ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

因果関係

2011年11月30日 23時52分25秒 | 刑法
因果関係は奥が深いですね。


危険の具体的現実化説を取ると、不能犯はどうなるんでしょうか?

私は、、因果関係は折衷的相当因果関係説を取ってきましたので、不能犯も同じ範囲で成否を検討できます。

危険の現実化説だと、不能犯はどういう形になるのでしょうか?

不能犯は、折衷的相当因果関係説になるのなら、矛盾では?とも思ってしまいます。


不能犯は実行行為性の問題、既遂犯は因果関係の問題とすると、行為の危険性はいずれも同じように検討するので、バラバラの基準は矛盾というか、整合性がないのかなぁ、とも思います。

2011年11月28日 08時25分47秒 | その他
だいぶん冬の温度になってきました。

勉強開始の秋は終了し、本格的勉強の冬という感じでしょうか。


来年の新司の出願が始まっています。
私も締切約1週間前の水曜には出せると思います。回数とか受験資格とかの書く項目がわかりにくくて時間が少し掛かりました。
しかし、28000円は高いですね。
電子出願はもっと面倒そうなので800円引きでも郵送です。

盗品の疑いが強いと思った買い取り

2011年11月27日 00時29分32秒 | 刑法
盗品等有償譲受罪は、故意が必要ですが、疑いが強いと思った場合はどうでしょうか。

判例は、
有償譲受とは、盗品たるの情を知りながら、金銭その他の物件の対価として盗品の所有権を取得する契約をうること(大審院大正2年12月19日)
買い受ける物が盗品かもしれないと思いながら、あえてこれを買い受ける意思があれば足りる(最高裁昭和23年3月16日)
としています。

とすると、盗品の疑いが強いと思っている場合にあえて買い受けたならば、本来、盗品等有償譲受罪が成立するでしょう。


TSUTAYAで事件として問題になっています。

時事通信


少なくとも、古物営業法では、
15条3項で
「古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。」
があります。

民法193条のような規定もありました。
20条
「古物商が買い受け、又は交換した古物(商法(明治32年法律第48号)第519条に規定する有価証券であるものを除く。)のうちに盗品又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。ただし、盗難又は遺失の時から1年を経過した後においては、この限りでない。」

24条は営業の停止も定めています。


また、33条には罰則があるのですが、15条3項に違反した場合には規定されていません。
なので、警察への申告義務違反としての行政処分となるような気がします。


盗品等有償譲受罪も成立する可能性がありますが、主観的要件の問題であり立証困難であることから、行政処分で終わるのでしょう。

共同正犯って?

2011年11月26日 23時08分13秒 | 刑法
過失の共同正犯で悩んでいたが、そもそも過失の共同正犯を論ずる実益がなければ不要です。

事案によっては記述する必要があるので、今後の課題ではあります。


共同正犯を認める実益は、因果関係などが認められないから。
とすると、単独犯が完全に成立するのに、どうして共同正犯を論じるのだろうか。


一部実行全部責任の原則なのに、全部実行を各々が行っている場合に、単独犯が各人に生じたとします。
その場合に、共同正犯となる、というのは必要なんでしょうか。


甲は、Aを殴りました。
その際、乙も、甲と一緒にAを殴りました。

しかし、Aはけがをしませんでした。

甲と乙には暴行罪がそれぞれ成立します。
その上に、共同正犯も成立します、とする実益はなんでしょうか?

一部実行全部責任を認める原則の共同正犯を単独犯がそれぞれ認められる場合には共同正犯の成立を認めるとすべき必要があるのでしょうか、という話です。

情状に影響があるのでしたら、訴訟上重要であるが、実体法上は重要ではないということにもなりそうです。

ちょっと考えさせられました。

過失の共同正犯

2011年11月24日 22時02分02秒 | 刑法
過失の共同正犯がよくわからなくなっています。


共同正犯は、共同意識、共同実行をすること
もっと論証チックには
共同意思の連絡の下、互いの行為を利用補充し合って、法益侵害結果の実現を容易にしたこと。


過失は、結果予見可能性及び結果予見義務を前提に結果回避可能性及び結果回避義務が認められること。


で、過失も結果回避義務違反を共同することはできる。

しかし、過失の共同意思の連絡は?
過失の意思の連絡ってなんだろうか?
ここをうまく説明できないです。


過失致死の共同正犯で、過失の共同意思ってなんだろうか?


では、翻って過失の故意(主観的要件)ってなんだろうか?
結果回避という作為をしなかったことの意思だろうか?
不作為犯に近づくのか?


