ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

債権譲渡と第三者

2009年07月29日 21時15分35秒 | 民法
以前、記述しました債権譲渡と第三者について、下記のような答案構成がありました。


甲と乙は売買契約をした。乙は、甲への代金債権を丙に譲渡し、通知した。
その後、甲は、解除をした。丙が甲に代金債権を請求した。
甲と丙の法律関係は。

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丙は、解除前の第三者として保護されるか?

解除は直接効果説。
解除前の第三者は、解除前の法律関係を前提に利害関係を有するに至った者。
債権譲渡の譲受人は、消滅する債権そのものの第三者であり、含まれない。

よって、保護されない。


甲は、譲渡人に対抗できた事由を主張し得るか?

債務者が関与し得ない債権譲渡について対抗事由は広く解し保護すべきであるため、解除の基礎となる事由まで含む。
よって、主張し得る。
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これは、私なら、

債権譲渡の債務者甲が譲渡人乙に対抗できた事由を譲受人丙にも対抗できるかを先に論じ、その後、解除前の第三者として保護されるかを論じると思います。

結論は同じでも、順番としては、債権譲渡によって直接的に生じる、債務者甲が譲受人丙に対抗できる事由を先に論じ、それがダメなら、解除前の第三者として丙が保護されるかを論じるべきだと思います。


ちょっと不自然な感じがしました。

睡眠

2009年07月29日 21時06分02秒 | 民法
最近、寝つきが悪く、睡眠時間が約5時間弱で疲れがとれません。
睡眠が浅い感じです。

試験の結果が良くなかったというストレスもあるのでしょうけど、おそらく運動不足という非常に深刻な問題もあると思います。

ここ2年まともに運動していません。

2年前はビリーズブートキャンプで7kg痩せたのですが、3kg増えてきました。

ビリーズブートキャンプをやっていたときは、毎日かなり深く眠れていました。


体重的には標準体重なんですが、運動不足は否めません。


ということで、不規則な仕事ですが、平日の昼間からとか夕方からとかが空く時があるので、ジムに通うことにしました。


週1回ペースです。


これで、体もリラックスできると思います。



論文基本問題集民法120選をamazonにて購入しました。

論文基本問題 民法120選



本屋で立ち読みをした感じでは、過去問をベースに未知の問題+基礎的な知識を満載した問題のようですので、完全に模試として解いてみようと思います。

自白と証明責任

2009年07月29日 00時57分13秒 | 民訴法
証明責任について

証明責任とは、ある事実が真偽不明の場合に、その事実を要件とした自己に有利な法律効果の発生又は不発生が得られないとする一方当事者の不利益。


ある事実が真偽不明の場合に、請求を認容するのか棄却するのかが判断できないため、そのままでは判決を下すことができない。

そこで、裁判所の裁判の回避を防止するための法技術として証明責任がある。


これは、法律効果を規定する法規の構成要件該当事実たる主要事実に対してのみ及ぼせば裁判所は判決を下すことができ、十分であるため、証明責任は主要事実にのみ該当する。


また、その配分として、基準の明確性及び実体法は当事者間の公平を考慮して規定されているため、実体法を基準として配分すべきである。

もっとも、形式的に配分した場合に、当事者間の公平とならない場合には、例外的に証明責任の転換も認められる。


自白について
(裁判上の)自白は、期日における相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の陳述である。

自白は、弁論主義の下、第二テーゼとして、裁判所拘束力、不可撤回効が生じる。

そして、弁論主義は主要事実に対してのみ及び、間接事実、補助事実に対して及ぼすと自由心証主義を害するため、及ばない。
主要事実に対して当事者は攻撃防御を尽くすため、これにのみ及ぼせば手続保障は図れるからである。

よって、弁論主義の一内容たる自白成立による効力が生じる事実も主要事実に限定される。

また、いかなる事実が自己に不利益な事実として自白が成立するかは、基準の明確性から、相手方が証明責任を負う事実であり、証明責任は、実体法を基準に、事実は主要事実である。


