ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

ファイナル答練刑法第1回~第3回

2006年07月31日 00時36分37秒 | 刑法
ファイナル答練刑法第1回~第3回をやりました。

構成要件のあてはめがきちんとできていなかったり、事実の錯誤についての勘違いが露呈しました!!

事実の錯誤について

構成要件的事実の錯誤は故意責任の問題
違法性阻却事由の事実の錯誤は責任の問題
しかし、どちらも事実の錯誤であり、反対動機の形成の機会があったかどうかであり、故意の問題

もっとも、違法性阻却事由の事実の錯誤は事実の錯誤であり、責任故意が阻却される。

故意責任と責任故意は異なるが、錯誤については同じ。

これで良いのかな
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平成18年度刑訴法第1問

2006年07月26日 01時10分43秒 | 刑訴法
時間がなくてきちんと検討していませんが…。

平成18年度刑訴法第1問

「警察官Aは,甲に対する覚せい剤譲渡被疑事件につき,捜索場所を甲の自宅である「Xマンション101号室」,差し押さえるべき物を「取引メモ,電話番号帳,覚せい剤の小分け道具」とする捜索差押許可状を得て,同僚警察官らとともに,甲宅に赴いた。
 玄関ドアを開けた甲に,Aが捜索差押許可状を呈示して室内に入ったところ,その場にいた乙が,テーブル上にあった物をつかみ,それをポケットに入れると,ベランダから外に逃げ出した。これを見たAらは,直ちに乙を追い掛け,甲宅から300メートルほど離れた路上で転倒した乙に追い付いた。Aは,乙に対しポケット内の物を出すように要求したが,乙がこれを拒否したため,その身体を押さえ付けて,ポケット内を探り,覚せい剤粉末が入ったビニール袋を発見した。Aは,乙を覚せい剤所持の現行犯人として逮捕し,その覚せい剤入りビニール袋を差し押さえた。
 以上の警察官の行為は適法か。」


捜索差押の強制執行については適法(令状あり、呈示あり)
現場にいた乙(第三者)がテーブル上の物をポケットに入れて逃走
公務執行妨害罪の現行犯?
これが認められれば現行犯として逮捕可能でも現行犯は苦しいか!?

公務執行妨害罪の保護法益は、円滑な職務執行である。
↓では
暴行は?間接暴行も含まれる。物の持ち逃げは?
保護法益から円滑な職務執行を害しているのは明白。
これで公務執行妨害罪成立もあり!?
↓しかし
令状破棄等のある程度の間接暴行ではなく、物の持ち逃げは暴行とまではいえない。円滑な職務執行を一般的に害するとまではいえないなら認めるべきでない。
↓とすると
本問において、物が何かは明白でない以上、円滑な職務執行を害するとまではいえない。


#公務執行妨害罪が成立しないとするなら、もっと簡単にすべきですね。
乙は円滑な職務執行を妨害しており、公務執行妨害罪が成立するかに思えるが、物の持ち逃げだけでは暴行にあたらず成立しない。


捜索差押において必要な処分にあたるかを検討
まず、範囲の検討(場所人)原則不可
しかし、物の隠匿現認すれば、捜索可
↓次に
移動した場合場所が移動したと同視
場所的、時間的にも近接しており、かつAは追いかけており、捜索の延長といいうる
あとは適当に…
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刑法終了

2006年07月26日 00時24分25秒 | 刑法
やーっと、刑法スタ100が終了しました。7月9日から始めたので3週間弱かかりました。ちょっとかかり過ぎです。

各論からは早かったんですが、総論に時間を掛け過ぎました。

今後の予定
今週末は予定が詰まっているので、
ファイナル答練4回分を来週中にやって
民法8月中にファイナル答練も含め終了。
民訴法と商法の残りのファイナル答練も合わせて終わらせる。

