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アリノタイマツプロジェクト

2016年06月25日 | きのこ ゼミ 情報メール
アリノタイマツ(蟻の松明)Multiclavula clara >
                    情報提供者:K.

昨年から,アリノタイマツプロジェクトが始まったそうです.
アリノタイマツは,きのこの図鑑にも載っていますが,
藻類と共生する菌類である”地衣類”の図鑑にも載っています.

地衣類は,菌類と藻類の共生体ですが,
そのほとんどが,子嚢菌類(きのこの中ではチャワンタケ類がその一つ.
顕微鏡で見ると,胞子が袋にいくつかまとまって入っている)です.
しかし,ごくわずかですが,担子菌類(シイタケなど襞があるものや,
キクラゲ,シロソウメンタケなど.顕微鏡で見ると,
胞子が裸で,菌糸からちぎれるタイプ)が共生していることもあり,
この子嚢菌と担子菌の割合の違いが,進化的に何を語りえるのか,
興味は尽きません.

このプロジェクトでは,アリノタイマツの分布を調べていて,
もし見つけたら,連絡ください,とのこと.
今月25日あたりに,発生しているそうですが,
秋まで発生シーズンのようです.
大きさが1~3cmと小さいですから,気に留めていないと,
見逃します.
柔らかくなった岩の上やコケが生えそうな土の上に着目です.
見つけたら,日付と場所を記録して,持ち帰って自然乾燥しておけば,
立派な分布情報になります.

地衣類愛好者は,きのこよりも少ないため,フロンティアいっぱいです.
馴染みのない化学成分も沢山知られています.
地衣類マイスター認定制度もあり,3年間頑張れば,
ちょっとした特技になりますよ.

主催者は,大阪自然史博物館外来研究員の小林好和氏.
詳しくは,HPまで.

アリノタイマツプロジェクト
地衣類ネットワーク