食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『オリンピックと被災地』

2013年09月08日 17時22分25秒 | 日記

2020年招致のオリンピックは投票の結果、イスタンブールを抑え東京が圧勝した。事

前の下馬評では東京都とマドリードの決選となり、それもかなり接戦になり予断を許さ

ないとのことだった。色々な情報を総合しての予測だろうが、スポーツの場に持ち込ま

れた政治の力に翻弄されたのか、純粋に票が動いたのかは神のみぞ知る。

トルコの人たちは親日家が多いことで知られている。私たちも昨年トルコを旅行し、そう

した人たちと接してきたから、イスタンブールと決選は何となく嫌な気がした。

日本人だから勿論のこと東京を押しているのは当然だが、アジアとヨーロッパの接点と

いう観点から東京よりもイスタンブールの方がいいと思っていた。国内のデモ騒ぎが20

20年まで続くことないだろうが、スポーツの祭典にも国の安定は最低条件ということを求

められた結果に泣いたのだ。東京の懸念は汚染水が及ぼす影響にあった。

国が抱える問題は国の最高責任者による説明なくして懸念を払しょくできるものではな

い。諸外国から懸念の声が上がるのは当然、ここに住む日本人は外の人より何十倍も

懸念している。しかし国の説明でそれを払しょくできず今も、これからも心配し続けなけ

ればならない状況下にいるのだから。

何はともあれ阿部首相は国際公約といってもいいだろう、政府が責任を持ち始末すると

説明したのだから。ただ気になったのは『東京に影響を及ぼさない・・』

こんな意味合いの説明があったことだ。

外国、特にヨーロッパ諸国の原発事故の関心は高く、日常のニュースの中で頻繁にトッ

プクラスの扱いをされている。それほど汚染水処理や放射能漏れに対する関心が高い

のだ。おひざ元の日本は核汚染に対して余りにも鈍感なのか、詳しく新聞を読む人くら

いしか原発の現状を知らないばかりか、過去の事と思っている節もある。捨てられない

汚染水を溜め続けなければならない、この状況をどれくらいの日本人が深刻に受け止

めているのだろうか。

プレゼン後の質問は幾度か原発事故処理に及んだのも関心の高さの表れである。

東日本大震災、原発事故による被害者は未だ元の生活に戻ることすら叶わず闘って

いるから、東京でオリンピックよりも今日・明日の復興が目に見える形にして欲しいのが

最優先課題に違いない。巷では被災地復興を差し置いて五輪招致どころではないだ

ろうとの尤もな意見もある。この意見にも一理はある。

バブル崩壊後の失われた20年、暗いデフレに落ち込み、立ち上がりかけては幾つか

の経済問題でつまずき、再び奈落の底に落ちることを繰り返している内に、留めの大

震災と原発事故に遭った。日本に、久々の明るいニュースだから目出たくないはずは

ない。心から祝うのと同時に、被災地の人の心から離れるようなことがないようにするの

が日本人の務めだと思う。


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