9月は仕事が忙しくなるので、憲法を1ヶ月かけて終了。

10月から択一と下三法を並行してやります。

まとめると
8月民法(含むファイナル答練)、商法、民訴法
9月憲法(含むファイナル答練)
10月下三法+択一過去問

頑張るぞっと
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チョコレート

2006年07月23日 20時06分29秒 | その他
カカオ77%のチョコレートです。
高濃度が最近好みです。
これから食してみます。

※追記
これよりもMary'sの70%の方が美味しかったです。
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学習リモコン

2006年07月23日 01時10分37秒 | その他
学習機能付リモコン買いました。

ソニーのRM-VL501という製品です。

家にはテレビ、ケーブルテレビ、HDD/DVDレコーダー、アンプ、エアコンがあって大変でした。
これを購入して信号を覚えさせたら楽になりました。

ヨドバシで3940円でした。オススメです!
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平成18年度刑法第1問

2006年07月19日 00時23分40秒 | 刑法
平成18年度論文本試験の問題を伊藤塾にありました。

刑法第1問、構成を全面改訂!

長いですね!!

「病院長である医師甲は,その病院に入院中の患者Xの主治医Aから,Xに対する治療方法についての相談を受けた。
 Xに対して恨みをもっていた甲は,特異体質を持つXに特定のある治療薬を投与すれば副作用により死に至ることを知っていたことから,Aをしてその治療薬をXに投与させてXを殺害しようと考えた。そして,甲は,Aが日ごろから研修医乙に患者の検査等をすべて任せて乙からの報告を漫然と信用して投薬を行っていることを知っており,かつ,乙がAの指導方法に不満を募らせていることも知っていたので,AにXの特異体質に気付かせないままその治療薬を投与させるため,乙を仲間に引き入れることにした。
 そこで,甲は,乙に対し,「Xに特異体質があるので,特定のある治療薬を投与すれば,Xは,死に至ることはないが,聴力を失う。」旨うそを言い,Aの治療行為を失敗させることによってAの信用を失わせようと持ち掛けた。すると,乙は,これを承諾し,甲に対し,「AからXの検査を指示されたときは,Aに『Xに特異体質はない。』旨うその報告をする。」と提案し,甲は,これを了承した。
 その上で,甲は,Aに対し,その治療薬を投与してXを治療するよう指示した。そこで,Aは,乙に対し,Xの特異体質の有無について検査するよう指示したが,乙は,Xに対する検査をしないまま,Aに対し,「Xを検査した結果,特異体質はなかった。」旨報告した。
 Aは,本来,自らXの特異体質の有無を確認すべき注意義務があり,もし,AがXの特異体質の有無を自ら確認していれば,Xの特異体質に気付いて副作用により死に至ることを予見し,その投薬をやめることができた。しかし,Aは,実際には,その確認をせず,軽率にも乙の報告を漫然と信用したため,Xの特異体質に気付かないまま,Xに対し,その治療薬を投与してしまった。その結果,Xは,副作用に基づく心不全により死亡した。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。」


病院長甲、医師A、研修医乙、患者Xで、



A←乙の虚偽の報告

X死亡

でした。

甲と乙はXへの傷害罪の共謀あり

乙の罪責は、傷害致死罪の間接正犯
∵乙は、虚偽報告によりAの投薬によるXの聴力を失うことを意図している
∵Aは乙の報告を漫然と信用して投薬することを乙は知っている
∵乙はAの過失行為を故意ある道具として行為支配性あり
∵Aが過失行為を行ったことに実行行為あり(これは不要かも)
 ∵具体的結果発生の危険が発生
∵基本犯は重い結果発生の危険を包含

間接正犯の正犯としての処罰根拠
正犯意思があり、他人の行為を支配して自己の犯罪を実現する点


甲の罪責
Aに対して投薬指示
乙との傷害罪の共謀あり

とすると、Aと乙に対して包括的に間接正犯が成立?

