ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

教育職

2013年03月24日 22時40分46秒 | その他
なぜ、地方公務員教育職は、一般行政職よりも給与が高くなっているのでしょうか。

一般行政職平均給与
教育職平均給与


大学の教員は、研究を行うため、頭脳明晰な人を集める必要があり、それなりの給与が支払われるのは理解できます。

研究職や医療職、警察職なども頭脳が必要だったり、体を酷使するので、高い給与が支払われるのも理解できます。


しかし、学校の教員は彼らに比べればその能力や酷使が無く不要でしょう。
一般行政職と同じぐらいの負担であれば、一般行政職と同じ給与でいいと思います。


部活顧問とか、日曜出勤とかがあるとの理由が聞かれますが、警察の一般職員、国土交通省の一般職員も深夜まで働いて、当直、夜勤もあるのに、一般行政職の給与です。
違いは無いでしょう。

教職員の給与を一般行政職レベルに引き下げることで、全体がどれぐらい予算が確保できるか、試算してほしいものです。

ハードディスク

2013年03月24日 19時16分56秒 | その他
ノートパソコンの容量が足りなくなってきたのと、バックアップのため、小さいポータブルHDDが必要になってきました。

せっかくなのでUSB3.0対応だとこれがよさそうです。

Transcend USB3.0 2.5インチ ポータブルHDD M3シリーズ 500GB 3年保証 TS500GSJ25M3


あとは、クッションがペッチャンコになってきたので、新たに必要。
Dr.お医者さんの円座クッションA

勾留の要件

2013年03月17日 22時52分57秒 | 刑訴法
勾留の要件のまとめ。


1 逮捕前置主義
→適法な逮捕が必要
・時間厳守、その他の手続


2 勾留の理由
2-1 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(207条1項、60条1項柱書)
2-2 各号のいずれかを満たす
2-2-1 定まった住居を有しない(1号)
2-2-2 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由(2号)
①罪証隠滅の対象
事実の認定根拠となる証拠かどうか
②罪証隠滅の態様
証拠の毀損や人証への危害、虚偽の誘引など
③罪証隠滅の客観的可能性
対象物がどこにあるか、対象者が誰か、対象者、物の場所を知っているか
④罪証隠滅の主観的可能性
過去に隠滅のおそれを画策したことがあるか、既に自白をしていないかなど
2-2-3 逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由
①安定した生活か、②犯罪の重大性、前科の存在等


3 勾留の必要性(207条1項、87条)


4 勾留質問(207条1項、61条)

ロースクール労働法No.9途中

2013年03月15日 01時13分15秒 | 労働法
ロースクール労働法 No.9

途中までで疲れました。

1 懲戒権
 使用者は、企業秩序定立(維持)権を有し、労働者は労働契約をしたことによって、企業秩序遵守義務を負っている。使用者は、労働者の企業秩序違反行為に対して懲戒処分を科す権限を有する。もっとも、懲戒処分は労働者にとって不利益を受けることになるから、懲戒事由と手段については就業規則で明記しておく必要がある。そして、この内容は合理性を有する必要があり、周知しておく必要がある。
 本件就業規則は、「会社の名誉・信用を著しく失墜させる行為を行った」場合を規定しているが、包括的条項であるため限定する必要がある。労働者は会社で労働提供を行うが、私生活上は一般的自由権を有しているため、私生活上一般について会社の支配が及ぶことは考えられず、私生活上のうち、会社との関係において会社の名誉・信用を著しく失墜させる行為に限定されると考える。
2 ビラ配布行為及びブログへの記載行為
(1) かかる行為は、正当な組合活動の一環によるものと考えられるならば、懲戒権の行使は、不当労働行為における不利益取扱いに当たるため(労組法7条1号)、検討する。
(2) ビラ配布行為は、その行為自体が表現の自由の一環をなすこと、また、組合活動として使用者に対する簡単な対抗手段といえることから、その配布場所、ビラの内容、程度等を考慮して判断する。
(3) 本件においてXはH労働組合において他1名の計2名から構成される小さな労働組合Y支部であるため、Y社の他の社員及び関係者に対して知らしめる必要性は大きい。また、本件配布されたビラは、勤務時間外にY社の社宅において行われているものである。しかし、そのビラの内容は、O社長個人の私利私欲を満たす恐怖的経営やY社の悪だくみ、私腹を肥やすO社長に鉄槌を下すといった内容である。真実かどうか不明な点、Y社ではなくO社長個人に対する攻撃の文言が含まれている点において、名誉毀損に該当する内容であるといえる。とすると、簡易な手段であるビラ配布とはいえ、その内容はO社長を個人攻撃を行うものであり、Y社のO社長の名誉・信用を著しく失墜させており、ひいてはO社長が経営しているY社の名誉・信用も著しく失墜させるものであり、社会通念上、著しく相当性を欠くものといえ、正当な組合活動とはいえない。
   また、ブログに同様の文言を記載することで、Y社社員関係者以外の者も広く公開することになる。とすると、このような過剰な個人攻撃の内容を不特定多数の人が閲覧する可能性があるといえ、社会通念上著しく相当性を欠くものといえ、正当な組合活動とはいえない。
(4) よって、正当な組合活動ではなく、懲戒権の行使をすることができる。
3 懲戒権の行使
(1) では懲戒権の行使は正当といえるか。懲戒権の行使を濫用することは許されず(労契法15条)、その中でも懲戒解雇は労働者の地位を喪失させる最も重い処分であるため、その行使について慎重に判断する必要がある。
(2) まず、客観的合理的理由として、懲戒事由に該当するか。
(3) 本件懲戒権の行使は、「業務以外の目的に会社施設を利用した」こと、「会社の名誉・信用を著しく失墜させる行為を」したことである。

