懐かしい『こけらずし』

こけら寿司を作る作業は午前１時から始めます。
朝市の開店準備の７時に合わせて仕上げないといけません。

米を磨ぐ作業から始めますが、
回数を数えながら磨ぎますから二人とも無言です。
酢をあわせ、人参　椎茸など具材を彩りよく並べて、
すし桶から抜く頃になってやっと、少し話が出来ます。

3時半ごろ　ブーンと車が通り過ぎる音。
「誰やろね～　こんなに朝早く」
「誰か大坂から戻ったンやろか？」と、云いながらパック詰めをしていると、
「すみません、こけらずし売ってもらえますか？」とお客さん。
あの３時半の車の人でした。

お話をしているとメンバーのお知り合いの人でした。
三角巾とマスクをしているので分からなかったらしいです。
少し昔話をし、
「また土曜日に帰省して下さいね」（また買いに来て下さい）

「こけらずし」は、故郷を離れた人に子供の頃を思い出させる、懐かしいお寿司です。