まず、Aに対しては投薬指示をし、Aに注意義務が存在するが、乙の報告を信用し投薬することを知っており、偶然的行為にならないため、間接正犯の実行行為あり。

とすると、甲は正犯意思があり、Aの行為を支配しているといえる。

乙に対しては、傷害の結果発生という虚偽の内容を言い、Xを死亡させる意思あり、乙の傷害罪の意思でAへの報告を行うことを故意ある道具として行為支配性あり。

もっとも、乙とは傷害罪の限度で共謀あり(①謀議あり、②正犯意思あり、③共謀者たる乙が間接正犯の実行行為あり)
そして、共同正犯の結果的加重犯である傷害致死罪の共同正犯。

よって、甲には、Xに対する殺人罪の間接正犯と傷害致死罪の限度で乙と共謀共同正犯

#とりあえず、疲れた頭で考えてみました。
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平成18年度再現答案のリンク

2006年07月19日 00時10分08秒 | その他
http://blog.livedoor.jp/momo_chan2005/
http://ameblo.jp/take2bar/
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片面的共同正犯の疑問

2006年07月18日 23時45分49秒 | 刑法
片面的共同正犯について疑問が湧きました。

もしかして簡単な問題なのかな?


問題
Aが甲を殺害しようと拳銃で狙っていた。
そこに甲に恨みを持つBもAが狙っていることを遠くから知って、同様に甲を拳銃で狙った。
AとB二人が同時に発砲し、甲は死亡したが、どちらの弾丸が当たったかは弾丸が潰れて不明であった。
AはBが狙っていることは知らなかったが、BはAが狙っているのを遠くから知っていた。


疑問
この時、ABどちらの弾丸が甲に当たったか分からないため、因果関係が不明であり、ABともに殺人罪の単独犯は成立しない。
しかし、AB間に意思の連絡無く、片面的共同正犯も否定。

とすると、ABには殺人未遂罪の単独正犯がそれぞれ成立し、甲死亡結果はどちらにも帰責できない。
で終わりなのかなぁ。

何かしっくりこないなぁと。
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ごっくん馬路村

2006年07月17日 23時25分40秒 | 刑法
論文試験二日目受けられた方、お疲れ様でした。
( ^-)_旦~
しばらくゆっくりしてください。


話は変わりますが、写真はゆずの名産地である馬路村のごっくん馬路村というハチミツ入りゆずドリンクです。すっきり爽やかなドリンクでオススメです。
昔懐かしいハチミツレモンによく似ています。
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承継的共同正犯の難問

2006年07月17日 01時27分50秒 | 刑法
論文本試験一日目受けられた方、お疲れ様でした。明日も頑張って下さい。

刑法をやってます。

承継的共同正犯で難しい問題がありました。簡単に答案書いてみます。

平成3年度第1問
「甲は、Aと喧嘩して同人を木刀で殴打しているところに友人乙が通りかかったので加勢を求めたところ、乙は、角材を手にして甲と共にAを殴打した。その結果、Aは、全身打撲の傷害を負い、内臓破裂により死亡したが、死因となった内蔵破裂が乙の加勢後の殴打によるものかどうかは不明である。甲および乙の罪責につき、反対説に言及しながら自説を述べよ。」

甲の罪責
甲は傷害罪の共同正犯成立
傷害致死罪は?
甲の行為と結果において相当因果関係があるか?
乙の加勢前に内臓破裂→因果関係あり→傷害致死罪
乙の加勢後に内臓破裂→共同正犯の結果的加重犯(傷害罪の共同正犯は肯定)から因果関係あり→傷害致死罪
↓よって
相当因果関係あり
∴傷害致死罪が成立


乙の罪責
甲との傷害罪の共同正犯成立
死亡結果は?