ロースクール労働法No.20

2013年03月14日 23時28分24秒 | 労働法
ロースクール労働法 No.20

1 解雇
(1) 本件Y社は、Xを解雇したのか。Xが自主退職であれば、解雇の無効を述べる必要が無いため、検討する必要がある。
(2) 本件において、A社長は、Xに対して、給与課への配転か、退職かの二者択一を迫っている。XとY社との労働契約が秘書業務への限定契約であれば、Xを秘書として雇用継続する意思がないことを一方的かつ確定的にXに対して表示したものといえる。
(3) 本件、XとY社の契約は秘書の職種限定契約か。
   Xは専門学校の秘書コースを修了し、他社で働いていたが、社長秘書業務希望の方という広告を見て、Y社の社長秘書として雇用されている。そして、5年という長期間秘書業務に就いている。確かに、5年間務めたからといって直ちに秘書業務限定契約があったとはいえない。しかし、A社長が二者択一を迫る段階まで、別の部署への配属を指示命令したわけではないことから、Y社がXの職種を社長秘書業務に限定していたものと見ることができる。
(4) したがって、Xは社長秘書業務の職種限定契約があったといえる。
   そして、給与課への配転か、退職かを迫る二者択一の意思表示は、Xを社長秘書として継続して雇用する意思を欠く。また、Xとしては自己都合退職することや残業が多く職種が異なる給与課への配転についてメリットはなく、Xは継続する意思を有していたといえる。よって、A社長の行為は、解雇の意思表示といえる。

2 解雇権濫用
(1) 解雇権は、期間の定めのない雇用の場合、民法627条1項前段からいつでも解雇可能である。しかし、労働者に著しく不利益であるから、原則就業規則で定められていなければならない。もっとも、それ以外の場合も常に解雇できないわけではなく、客観的合理的な理由があり、社会通念上相当であれば解雇することも認められる(労契法16条参照)。
(2) 本件は、Y社はXが競合会社であるB社の社長の息子と結婚することになったためである。Y社はB社に企業秘密が流出することを懸念したことにより、解雇している。しかし、B社社長の息子は別の会社の平社員であり、B社との関係性は薄い。それにもかかわらず情報流出を懸念することは、抽象的な危険であるといえる。また、Xは労働契約上及び社長秘書という職種の特殊性から当然に秘密保持義務が存在するのであるから、XがB社社長息子と結婚することが直ちに情報流出に結び付くものではなく、Xを解雇するための理由としては客観的合理的な理由とは到底いえない。
(3) よって、解雇権濫用に当たる。

