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韓国・朝鮮文化研究会 研究例会のお知らせ です。

2005年05月30日 | 学会情報

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韓国・朝鮮文化研究会 研究例会のお知らせ
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 下記の日程で、第17回研究例会を開催します。会員の方も会員でない方も、
 ふるってご参加ください。



・日時:2005年6月4日(土曜日) 午後3時~7時
・会場:東京大学(本郷キャンパス)赤門総合研究棟7階 738号室
   
  最寄り駅:本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線、大江戸線)
  アクセス http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/campus/map/map01.html
  建物位置 http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~korea/map.GIF
   〔赤門前の旧経済学部棟です。738は旧棟側にあります〕


発表者:太田心平 (日本学術振興会特別研究員)
タイトル:表象されなかった「両班」の過去と現在
     ― ある宗家の家族史に見る伝統の創造と知識体系の動態 ―

 本発表では、「両班文化」の表象にどのような士族層の姿が反映されな
かったか、「両班文化」に反映されなかった旧士族層が現在どう生きてい
るかという二点について、京畿道北部のある宗家を事例に論じる。
 韓国の家族・親族論では、「両班」と呼ばれる人々のあり方が大きな論
点となってきた。しかし、そこで取り上げられたのは地方に世居地を持つ
士族層(在地士族層)であり、首都ソウルとその周辺の士族層(在京士族層)
に目が向けられることはなかった。また、儒学が「両班」の生活規範の根
底にあると論じられつつも、そこで言う儒学とはほぼ朱子学のことで、そ
こから距離を置こうとする学派の生活については研究されてこなかった。
 本発表で紹介する家族の状況は、地勢・職業・政治経済などの面で在地
士族層とは異なっていた。また、脱朱子学的な訓戒が伝えられてもきた。
発表の前半では、朝鮮時代のこの家の状況を資料から概観する。
 現在では、社会的言説や学問的知識としての「両班らしさ」が固定化さ
れ、彼(女)らが継承してきた「うちの家らしさ」とは別に存在している。
本発表の後半では、この「両班らしさ」と「うちの家らしさ」の間で錯綜
する彼(女)らの現在を、発表者の現地調査の結果に基づいて論じる。


発表者;安鍾培(東京大学大学院博士課程)
タイトル:大企業ホワイトカラーのキャリア形成 
       ―1989年までの京紡の社員の昇進と昇級を中心に―

本研究の目的は大企業ホワイトカラーのキャリア形成の実態を明らかにすること
である。分析対象企業は韓国の繊維メーカーである京紡である。京紡の被雇用者
数は1989年に2597人である。被雇用者には生産に従事する「従業員」と本社や工
場の事務・管理などを担当する「職員」がある。1989年の職員の数は289人であ
る。職員はさらに「社員」、「女性社員」、「特務社員」に分けられる。本研究
の目的は昇進・昇級からホワイトカラーのキャリア形成の実態を明らかにするこ
とである。すなわち、昇進・昇級することが出来る被雇用者が研究対象である。
京紡で昇進・昇級することが出来るのは「社員」のみである。1989年の社員の人
数は190人である。職員は「社員」と「女性社員」のように性別によって区分さ
れている。したがって本研究の研究対象になる社員とはすべて男性である。
分析対象期間は1989年までである。1989年現在京紡に在籍している190人のすべ
ての社員が分析対象である。社員の入社時期はそれぞれ異なり、出来る限り入社
から勤続とともに昇進・昇級していくことを個人レベルで確認したが、資料の制
約があるため、1975年以前の昇進や昇級については確認できなかった。
京紡の昇進・昇級は勤続年数と相関関係がある。ただし、学歴によって大きな格
差がある。学歴によって異なるが、勤続年数が長くなるにつれ、上位の職位に昇
進・昇級していく。これを年功序列であるというならばそれには2つの条件が必
要である。1つ目は学歴による二重構造が大卒の昇進や昇級を可能にする要因で
あったことと、2つ目は組織が拡大したことで新しく部署が出来たことで昇進・
昇級を可能にしたことである1989年以降については今後分析を進める予定である。

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韓国・朝鮮文化研究会 事務局
 e-mail: askc@fk9.so-net.ne.jp
 宛先:〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院人文系研究科
          韓国朝鮮文化研究室 本田洋研究室内
 ウェブサイト: http://www007.upp.so-net.ne.jp/askc/
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