承継的共同正犯
一部実行全部責任の原則は、行為者が互いに意思の連絡の下、行為を相互利用補充し合って犯罪の実現を容易にした点に認められる。
↓とすれば、
反対:否定
×相互利用補充関係あっても常に否定は妥当でない
↓よって
後行者が先行者の行為を認識し、先行者と後行者の互いの行為が相互利用補充関係にあれば承継的共同正犯肯定

乙の加勢前に内臓破裂→因果関係なし
乙の加勢後に内臓破裂→因果関係あり
↓で、
どちらであるか不明なら因果関係否定

また、傷害罪の特例(207条)は、意思の連絡ない場合の規定であり、意思の連絡ある場合は共同正犯で処理すべきであるし、傷害致死罪についての規定がない以上認めるべきでない。

∴乙には傷害罪の共同正犯のみ

*******************************
この問題において、最初に疑問に思ったのは、
部分的犯罪共同説を採るならば異なる共同正犯は認めないはずなのに、なぜ甲が結果的加重犯の共同正犯として認められて、乙は基本犯の共同正犯で良いんだ?
ってことです。

しかし、これは、2つに分ければ良いのではと思いました。

すなわち、
①乙の加勢前に内臓破裂した場合
甲は傷害致死罪の単独正犯
乙は傷害罪の単独正犯
で、両者は傷害罪の限度で共同正犯

②乙の加勢後に内臓破裂した場合
甲は傷害致死罪の共同正犯
乙は傷害致死罪の共同正犯
両者は傷害致死罪の共同正犯

で、甲については傷害致死罪の単独正犯あるいは共同正犯が成立する。

これは刑訴法の過去問でもありましたので、このような判決は認められます。

よって、甲は、傷害致死罪の単独正犯又は共同正犯が成立するでよい気がします。

で、乙は、傷害致死については因果関係がみとめられないから、傷害罪の共同正犯に留まると。

で、実際に①か②かは不明であるから、この状態で終了!
甲と乙の共同正犯についての合致は問題にならないと。
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雷と刑法克服(未必の故意)

2006年07月16日 01時10分17秒 | 刑法
今日は、東京地方は雷が凄かったです。2秒に1回光ったり、家の近くで光ったと同時に爆発的な音がしたり、窓がビリビリ揺れていたりと凄かったです。
北朝鮮からの爆撃かと思いました。


刑法をやってます。択一対策との効果が相まって、今まで曖昧なところが片付いてきました。特に未必の故意と過失論の部分です。

今日から試験ですね。来年は絶対受ける予定です。


未必の故意
未必の故意は故意と過失を画する概念

■結果発生の認識+発生しても良いとする認容(認容説)
・結果発生の認識あり、認容もあり=未必の故意
・結果発生の認識あり、認容なし=認識ある過失
×認容という心理状態は不明確

■認識した結果発生の可能性の程度で区別(蓋然性説)
・結果発生の蓋然性を認識=未必の故意
・結果発生の単なる可能性を認識=認識ある過失
×蓋然性と可能性の区別困難
×故意の本質は意思的要素≠認識的要素ではない

■行為者が認識した犯罪事実を自己の行動動機としたか(動機説)
・認識し、自己の行動の動機とした=未必の故意
・認識したが、自己の行動の動機としない=認識ある過失


まとめると、
認容説は認識と認容
蓋然性説は結果発生の可能性
動機説は認識と動機の関係
かな
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誤想過剰防衛の疑問

2006年07月14日 01時19分09秒 | 刑法
誤想過剰防衛についての疑問

誤想過剰防衛の36条2項について

まず、36条2項の根拠として責任減少説
∵緊急状態下において、恐怖・興奮等の心理状態において、相当な防衛行為を期待不可

この場合の過剰性の認識について
C-Bookでは、
過剰性の認識ありなら、誤想過剰防衛として、36条2項適用
↓しかし
36条2項は36条1項を前提としているため、不正の侵害が現実にないならば適用はできず、36条2項の根拠と同様であるから準用だと思います。

