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雑感

2008年04月03日 | きのこ ゼミ 情報メール
とある学会でのこと。
ある著名なS大学のK先生のご発表。

「これまでの私の経験から、変わった形のきのこには、変わった成分が含まれていることが多くあります」

それに対する若手研究者からの質問。

「先ほど先生は、変わったきのこには変わった成分があると仰ってましたが、変わった成分があるから変わった形になるんじゃないでしょうか」

・・・・・(--;)。


まだまだきのこは神秘の存在のようです。
こういう会話が学会で普通に成り立つとは・・・。
他の生物、例えば、植物ならこういう会話は成り立たないでしょう。
もちろん、おわかりのように、きのこが特別な存在ではありません。

では、どう考えればいいのでしょうか?

ひとつの考え方を提示します。

まず、「変わった形」のきのこという考え方に問題がありそうです。
「変わった形」とはどういうものでしょうか?
逆に「普通の形」のきのこをイメージしてみて下さい。
柄の上に傘があって、傘の裏にはひだがある、マツタケのような形が「普通の形」としてみましょう。
いわゆる帽菌類と呼ばれていた形です。
これに該当しない形のきのこ、例えば、ラッパタケやホウキタケ、ホコリタケやブナハリタケ、スッポンタケ、さらにはサルノコシカケも全部が「変わった形」のきのこということになるのでしょうか。
これは、個人の先入観あるいは独断と言えます。
「きのことは、傘があってその下に柄のあるものだ」と決めつけた考え方があると、こういう発言になります。
大げさな言い方になるかもしれませんが、「変わった形のきのこ」といういい方をする人は、偏見に固まった人であると言えます。
きのこは、きのこであり、どんな形をしていたとしても、それはきのこなのです。
(ただし、「きのこ」という定義は、別の意味で難しいものですが、ここではそのことは棚に上げておきます)

もひとつ。
「変わった形のきのこ」が「変わった成分」を持っているのか、
「変わった成分」を持っているから「変わった形」になるのか?

どう考えます?

ここでは進化論的な見方を書いてみます。
「変わった形」のきのことは、系統学的に独特のものだと考えてみます。
そうすると、その中に含まれる化学物質は他のきのこには含まれていない物質が見つかることがあるかもしれません。
つまり、「変わった成分」が「変わった形」を規定しているのではなく、系統的に他のきのことは違うから、他のきのこが含んでいない物質を含んでいることがある、のではないでしょうか。

ご意見をいただければ幸いです。<(_ _)>


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