3 損害賠償請求
 Xは職場復帰を求めておらず、解雇されなかったら得られたであろう賃金などの逸失利益を求めている。本来、解雇権が濫用であり無効とすれば、労働契約上の地位が喪失せず、賃金を得ることができるため、逸失利益とはいえない。しかし、Xは職場復帰を求めていないため、賃金に代わる逸失利益を請求している。したがって解雇権が無効であるため、一定程度の賃金請求に代わる逸失利益を求めることができる。
 また、それに伴い、退職金も請求することができる。
 さらに、突然後任のCへの引き継ぎを命令され、Xの意思に反することが明らかな二者択一を迫るY社の一連の行為は、Xに精神的苦痛を与えるものであるから、慰謝料請求権が生じる。

ロースクール労働法No.6

2013年03月13日 00時08分41秒 | 労働法
ロースクール労働法No.6

1 本件は、Xと男性正社員との間に賃金格差が生じている。これは、違法として未払い賃金支払請求ができるか。

2 賃金格差
(1) 前提として、賃金格差は違法か。
(2) 労基法3条は、雇い入れ後において社会的身分等の差別的取扱いを禁じている。この社会的身分は個人の意思では変更できない社会的地位、分類を指すものであり、臨時社員か正社員かは契約上の問題であり、適用はない。また、同法4条は、男女間における同一賃金同一労働の原則を定めたものであり、賃金格差について同法に反するものとして違反になるという公序にはならない。
(3) しかし、同法3条、4条の根底には均等待遇の理念があり、これは、人格の価値を平等とする市民法の普遍的な原理であるから、これに反する賃金格差は、使用者の有する裁量の範囲を逸脱するものとして、公序に違反し無効となる。

3 賃金格差が均等待遇の原則に反するか
(1) この使用者の裁量の範囲を逸脱するかどうかは、賃金格差に合理的理由のあるものかどうか、すなわち、①職務内容、②契約上または実態上期間の定めがない雇用か、③人材活用の仕組みと運用が長期的に同一かどうか、④賃金格差の程度、内容によって判断する。
(2) ①ついて
   Xは、従事する職種、作業内容、勤務日数及び勤務時間、残業も行っていたのであり、正社員であるAとほとんど同じである。また、専門的な仕事も行っており、Xはパート社員といっても、正社員が500名以上いるにもかかわらず、主力店舗の店長という地位にあった。これらのことから、Xの役割及び責任は正社員であるAと同等又はそれ以上のものであるということができ、正社員と同一の職務内容であるといえる。
(3) ②について
   Xは、1年契約の更新契約形態であるが、10年継続して勤務していること、店長という責任ある地位の基幹性や恒常性等を考慮すると、契約上は有期契約であるが、実態上は期間の定めのない雇用形態と同視できるといえる。
(4) ③について
   Xは正社員Xと比較すると確かに全国転勤の可能性がないといえ、この点において人材活用、運用が異なっているとも考えられる。しかし、かかる転勤可能性は、実際には近距離の転勤しか行われておらず、全国転勤の実態がほとんど認められないのである。よって、店長としての地位として活用されているXについても人材活用及び運用が長期的に正社員と同一であるということができる。
(5) ④について
   そして、Xと正社員Aとの賃金格差は30%もあり、このような格差を設ける合理的理由はなく、その程度も相当大きいといえる。
(6) さらに、本件Xは、「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」(パートタイム労働法8条1項)といえ、差別的取扱いの禁止に反する可能性もある。
(7) よって、本件30%もの賃金格差は、使用者の裁量の範囲を逸脱しており、均等待遇の理念に反し、違法である。

4 女性差別
 さらに、本件において、全国転勤のないパート社員の多くが女性であり、これらのパート社員に賃金格差を設けていること自体が女性差別をしているとして、労基法4条、男女雇用機会均等法7条に反する可能性がある。
 パート社員は、出産や結婚後に就職する女性が多く、全国転勤の有無を基準に賃金格差を設けることは、女性に対する賃金格差を正当化するものであると考えられる。すなわち、このような女性は、全国転勤をすることは事実上不可能といえ、全国転勤を了承することはできず、また、全国転勤の可能性は実態上存在していなかったのであるから、結果的に女性への不利益取扱いを正当化していたものといえる。
 よって、女性差別的取扱いとしての間接差別といえ、労基法4条、男女雇用機会均等法7条に違反し、無効である。