また、過剰性自体なく、単なる誤想防衛の場合には、違法性阻却事由の錯誤として故意は阻却されますが、過失あれば過失犯が成立します。
↓とすると
この場合、36条2項の準用なく、過剰性あり認識ある場合に36条2項準用あれば刑の不均衡のため、36条2項準用で任意的減軽のみが妥当


次に過剰性あり認識なしなら故意が阻却されるので、過失あるなら過失犯であり、36条2項適用とあります。
↓しかし
過剰性自体がなく、誤想防衛の場合には、36条2項の適用・準用はなく、過剰性があり認識ない場合には36条2項の準用があれば刑の不均衡のため、36条2項準用でやはり任意的減軽のみが妥当


まとめると、
C-Bookの場合(36条2項を責任減少とする)
誤想防衛(過剰性なし)
故意阻却、過失犯成立可能性

誤想過剰防衛(過剰性の認識あり)
36条2項適用

誤想過剰防衛(過剰性の認識なし)
故意阻却、過失犯成立の場合は、36条2項適用

自説(36条2項を責任減少とする)
誤想防衛(過剰性なし)
故意阻却、過失犯成立可能性

誤想過剰防衛(過剰性の認識あり)
36条2項準用、但し任意的減軽に留めるべき

誤想過剰防衛(過剰性の認識なし)
故意阻却、過失犯成立の場合は、36条2項準用、但し任意的減軽に留めるべき
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刑法平成4年度第1問

2006年07月12日 00時34分29秒 | 刑法
朝は暑くて夜涼しいです。真夏という気分がまだまだしません。
しなくて良いんですけどね


スタ100と異なるので書いておきます。スタ100は乙は殺人未遂罪です。

平成4年度第1問

「甲は、乙に、Aを殺害すれば100万円の報酬を与えると約束した。そこで、乙がAを殺そうとして日本刀で切り付けたところ、Aは、身をかわしたため、通常であれば二週間で治る程度の創傷を負うにとどまったが、血友病であったため、出血が止まらず、死亡するに至った。甲は、Aが血友病であることを知っていたが、乙は知らなかった。甲および乙の罪責について、自説を述べ、併せて反対説を批判せよ。」

答案
乙の罪責
 乙はAに殺意を持って日本刀で切りつけ、結果Aは死亡→殺人罪(199条)か?
 ↓ここで
 乙のきりつけた行為はAが血友病でなければ二週間の傷害
因果関係あるか?
 反対:条件説
 ×処罰範囲広すぎ
 思うに、因果関係は構成要件該当性の問題
構成要件は、社会通念に基づく違法・有責類型
 ↓よって
 条件関係を前提に、当該行為から当該結果発生が社会通念上相当といえるかどうかで判断
 ↓そして
 相当性の判断
 反対:客観説(行為時の客観的全事情+行為後の予見可能な事情を基に、行為後に客観的に判断)
 ×偶然的事情を含むべきでない
 ×処罰範囲が広すぎ
 偶然的事情を除外+行為者の認識した事情を考慮
 ↓よって
 行為時に一般人が認識しえた事情+行為者が認識していた事情を基に、行為時に一般人を基準に判断
 ↓あてはめ
 確かに、一般人も行為者もAの血友病認識ない
 ↓しかし
 乙の日本刀で切りつけた行為は殺人の実行行為で殺意もあり、乙の認識した因果経過と発生した因果経過が異なるのみ
因果関係の錯誤の問題
 ↓
 思うに、故意責任の本質は、犯罪事実を認識し、反対動機の形成があったにもかかわらず、あえて犯罪を実行した点に重い非難があること
 ↓そして
 犯罪事実は、構成要件として類型化
 ↓とすると
 行為者の認識した因果経過と発生した因果経過が構成要件の範囲内なら故意あり
 ↓よって
 乙の行為と結果との因果関係は遮断されず、殺人罪!

