食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『夢追人』

2013年05月27日 18時20分16秒 | 趣味

境水道の鱸 Ⅰ

子供の頃、境港には親戚があり、ある夏に海水浴に連れて行って貰った思い出が

ある。海水浴といえば中海か同じく親戚の川と相場が決まっていたから、本場の海、

境港は今風に言えばトレンディーな海水浴場だった。砂浜で足が届くか届かない

所で下を見ると、砂地に穴が開いており、そこを足で掘ると指先に固い感触がある。

指で挟み貝を採る。

海水スレスレで立っているから、時々、波が寄せると口の中にドバっと入って、その

塩辛いこと。潜って採れば沢山採れただろうが皆、首を立てるようにして貝を掘り、

足の指で採っていた。桜の花が終わりつつじに席を譲ると、もう直ぐ大根島のボタン

が満開になり、境水道のセイゴ、鱸が宍道湖を目指して旅を始める。それは大凡、

梅雨前まで続く。

鱸は出生魚で三十㌢以下をセイゴ、五十㌢クラスをアンザシ(関東ではフッコ)、七十

㌢以上にならないとスズキとは呼んで貰えないが、ここでは総称としてセイゴ、スズキ

と呼ぶ。魚にはその地方特有の名前があり地元の人はローカルネーム、岡山や広島

から来た人は標準的な名前を使うので、遠路の人と直ぐに分かる。

スズキは潮の流れが勝負である。一般的に魚と潮の関係は密接だと言われるが、こ

れほど顕著に現れる魚は珍しい。特に、境水道は中海、宍道湖の出入口になってお

り、満潮、干潮の時は急流の川のように流れ釣りにならない。私は夜釣りを好んだ。出

勤の際、予め車の中に釣り道具一式を準備しておき、退社すればそのまま境水道に

出勤する。潮との関係は後になって知ったことで、それまでは暇さえあれば足繁く通っ

た。境大橋下の岸壁が改築される前、そこは好漁場だった。岸から十五メーターほど

沖合は急に深くなっており、潮目が微妙に変化するポイントがあった。日暮れまでは

浮をつけずブッコミという方法で釣り錘十五号、ハリス五号、針は勿論のことスズキ針

を使う。針から一メ―ター辺りの所に錘をつけ餌が流れに乗り易くしてやると、餌に動

きがついて魚の食欲を増すというものだ。餌は朝鮮ゴカイ(青虫)を四〜五匹を房が

にする、餌を惜しんではいけない、できるだけ元気のいい奴を奮発する。潮の速い時

は直ぐに下流に流されてしまうが深みと浅瀬のポイントの辺りで錘が錨の役目を果たし

止まる。

調子がいいと潮が速い時でも食いつくがやはり潮にははっきりとしている。ググッと手

えを感じたら慌ててはいけない。これからが詰めの肝心な時なのだ。

それから十でも二十でも勘定してから強く合わせればいい。大体は三十〜四十セン

チ位の大きさで占められる。魚は流れに逆らい、時には沿って縦横に糸を走らせ、岸

辺近くで姿を見ることができる。三十センチ程度のものはそのままゴボウ抜きにして吊

りあげる。ブッ込みはあまり好きな方法ではないが日暮れ後の本番に備える余興であ

る。それでも本番前に三〜四本は釣れていた。辺りが暗くなると仕掛けを夜釣り用に

替える。電気浮木を針から一ヒロの所につけて錘は嚙みつぶしの小さなものを使い遠投

する。潮の流れが速いとブッ込み以上の速さで下流に流されてしまう

ので、潮の止まるのを待ち続ける。満潮、干潮は新聞の載っているものから、一時間く

らい後にくる。その変わり目にはあれほど速く流れていた潮が見事に止まり、自然の力

は偉大なものだと思う。潮が緩やかになると絶好期の到来で、遠くに並ぶ精霊流しの

灯りのような電気浮木があちこちで沈み始める。セイゴが食い始めたのである。たくさん

の電気浮木の中にある自分のものだけに目をやっておく、突然に光の残像を残しなが

ら浮木が水中を駆けめぐる。完璧に針を飲込みしっかりと掛かっているが再度、思い切

りよく合わせておく。ブッ込みと違い水面近くにいるので、ここでセイゴの得意芸を披

露してくれる。セイゴのエラは鋭利な刃物のように鋭く針を外す時に手を切ることがし

ばしばある。水面にジャンプしそのエラで糸を切ろうとするのである。

”エラ洗い”と言われる仕草だ。

五月の連休前のある日、いつものように橋の下で鱸を狙っていた。連休前というので続

々とお客さんが集まり 一メーターに一人の間隔になり、狭い場所に四十人ほどがひし

めいた。口コミでこの好場が知れ渡ったのだろう。視界には無数の電気浮木が並び、その

間をめがけて容量よく投げなければ他人の浮木の横、糸の上に投げてしまうとその人が

を巻き上げるまでそこでじっとしていなければならない。一つの浮木が勢いよく吸い込

まれた。


『ハンディー・スキャナーの威力』

2013年05月27日 18時03分54秒 | 日記

メーカーの回し者でも何でもない私がPRするのも変な話だが、年初に入手して以

来、新聞や雑誌などをコピーして保存している。先日来から『夢追人』なる過去の

綴りものを紙からPCに・・・・とやっていたが、スキャナーに付属しているOCRソフト

のことを思い出し、ワード文書に変換を試みた。

少量のものをテストしたことはあるが実用は初めてのことだから、物になるのかどうか

を知る機会になった。その結果、一部の手直しは避けられないものの大半は、正し

く文書化してくれるから、手入力よりは遥かに効率的だ。添付の無料ソフトだから高

いレベルの性能を求めるのは無理だ。ただ、幾つかの問題があり、ソフトの問題なの

か、私のスキャン方法に問題があるのか原因を把握できていない。例えば、ワードに

変換されフォントをMS明朝、12ポイントにしようとしても、明らかに他のフォントなのに

結果は変換されたことになったりする。こうしたものを再度スキャンしてやれば、問題

なく変換できたりするが、考えられる不良原因の傾向が全く分かっていない。

例え不具合があっても、再スキャンで片付きそうなので、hide ScanⅣなるもののパフ

ォーマンスに満足している。


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