食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『招かれざる客、癌が来た時』

2013年05月06日 18時53分22秒 | 日記

過日、リンパ節癌の放射線治療を終え自宅で体力回復中のご仁と立ち話をした。

首にできたグリグリによって影響を受けた視聴神経などの機能低下を防ぐ外科手

術、癌への攻撃のケモラジ。リンパ節癌は他の癌のように臓器がやられるのではな

く身体中、張り巡らされているリンパ腺管の溜桝のような役目をしている所だから、

節を取り除けば癌退治ができると言うものではないらしい。この癌のことを調べてみ

るが、難解なもので簡単に説明がつくものではないから素人記者の報告はなしとす

る。立ち話では癌であることに思いはゼロだったから、大変な驚きだった。医者から

説明を受けたが結局のところその大半は理解不足、私のケースとよく似ていた。つ

まり、病状や治療方法の説明を受けても恐らく『上の空』、本人は必死だから一生懸

命に聞いて理解しようとしているつもりなのだが、結果してそんな感じになってしまっ

ていた。

説明を受けながら医者を信頼して『全てをお任せする』意を強くし、無駄な質問やお願

いはしなかった。一般的に術後に起こる可能性のある症状でQOLがどの程度低下する

のかや、5年生存率などの説明もなされなかったが今更、ジタバタしても何も変わらない

と腹を括り、治療に専念することにした。だから、リンパ癌についてどのような治療法があ

るのか、後遺症はあるか等は一切調べないで闘いに挑んだのだ。

彼もリンパ癌なるものは実態のない癌として捉えていたから、最初の外科治療は付録とし

ても、リンパ節への治療については幾つもの疑問符付で理解しがたいものだった。

ケモラジは予想以上にきつく、口内炎、吐き気、気力低下、起きていても寝ていても、常

気分が悪く、耐えに耐え抜いた。外科手術でQOLの低下は想像しがたい程のものだ

ったから、ケモラジで癌を多少押さえつけることができても、本当に生きる価値があるの

か、そんなギリギリの考えまで頭を過ったりしたと言う。

話を聞くと、癌だと知らされ、または自分で判断したとしても、『癌か』と、病名に負けてし

い最初から『白旗』ではなく、『癌に勝つ』いう意思が最初にあったことは二人とも共通

していた。だから、QOLは低下してしまったが『体力の回復は気力の回復でもある』と元

気よくウォーキングにも精を出している。私の友人、知人など沢山の人が癌になり、多く

人が去っていった。そうした人たちと、癌になった時の細かな話をしたことはなかった

が、共に戦う仲間として、ちょっぴりだったが心の中をさらけ出せた。同病相哀れむは大

嫌いだ。今度、酒でも飲みながら存念を語らい、明日への希望につなげたいものだ。


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