甲の罪責
 甲は、乙に殺人を依頼し、血友病も知っており、結果A死亡
→殺人の教唆依頼とAの血友病も知っており、乙の殺人の実行行為から結果A死亡は相当因果関係あり
 ↓よって
 殺人罪の教唆犯(61条1項)
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ファイナル答練刑訴法第4回 刑法平成8年度第1問

2006年07月09日 22時38分05秒 | 刑法
ファイナル答練刑訴法第4回をやりました。

今回のは非常に典型論点の組み合わせ問題で簡単でした。こういうのならば、事例の分析は簡単なんですけどね。


刑法に入りました。1問書いてみました。

刑法平成8年度第1問
「甲及び乙は、友人Aに対して、二人で殴る蹴るの暴行を加え、傷害を負わせた。甲及び乙は、Aを甲のアパートに連れて行き、傷の手当をしていたが、Aが次第に高熱を発し、意識もうろうの状態になったため、Aが死亡するかもしれないと思ったものの発覚を恐れ、放置しておくこととした。しかし、その後、乙は、Aがかわいそうになり甲の外出中にAを近くの病院に運び込み、看護婦に引き渡した。
 ところが、当時、その病院の医師が、たまたま外出中であったため、手遅れとなり、Aは、甲及び乙の暴行による内臓の損傷が原因で死亡してしまった。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ。」

答案
○甲の罪責
・Aに対して傷害を負わせている=傷害罪(204条)
・Aを自宅のアパートに連れ込み放置(=不作為)し、その結果死亡
 ↓
 不作為も実行行為として「殺した」?
 ↓
 実行行為とは、犯罪の結果発生の具体的・現実的危険を有する行為
→不作為でも実現可
 ↓しかし
 不作為は広範で無限定になり、刑法の自由保障機能を害する
 ↓よって
 作為と構成要件的同価値性が認められるかどうか
 ①法益の高度の危険
 ②作為の可能性・容易性
 ③作為義務の存在
 ↓ここで
 ③作為義務は、法律、条理、契約を基に、先行行為、排他的支配の有無等の事情で判断すべき
 ↓あてはめ
 ①Aは傷害を負い、高熱あり=生命の高度の危険
 ②病院に連れて行くことは容易・可能
 ③傷害を加え、条理上救助義務(作為義務)あり=先行行為+排他的支配
→殺人罪の実行行為あり
 ↓さらに
 甲の不作為とA死亡結果発生の因果関係あり(因果関係を遮断する事由なし)
 ↓加えて
 未必的故意(38条1項)あり
 ↓したがって
 甲は殺人罪の罪責も負う

○乙の罪責
・Aに対して傷害を負わせている=傷害罪
・Aを自宅のアパートに連れ込み放置し、死亡結果発生により殺人罪成立
 ↓しかし
 乙は中止行為あり
 ↓もっとも
 結果発生しているため中止犯(43条但書)は成立不可
→準用は?
 ↓
 中止犯による刑の必要的減免は、結果発生防止行為に向けた真摯な行為に責任が減少する点にある
 ×責任減少なら、刑の免除ではなく、犯罪不成立とすべき
 ↓そこで
 褒賞を与えるという政策的観点も考慮すべき
 ↓とすると
 結果発生の場合には褒賞を与える必要なく、中止犯の準用もなし
 ↓したがって
 乙に中止犯の準用なし

○両者の罪責
甲及び乙は、傷害罪と殺人罪の共同正犯(60条)で、傷害罪は殺人罪に吸収
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ファイナル答練刑訴法第3回

2006年07月09日 01時18分35秒 | 刑訴法
ファイナル答練刑訴法第3回をやりました。

今回のは難しい問題でした。事例の中で何を書けばよいのかの取捨選択が要求される問題でした。まだ、こういう問題は慣れてないので、すごく難しく感じます。

きちんと事務処理が必要な感じで、刑法の択一に若干似てると思いました。
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