AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

ブレインストーミングのためのメモ

2018年03月20日 | 日本語教育
成人に対する日本語教育、

ゼロから始まり、上級へと、ある程度の流れは明確なんだよな。


年少者に対する日本語教育は、

(パターン①)新規来日で日本語ゼロからスタート。母語の確立もまだ。

(パターン②)新規来日で日本語ゼロからスタート。母語は確立している。


(パターン③)日本生まれ日本育ちで、母語の確立がまだ、日本語の聴き話しは高い能力を示すが、読み書きはその能力に追い付いていない。

  ③-1   いわゆる学習言語に限って、その通り。
  ③-2   生活言語も学習言語も、その通り。

(パターン④)日本生まれ日本育ちで、母語は確立している。日本語の聴き話しは高い能力を示すが、読み書きはその能力に追い付いていない。

  ④-1   いわゆる学習言語に限って、その通り。
  ④-2   生活言語も学習言語も、その通り。

(パターン⑤)日本生まれ日本育ちで、聴き話しも限定された能力で、読み書きもその能力に追い付ていない。

(パターン⑥)新規来日、日本生まれ日本育ちを問わず、年齢相応の日本語能力が身についている。

くらいで、ほぼカバーできるだろうか。



 自分のアイデンティティの確立や、家族関係の確立・維持、ということを考えると、パターン①とパターン③のケースでは、母語教育が重要になってくる。母語教育を、日本の公立学校で行うというのは、実際問題としてかなり難しいだろうな。母国と連携して、オンラインの母語維持教室なんかを準備して、受講は公立学校の施設を利用、というのがいいかもしれないな。スクーリングは、自分の保護者だ。

 パターン②とパターン④では、母語を維持することが重要になっていて、バイリンガルからマルチリンガルへの橋渡しができるような教育ができるといいんだろうな。もう書名も忘れたけど、バイリンガルに育てるには、相手と場所を言語で厳密に分けた方がいい、ということがあった。家族では母語、学校では日本語、または、保護者の一人とは母語、保護者のもう一人とは日本語、という形で対応できる環境が必要なのかな。これは、保護者と教員に対する説明や研修が必要なことかな。あと、その言語を母語としている人たちのコミュニティとの連携も重要になってくるだろうな。

 パターン⑥は、母語と日本語のバランスを見る必要はあっても、まあ、緊急の対応は必要ないだろうなあ。最近はオンラインで、いろんな言語の人と、母語で話す機会もあるし、動画もみられるしね。

 さて、僕が手伝えるところはどこだろう。

 第二言語習得とか、子供の言語発達とか、もっと勉強しなくちゃ、どうしようもないなあ。

 
 ここ数年、初級から中級、中級から上級へと指導するときの配慮、ということを、実例をもって意識化することができてきて、自分なりに楽しんでいるのですが、年少者の指導は、まだまだ読まなくちゃいけないこともたくさん。


 プロジェクトも終わるし、やっと、ゆっくり、買いおいていた本が読めるのかもしれない。


 勉強しよう。





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