きのこ ゼミ ブログ

きのこ ゼミ の情報を掲載しています

最近の記事から

2015年12月30日 | きのこ ゼミ 情報メール
○冬虫夏草の魅力…大賀祥治
 生物工学会誌 第93巻12号

○化石燃料とキノコ酵素のややこしい関係…阪本 鷹行
 生物工学会誌 第93巻10号

○木材腐朽担子菌のゲノム・ポストゲノム解析から
  植物細胞壁と分解酵素の共進化を考える…堀 千明, 五十嵐 圭日子, 鮫島 正浩
 化学と生物 第53巻6号

○日本の菌類インベントリー研究を充実させるために
  -菌類誌・図鑑・地域研究と博物館-…佐久間大輔,出川洋介
 日本菌学会西日本支部会報 第23号

間違えやすいきのこ?

2015年12月05日 | きのこ情報
とある採集会で,ある研究者らしき人がこんな解説をしていました.

「このウズラタケは白色腐朽菌で,JISの木材腐朽試験にも使われているくらい腐朽力が大きいきのこです」

ん?

JIS(日本工業規格)の木材腐朽試験に規定されているきのこは,白色腐朽菌はカワラタケ(Trametes versicolor)で褐色腐朽菌はオオウズラタケ(Fomitopsis palustris)です.
どうやら,オオウズラタケと勘違いしているようでした.

オオウズラタケは学名からわかるように,ツガサルノコシカケと同属で針葉樹生の褐色腐朽菌です.
一方ウズラタケは学名がPerenniporia ochroleucaといい,ウスキアナタケ属でウスキアナタケやベッコウタケの仲間です.

和名で似た名前だからといってもまったく性質が違う場合もあります.
少しきのこを知ったら,学名も一度確認して性質も調べるようにしましょう.

ちなみに,オオウズラタケは子実体を見る機会はほとんどないのですが,化学と生物 40巻8号(2002)の表紙に子実層托が掲載されています.
これは人工栽培により形成したものです.

http://www.jsbba.or.jp/02/kasei4008.html