問いうると解する。
よって、AはCに対する殺人罪の故意責任を問いうる。
↓したがって
AはCに対する殺人罪の罪責を負う。
被害者の同意
被害者の同意は犯罪の成立にどのように影響があるか。
↓
思うに、条文上、構成要件には同意がないことを要求していない。とすれば、同意があっても、構成要件に該当しないことにはならない。
では、被害者の同意は犯罪成立に影響しないのか。
↓
思うに、違法性の本質は、社会倫理規範に反する行為を非難する点にある。
ここで、同意ある傷害・暴行行為は社会生活上相当と認められる場合も考えられる。
とすれば、被害者の同意は違法性阻却自由にあたると解する。
↓
そこで、同意ある傷害・暴行行為が違法性を阻却されるには、以下の要件を満たす必要があると解する。
①同意の内容が被害者の処分可能な法益であること、
②自ら有効な同意をなさなければならない。
また、
③同意が行為時に存在していることが必要である。同意の対象が当該犯罪行為であるからである。
さらに、
④同意が表示され、行為者は同意を認識していることまで必要である。
最後に、
⑤同意ある行為態様自体が社会生活上是認されるものであることが必要である。