このように、証明責任は、自白が成立するかを判断するための機能を有する。

平成21年度刑訴法第1問

2009年07月27日 00時36分28秒 | 刑訴法
平成21年度刑訴法第1問の再現です。


写真、ビデオカメラ撮影は原則強制処分、今回は任意処分としています。
そして、Aは違法、Bは適法と結論付けています。

あてはめを重視しています。



一警察官Aの撮影行為について
1 警察官Aは甲宅2階の窓から顔を出した甲の容ぼうを、ビデオカメラで撮影。これは適
 法か。
2(1) この行為が強制処分に当たるなら令状が必要なため、強制処分と任意処分の区別
 (2) 人権制約あるなら令状必要は、捜査の迅速性、機動性を害する
    強制処分は、被処分者の承諾なく、強度の人権制約を伴う処分を強制処分として
   令状を要求し、司法審査させるべき。
 (3) 写真撮影は原則検証令状が必要(218条1項)。
    ビデオカメラでの撮影は、写真と異なり、動く写真といえプライバシーの制約度
   合いが写真よりも高い。
    そこで、原則として強制処分とすべき。
    しかし、路上や路上から見える範囲であれば、プライバシーの制約度合いは低い。
    よって、本問の場合、任意処分。
3(1) しかし、任意処分も人権制約を伴うため、無制約は不可。捜査比例(197条1項但
   書)の原則から、「目的を達成するために必要な」範囲で行うべき。
    そこで、かかる範囲は①現行犯性②緊急性③手段の相当性を要求する見解もある
   が、①②は必要性を考慮したものと解するべきであり、①捜査の必要性と②手段の
   相当性で判断すべき。
 (2) ア 本問振り込め詐欺事件は、社会的問題も大きくなっており、事件も重大であ
     る。また、掛かる事件に関与した疑いの濃厚な被疑者甲について、防犯カメラ
     に写っていた犯人の同一性を判断する必要があり、連続した画像を防犯カメラ
     と比較することで、確実な判断ができる。よって①必要性を満たす。
    イ 一方、Aは路上から2階の甲宅の居宅を監視しており、カーテンを開け窓越し
     に顔を見せた甲の容ぼうをビデオカメラで撮影している。2階であれば通常他
     人から見られることはなく、高度のプライバシーが保障されるべきである。
      また、Aとしても特段の事情がない限り路上で甲の容ぼうを撮影しえたので
     あり、Aの撮影行為は②手段の相当性が認められない。
4 したがって、Aの撮影行為は、任意捜査の限界を超え、違法である。

二警察官Bの撮影行為について
1 警察官Bはレストランに客を装い入店し、かばん内に装備した小型カメラで、飲食し
 ている甲の様子を撮影している。これは適法か。
2 レストラン内において他人から見られることも考えられるため、一定のプライバシー
 権は放棄されているといえる。よって、Bの行為は任意処分である。
3(1) しかし、任意処分であっても前述のように限界がある。そこで、Bの撮影行為は
   任意処分の範囲内か。
 (2) ア 本問Bがビデオカメラで撮影したのは、防犯ビデオカメラに写っていた犯人
     の右手首のあざを撮影するためである。これは前述の振り込め詐欺事件に関す
     る被疑者であり、犯人と同一性の判断をするため、甲の右手首を撮影する必要
     があり、①捜査の必要性がある。
    イ 一方、撮影方法についても、Bはレストランに客を装って入店し、かばん内
     に装備した小型ビデオカメラで撮影しているが、右手首のあざは小さく、路上
     で近づいて撮影することも困難である。また、甲が右利きであれば飲食してい
     る甲の右手首が見え、撮影がしやすい。さらに、飲食中ならほとんど席から離
     れることもなく、小型ビデオカメラを固定して撮影することができ、犯人との
     同一性を判断するための材料として有効である。よって、②手段の相当性も満
     たす。
4 したがって、Bの撮影行為は、任意捜査の範囲内であり、適法である。

民訴法昭和58年第2問

2009年07月26日 19時34分44秒 | 民訴法
この問題も現場で出されたらパニックになりそうなぐらい、たくさんの問題点を含んでいます。




民事訴訟法昭和58年第2問
甲が、乙に対し、昭和57年4月1日に100万円を貸し渡したと主張して、その返還を求める訴えを提起したところ、乙は右借受の事実を否認した。証拠調べの結果、甲の請求する100万円は、甲が乙に売渡していた宝石の代金100万円を甲主張の日に貸金に改めたものであること、および、甲乙間には、右金員につき昭和57年4月から昭和58年11月まで毎月末日限り5万円ずつ分割して支払うとの合意ができていたことが明らかとなった。
 この場合、当事者はどのような訴訟行為をすることができるか。また、それに応じて、裁判所はどのような判決をすることになるか(ただし、口頭弁論は昭和58年4月15日に終結するものとする)。