5 以上から、Xは、30%の差額支払い請求をすることができるが、賃金請求権は2年間の消滅時効にかかるため(労基法115条)、過去2年分に留まる。

ロースクール労働法No.16

2013年03月10日 19時24分06秒 | 労働法
ロースクール労働法No.16

所感
精勤手当は6%を占めるに過ぎないから有効とするのもありだと思います。


1 本件において、Yの主張としては、6月25日の賃金、精勤手当15,000円の支払い及び3日間の出勤停止処分の無効を主張すると考えられる。
2 就業規則
(1) 本件においてYは、当日に年休取得を申請している。しかし、就業規則は原則1週間前までに、例外的に前々日までに申請することとされているため、就業規則に反しないか。本件就業規則は1週間前までに届け出ることが原則とされ、これによれない場合には、前々日までに口頭で届け出るとされており、これは労基法39条の趣旨に反せず合理性を有するか。
(2) 就業規則は、その内容が合理的であれば、周知されることで労働条件の内容となる。本件は、1週間前の届け出は、使用者が時季変更権を行使するために必要な期間といえるし、代替要員の確保等調整も必要な期間として規定していると考えられる。また、例外的に前々日までの口頭による届け出も認められており、その理由は前記のとおりといえ、合理性があるといえる。
   もっとも、当日の年休取得も事実上認められており、これは他の社員も周知していることから、労使慣行が存在していたといえる。
(3) よって、事実上の運用が認められることも含めると、労基法39条の趣旨に反するとはいえず、なお合理性を有し、就業規則がYの労働条件になり拘束される。
3 Yの年休取得
(1) Yは当日の年休取得申請をしているが、店長は承認しないと回答している。この場合、年休権は成立しているか。
(2) 年休権は労基法が労働者にリフレッシュや自己研鑽のために認められた権利であるため、39条1項の要件を満たせば、適法な時季変更権の行使が無い限り、当然に年休を取得する。
(3) 本件における店長の回答が適法な時季変更権の行使といえるか。
(4) 労基法39条の年休権を制度として認めた趣旨に鑑み、使用者は、適法な時季変更権を行使しなければならない。また、この時季変更権の行使は、事後の事情により判断することは妥当ではないことから、時季変更権が行使された時点において判断する。そして、適法といえるためには、①当該労働者の労働の性質、内容、②当該労働者の業務運営上不可欠性、③代替要員の確保が困難な事情等を考慮して判断する。
(5) 本件Yが申請をした際、すでに2名の年休取得者が存在した。しかし、①スーパーの社員であり、業務内容は不明だが、パートタイマーの代替が可能であったため、労働の内容は専門性が高かったとはいえない。また、②Yが業務運営上不可欠性があるとまではいえない。さらに、③パートタイマーによる代替が可能であり、代替要員の確保が困難であったとまではいえない。年休取得は労働者の自由に取ることが保障されているので、取得理由を言わなかったことを理由として時季変更権を行使することは認められない。
(6) よって、適法な時季変更権の行使ではなく、Yの年休取得は認められる。
4 年休取得の不利益取扱い
(1)ア Yは精勤手当不支給及び3日間の出勤停止処分が行われているが適法か。
  イ 附則136条は文言上努力義務であることから、私法上の効力は無い。しかし、不利益取扱いが年休取得を認めた趣旨に反する場合には公序に反し無効となる。反するかどうかは、不利益取扱いの内容、程度、目的等を考慮して判断する。
  ウ 精勤手当が社員の労働意欲の向上を高める目的で規定されていることからすれば、その目的は正当である。しかし、精勤手当は最大で15,000円であり、Yの給与総額252,798円においては約6%も占めており、小さいとはいえない。さらに1回の欠勤で半額になり、2回欠勤で不支給になるため、精勤手当が労働意欲の向上という目的であったとしても年休取得を抑制することになるといえる。よって、労基法39条の趣旨に反するといえる。
5 3日間の出勤停止
 Yは年休を適法に取得しているのであるから、懲戒事由が不明であるため明らかではないが、年休取得を理由とした懲戒処分は、客観的合理性を欠き、社会通念上相当とはいえず、懲戒権濫用として無効となる(労契法15条)。
6 以上から、Yの6月25日の賃金請求、精勤手当15,000円、3日間の出勤停止の無効及び当該日時の賃金を主張し得る。

捜索・差押の範囲

2013年03月10日 09時34分03秒 | 刑訴法
基本的な問題だと思っていましたが、難しいです。


難しいと考えているのは、102条2項の条文です。


被疑者以外の第三者の身体、物又は住居その他の場所について捜索する場合には、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り許容されます。



