寒柝(かんたく)の柝とは、拍子木のこと。
「寒柝」とは、その拍子木の小気味良い音のことを言います。
空気が乾燥する「寒」の頃は火事が発生しやすく、またいったん火事
が起こると大火事になりやすい季節です。
特に昔は木造の家が多く、火事になるとあっという間に燃え広がって
しまう危険がありました。
昭和30年代の子供の頃の思い出ですが・・・
冬の夜に各村落毎に小学生達が集まって、拍子木を打ちながら、皆んな
で「火の用心~!マッチ一本火事の元!」と大きな声で村内を回って、
注意を促して回っていた事を思い出しました。。
当時は、村の子供会の行事の一環として行われていたと記憶している。
寒い冬の夜にカンカンと乾いた拍子木の音がよく響いて、みんなで雪道
を踏みしめながら、声を合わせて回ったことを懐かしく想い出す・・・
今ではそんな風習も、とっくの昔に無くなってしまったが・・・
当時の子供達にとっては村の子供達の交流の場でもあり、結構楽しみ
ながら回っていた様な気がする。。
当時の家々には、だいたい囲炉裏があって、薪が燃やされていたので、
火の始末には特に注意が必要だった。
時代は変わっても、暖房器具など火器を取り扱う事の多い季節、お互い
火の始末には十分注意しましょう!
懐かしい古民家の囲炉裏の火。
今では火の用心の夜回りの声や寒柝の音を、近所迷惑で
うるさいと騒音扱いする人もいるらしい・・・
時代が変わったとは言え・・・
なんともせち辛い世の中になったものだと想う。。。