一 当事者がする訴訟行為
1(1) 訴訟行為とは、裁判に向けて展開していく、当事者及び裁判所の意思表示
    本問甲の主張は貸金返還請求、証拠調べの結果裁判所が形成したのは準消費貸借契約
    訴えの変更が必要か?
 (2) 訴えの変更の要否
    訴訟物は、基準の明確性から実体法の権利を基準→必要
 (3) 訴えの変更の可否
    請求の基礎の同一性の判断
    両請求が社会通念上共通するか、訴訟資料が流用できるか→可能
2(1) 訴えの変更によって、要件事実が変更される
    甲は要件事実の主張責任を負うか
    主張責任は証明責任から派生するものと解されるから、証明責任の分配基準による
 (2) 証明責任の定義
    基準の明確性及び実体法は当事者間の公平を考慮して規定
    よって、実体法を基準にすべき。
    また、法律効果を主張する当事者が証明責任を負う。
    ただし、一方当事者の不利益が大きい場合には、公平の観点から例外として相手方に証明責任を負わせるべきである。
 (3) 準消費貸借契約の要件事実は、
    ①旧債務の存在、②返還の合意
    債務者は、基礎となる旧債務の不存在について二重払いの危険を回避するための対策を行うことから立証容易。
    そこで、債権者は
    ②返還の合意、債務者は①’旧債務の不存在について証明責任を負わせることが公平に適う。
 (4) 本問、甲は②返還の合意、乙は旧債務の不存在について証明責任を負い、主張責任も負う。
    甲は、①旧債務の存在について主張責任を負わない。
 (5) 分割払いの事実は、債務者にとって一括弁済をしなくてもよいとする権利障害事実のため、債務者たる乙が負う。
 (6) 以上の事実はいずれが主張してもよい。
    ∵主張責任は、当事者と裁判所との役割分担である
3 被告たる債務者乙は、原告の主張に対して真偽不明となるように反証可能

二 裁判所の判決
1 裁判所は、以上の事実に関して当事者から主張がなければ、弁論主義の第一テーゼにより事実認定不可
2 主張があれば、事実認定可
3(1) 75万円については、現在給付のため可能、25万円については将来給付判決
    一部認容判決として許されるか?
    処分権主義(246条参照)は、当事者意思の尊重、被告の不意打ち防止の観点から判断
    原告甲は請求棄却による0万円より、75万円の現在給付、25万円の将来給付がよい
    被告乙は100万円の現在給付より、75万円の現在給付、25万円の将来給付がよい
    よって、一部認容判決可
 (2) 将来給付判決もあらかじめ請求を求める必要性があるため可
4 したがって、裁判所は、75万円の現在給付、25万円の将来給付判決を下すべき

既判力

2009年07月26日 15時48分38秒 | 民訴法
既判力は確定判決の後訴に対する通用力、本来的な効力。


消極的作用として、既判力に反する主張は不可
これを遮断効という。


積極的作用として、既判力のある判断内容を前提に後訴について裁判をする。
裁判所の判断を拘束する。
(反対説は一事不再理)



根拠は裁判所の判断に対するもの。
有力説は手続的保障の結果。


既判力は攻撃防御を尽くし、手続保障が確保された自己責任に基づくと解する。


事実審の口頭弁論終結時点の裁判所の判断であるから、これを基準時とする。

外国の判決も相互保証があれば、手続、内容に所定の要件を具備しているならば、既判力を有する(118条)。
ただし代理母に関するのは公序に反するため、拘束しない(118条3号)。

民訴法

2009年07月26日 01時01分55秒 | 民訴法
民訴法をやってます。


選定当事者って29条除外した場合と条文上は明記していますが、実際は29条と重畳可能だそうです。

選定当事者(30条)は明文ある任意的訴訟担当。


代表者が存在する権利能力なき社団でも選定当事者制度は利用でき、構成員を任意的訴訟担当として、訴訟追行可能。


権利能力なき社団の代表者はこの場合、法定代理人(37条)
29条によって法定訴訟担当になるという説もあるそうですが少数説

選定当事者によって代表者以外に当事者として訴訟に関わる人を任意的訴訟担当として追行させることができる。


代表者が任意的訴訟担当になるなら代表者も当事者として訴訟追行します。


権利能力なき社団の代表者(構成員ではなく雇われ代表者)は
任意的訴訟担当か
法定代理人=訴訟代理人


代表者が構成員でもあるなら、両方の地位を有する任意的訴訟担当で良いと思います。



ただし、権利能力なき社団の代表者が社団に代わって訴訟代理人として訴訟追行した場合、その判決効は当事者たる組合に及び、組合員には及びません。

一方、権利能力なき社団の代表者又は構成員が任意的訴訟担当(選定当事者又は明文なき任意的訴訟担当)として訴訟追行した場合、その判決効は他の組合員全員に及びます。

平成21年度憲法第1問

2009年07月25日 11時59分51秒 | 憲法
平成21年度憲法第1問の比較衡量の得られる利益と失われる利益


司法警察員の差押え

得られる利益
刑事手続きの適正、迅速
また、裁判所の令状があり手続きに問題はない
事件が重大であり、多重衝突、死傷者、事案の解明、解決、公訴の判断必要
マスターテープである方が確実