甲を被疑者とした場合

■事例1
被疑事実を覚せい剤所持罪、被疑者を甲、捜索場所を甲宅とする捜索差押許可状が発付された。

事例1-1
警察官が踏み込んだ際、甲が隣家へ覚せい剤を投げ込んだ。

この場合、隣家へは、差押えるべき物を現状に回復するために、許可状の執行に必要な処分(222条1項前段、111条1項)として許容されると考えられます。


事例1-2
警察官が踏み込んだ際、同居人乙が覚せい剤を衣服に隠匿した。

この場合、同居人乙は、第三者に当たるが、第三者が隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり、必要性があり、緊急性が認められるには、許可状の効力が及ぶ。
ただ、これを必要な処分とするのか、102条2項によるのかよくわかりません。


事例1-3
警察官が踏み込んだ際、たまたま居合わせた丙が覚せい剤を衣服に隠匿した。

事例1-2と同じだが、同居人でないことに配慮すべき。
ただ、これを必要な処分とするのか、102条2項によるのかよくわかりません。


事例1-4
警察官が捜索中に室内にあったメモには、3軒隣の家に覚せい剤を預けた旨が記載されていた。

事例1-1に似ているが、102条2項の差押えるべき物の存在する蓋然性が必要になるが、3軒隣の家に捜索しに行くことができるかは、疑問。別途許可状が必要な気がする。


事例1-5
甲宅は、マンションの201号室であったが、警察官が捜索中に室内にあったメモには、701号室の乙宅に覚せい剤を預けた旨が記載されていた。

この場合も、差押えるべき物が存在する蓋然性が必要になるが、701号室の乙宅は別途許可状が必要な気がする。



■事例2
被疑事実を覚せい剤所持罪、被疑者を甲、捜索場所を甲が間借りしているK宅2階の甲居室とする捜索差押許可状が発付された。

事例2-1
警察官が踏み込んだ際、甲が甲居室の隣の部屋に覚せい剤を投げ込んだ。

事例1-2と同様、必要な処分として許容される。


事例2-2
警察官が踏み込んだ際、甲がKが覚せい剤を衣服に隠匿し、甲居室の隣の部屋に逃げた。

この場合も事例2-2と同様であるが、第三者たるKの衣服を捜索するためには、102条2項の差押えるべき物の存在する蓋然性が必要である。


事例2-3
警察官が捜索中に甲居室内にあったメモには、K宅1階の部屋に覚せい剤を隠している旨が記載されていた。

102条2項の差押えるべき物の存在する蓋然性が必要である。



102条2項の適用によってどこまで捜索場所が拡張されるのかがよくわかりません。
事例1-4で3軒隣なら不可のように思われますが、隣の家に預けた、なら許容されるようにも考えられますが、この区別の根拠は難しいです。

この場合、いずれもダメだとすれば、102条2項の範囲は、「住居その他の場所」としているのはどう考えるのかが難しいです。
同じ建物だけど、別の部屋ならいいとか?
あるいは、本件の甲宅が捜索場所だったが、差押えるべき物が存在する場所が甲の車の中だったとかでしょうか?



この問題と関連してややこしいのが、220条1項2号の逮捕に伴う捜索差押で、相当説を取った場合です。
この場合、上記事例で同様に考えるのか、もっと限定するのかがよくわかりません。


甲の逮捕令状が発付された。
甲がK宅に逃げたため、警察官はK宅に入って1階居間で逮捕した。
K宅には甲が間借りしている2階居室がある。逮捕に伴う捜索差押として2階居室を捜索できるか?

また、K宅に甲が間借りしていない場合、K宅には甲が預けた金庫がある。
甲を逮捕したことによって、この金庫を逮捕に伴う捜索差押として捜索できるか?


本来、逮捕の現場は、その管理権が及ぶ範囲に限定されます。
上記事例の場合は、K宅であるため、Kの管理権が及ぶ範囲になります。
しかし、K宅2階甲の居室は甲の管理権があり、Kの管理権は無いと考えられます。
しかし、被疑者は甲なのに、甲の居室を捜索できないのは疑問です。



去年の新司法試験の問題で、T社で乙を現行犯逮捕した場合、乙のロッカーを捜索できるか、という問題がありました。
この問題、いまだによくわかりません。