なんかちょっと混乱しています。

忘れないこと

2011年11月23日 22時42分15秒 | 論文
論文を書くときに注意すべきこと。

基本的なことだが、

法的要件を検討し
事実を適示して
評価を加えて
あてはめる。

評価を加えるのが非常に難しいときがあります。

そんな時でも搾り出すように頑張らないと!!


損害賠償請求をする場合は、損害があるのかどうかを必ず検討する。


会社法の取締役等の責任は、
どんな義務があるのか、
義務違反が任務懈怠なのか、
悪意、過失はあるのか、
損害があるのか、
というのをチェックすべき!!

労働法は年内終了を目標

2011年11月23日 22時03分53秒 | 労働法
労働法は講座を取ったので、年内に他の科目も並行しながら終了させることを第一目標に置きます。

労働法の答練は来年かな。

どんな問題なんだろうなぁ??
行政法並みだったら結構苦労するかも。

解釈問題と判例が重要と聞くので、そんなに難しいとは感じていないのだが、甘いかな。


とにかく時間は足りないけど、それなりに充実させながら気合を入れて取り組むべし!

予備試験再現

2011年11月23日 13時03分09秒 | 論文
平成23年度の予備試験論文試験再現答案を全部アップしました。

感想は、再現直後と評価を受けた後のアップした時の感想が入り混じっています。

来年度合格を目指す方の参考になればと思います。

この再現答案は申し込んだ予備校からは返答が来なかったので、どこにも提出していないものです。
なので、自由に使って下さって構いませんが、何か(文書化、叩くための答案)に使用する際は一言いただければ幸いです。

短答

2011年11月22日 00時50分14秒 | その他
旧司時代は短答対策に終われていましたが、新司においてはそれほど重要ではなくなったので、論文対策にかなりの時間を費やせます。

あの旧司の刑法パズル問題、民法の重箱問題を解く苦労を知る人がどんどん少なくなっていくと思いますが、その苦労を知らない人は少しうらやましいです。

ただ、あの刑法パズル問題があったからこそ、刑法は得意科目になれましたので、そこまで無駄ではなかったと思います。

口述試験結果

2011年11月18日 00時59分57秒 | その他
口述試験結果が届いていました。

相変わらず掴み所の無い試験です。

私の口述試験の再現は過去に記載しております。

これで
点数123点
順位8位
でした。

あの刑事実務に失敗しなければもっと上位だったのでしょうか?

不思議な感じです。


これで予備試験は終了です。


来週は新司の願書をまず入手しないといけません。

とにかく気合いです。

配転

2011年11月15日 23時59分12秒 | 労働法
東亜ペイント事件の転勤を拒否した理由が、
高齢の母親及び妻子(子供は2歳)と別居せざるを得ない状況だったからという。

こんな不利益なんて今では当たり前ではないでしょうか?

これは、家庭生活上の不利益を転勤に伴い通常甘受すべき程度のものと当然いいうるでしょう。


これで、子供が障害を持っているとか、母親が要介護ならもう少し変わってくるが、本件にはそれは見当たらない。
参考札幌地決平成9・7・23


女性労働者に単身赴任を余儀なくする配転命令も転勤に伴い通常甘受すべき程度を著しく超えるものとはいえず、配転命令権を濫用するものとはいえないものも当然だと思います。
参考仙台地判平成8・9・24


こういうのを不可として、労働者を保護し過ぎると、他の労働者との差別につながるし、使用者側としても配転が行き詰まる可能性があり、事業の円滑な遂行の妨げになるでしょう。


他の労働者との差別は、独身者や子供がいない夫婦にのみバンバン転勤させるとかになってストレスがたまり引越し貧乏にもなる。
子供がいて親と同居している夫婦は、転勤なく、金は貯まり異動に伴うストレスも溜まらない。


このような不公平感が生じることも考慮すべきだが、記載されていない気がします。



ただ、依頼者側に立つなら理想論、個人主義的に自己に都合がよいように理論立てる必要があるので、ちょっと苦しい気がします。

労働法の無効

2011年11月15日 22時47分11秒 | 労働法
労働法で違法、無効になるのは、権利濫用や公序良俗違反が多い気がします。

かなり、使用者側に有利な感じですが、雇われている身としては反発や抵抗するメリットより、デメリットの方が大きいからなんでしょう。


損害賠償請求が認められたり、配転が無効になったとしてもその後の昇進や重要な職務を任せられなくなるのは、猿でもわかる話ですから。

今はかなり労働者視点で、使用者はいいなぁという視点で読み進めています。