失われる利益
テレビ局が報道しないと決定した内容→報道済み、不利益小さい
マスターテープ→今後編集できないという不利益、しかし、報道済み、不利益小さい
将来のテレビ局の取材の自由→テレビ局が撮影したもので影響はない


裁判所の提出命令

得られる利益
刑事裁判の適正、迅速
裁判所によるもので手続に問題はない
事件が重大であり、多重衝突、死傷者、事案の解明、解決
マスターテープである方が確実

失われる利益
テレビ局が報道しないと決定した内容→報道済み、不利益小さい
マスターテープ→今後編集できないという不利益、しかし、報道済み、不利益小さい
将来のテレビ局の取材の自由→一般人からの情報提供
しかし、交通事故に関するものであり、秘匿する必要性は低く、将来の取材の自由に影響を及ぼす可能性は低い



他の人が撮影した証拠がない場合の方がいいとかを書いても良かったかも。

訴訟要件

2009年07月25日 11時12分17秒 | 民訴法
まとめていったのを書いていきます。


民事訴訟法の訴訟要件について

訴訟要件は、本案判決を得るために具備しておかなければならない要件です。

訴訟要件を要求する趣旨は、無駄な訴訟を排除し、効率的訴訟運営を行うという、国家の利益、国民の利益と、当事者の利益のためです。


重要なのは、国家、国民の利益であるため、原則として公益的目的のために訴訟要件は要求されているので、それが具備されているかの調査の開始は裁判所とする職権調査事項です。

ただ、私的事項に関することは、当事者が調査を開始する抗弁事項です。


そして、公益的目的であるため、その資料の収集、提出は、裁判所が行うのが原則です。

しかし、資料が訴訟の帰趨を左右、本案に密接に関連する場合もあるため、そのような訴訟要件については当事者が収集、提出を行う弁論主義が妥当します。

本案に密接に関連する者を裁判所が収集、提出したならば、弁論主義(訴訟資料の収集、提出は、当事者の責任と権能とする建前)に反するからです。

私的自治が妥当する範囲に公権力が介入することによって、当事者の意思の尊重が無視され、被告の不意打ちにつながる恐れがあるからです。



どのようなものが訴訟要件か。

分類としては、
・裁判所に関すること…裁判権、専属管轄
・当事者に関すること…当事者能力、当事者適格、訴えの提起や訴状の送達の有効性、代理権の存在、訴訟費用
・請求に関すること…二重訴訟の禁止、再訴禁止、併合の訴えの要件、訴えの利益、不起訴の合意


裁判所が調査を開始すべき訴訟要件として、公益的目的のためであるため、当事者能力、当事者適格、訴訟能力、裁判権、専属管轄

当事者が調査を開始すべき訴訟要件として、不起訴の合意


また、職権調査事項でも訴訟の帰趨を左右しないものならば、裁判所が行う職権探知主義が妥当するものは、当事者能力、訴訟能力、裁判権

弁論主義が妥当するのは、本案に密接に関連する事項であるから、訴えの利益、当事者適格



本案判決が訴訟要件の調査よりも先に決定した場合

このような場合、被告の利益となる訴訟要件では、具備されていなくても本案判決をしてもよいとする。

∵被告は請求棄却判決によって、訴訟から解放され、強力な既判力を手に入れられる。
∵本案判決は出ているのにもかかわらず訴訟要件の調査のため、さらに時間、金銭を費やすことは、被告の負担となる。
∵当事者適格、訴えの利益などは、被告の利益のため。

ただし、第三者に判決効が及ぶ場合の当事者適格は、被告以外の者の利益を図るという公益的目的もあるため、訴訟判決により却下すべきである。


時期
調査は随時

具備は、訴訟要件は原則、口頭弁論終結時にあれば良い。
訴訟要件が本案判決をするために必要な要件であるから。

もっとも、裁判権、専属管轄などは、訴訟開始時に必要である。


訴訟要件が口頭弁論終結後に消滅した場合、上告審で原判決を破棄して訴え却下の自判の判例あり(大判昭16年5月3日)。

また、訴訟要件が口頭弁論終結後に具備した場合、訴訟要件の欠缺を看過してなされた原判決を維持した判例あり(最判昭55年2月22日)。

さらに、訴訟要件の欠缺を理由とする訴え却下判決に対する上告審で、口頭弁論終結後に訴訟要件が具備されていても、却下判決を維持した判例あり(最判昭42年6月30日、最判昭46年6月22日)。