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女装子愛好クラブ

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女装小説「アルバイト」5

2025年04月02日 | 女装小説
これまでは第1号に掲載されたものをご紹介しましたが、ここからは第2号に掲載されています。

【5】
 私は女装にすっかり慣れたと言うより、女子学生のアルバイターとしての生活が身に付いてしまったため、男装をしていても女の子と間違えられるほどで、なんとなく大学へも行きにくくなり、もっぱら毎日バイト先のガソリンスタンドに通っていました。
 工藤君はあれ以来も相変わらず私に対する態度は冷淡だし、時には横暴でした。
 私自身の彼に対する恐怖心は小さくはなりましたが、自分の女のように扱われ服従させられ、いつも彼の顔色を伺っていなければならないことが憂鬱でした。

 六月も終わろうというそんな頃、私は西野所長から事務室に呼ばれました。
 「トモヨちゃん、申し訳ないんだが、君は今月で終わりにしてもらいたいんだ」
 私は突然のことでびっくりしました。
 内心ではバイトをやめたいなと思いながら工藤君が恐くて言いだしかねていたのですから喜ぶべきなのですが、突然それを所長から言われたので不意を突かれた気分でした。
 「本社のほうから、夏休みの女子学生のアルバイトが三人も来ることになってしまったのだよ。それでトモヨちやゃんに男の子として働かせるのは無理だし…………そう言うわけなんだ」
 「はい…………わかりました」
 「それで、僕から個人的に君に頼みがあるんだが」
 「はい、何でしょうか」
 「僕は本当の女の子より女らしいトモヨちゃんが大好きなんだが、夏休みの間、僕の息子の家庭教師をやってもらえないかと思って。小学校六年生なんだが、いつも一人で放ったらかしにして可哀相なんだ。勿論バイト代ははずむよ」
 「でも私にできるでしょうか。あんまり自信がありませんけど」
 「大丈夫だよ。優しいお姉さんとしてつき合ってやってほしいんだ」
 「ええっ、今と同じように女としてですか」
 「勿論そうだよ。僕は息子が勉強なんかできなくったっていっこうに構わないと思ってるから、ただ夏休みに君のような優しい人と過ごさせてやりたいだけなんだ」

 思いがけない話に戸惑いながらも、私のような者を馬鹿にしないでいつも優しく思い遣りのある態度で接して
くれている所長に、以前から憧れを抱いていましたので、結局七月から所長の家へ行くことに承知しました。
 お陰と言うか工藤君からは、私の方から好んで辞めることを決めたわけじやないため、恐い顔でにらんでいるだけで文句は言われませんでした。
 三か月のバイト代を貯めてあったので赤井さんにつき合ってもらい、洋服、下着、アクセサリイ、化粧品とた
くさんのものを買いました。
 赤井さんは女性にしてはがっちりとした体型で、性格もさっぱりしているせいかいつもパンツルックでスカー
トをはいているのを見たことがありません。
 そのくせ私にはスカートや少女ルックのサマーワンピースのようなものばかり勧めます。
 「トモヨはお尻が小さいからパンツより少しフレアーなスカートの方が似合うのよ。私が大好きなんだけど自分には着れそうもないのをトモヨに着てもらうんだから、文句を言わないの。さあ早く着てみて」
 「もういいよ、このサイズなら着なくとも合ってるもの」
 「合ってるって誰に」
 私が照れくさがって女言葉を省略しようとするとすぐに見破って意地悪な質問をしてきたり、言い直しをさせ
たりします。
 「私にきまってるでしょう。もう意地悪」
 「だめだめ、きっちり試着をしないと婦人ものは結構サイズがまちまちなの」
 「だって、試着室は混んでるもの」
 それでも渋る私を許してくれず無理矢理、混んだ試着室へ連れて行かれ何度も着替えをさせられました。
 でも二つ年下の赤井さんはまるで年下の妹の面倒を見るように、私を女性に変身させるために真剣に取り組んでくれます。

出所 「インナーTV」1994年第2号


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