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きのこはかわいい少女である『少女系きのこ図鑑』

2012年11月28日 | 面白きのこ情報
きのこはかわいい少女である『少女系きのこ図鑑』

「きのこ」という単語を聞いたら何を連想する?
きっといろんな答えが返ってくると思うんだ。
おいしい。毒が怖い。気持ち悪い。じめじめしている。不気味。そして、かわいい。
どれも正解。きのこと共に人間は生きてきた。だからいろんな感情がある。

その中の「かわいい」を取り出したのが『少女系きのこ図鑑』です。
タイトルだけ聞くと、いわゆる「萌え擬人化」の一環に見えるかもしれませんが、違います。
いや、基本は「きのこをかわいらしく少女に擬人化した本」なので、萌えるんですけどね。でもねー、根っこが違うんですよ。

何が違うってきのこ愛なんですよこの本は。
「きのこ」と聞いてこの作者玉木えみは「かわいい」と感じ、一旦自分の中に取り込み、咀嚼し、少女というフィルターを通してアウトプットしているんです。
だから、この作品集は「きのこの少女化」というより「少女のきのこ化」といったほうがふさわしい。

少女はキノコに添えられるように、優しいタッチで描かれます。水彩画の儚さが、実にきのこらしい。
そうそう、これこれ。きのこって色々な感覚あるけど、「なんか不思議」「異世界的」なんですよ。

たとえばベニテングダケ。
毒キノコとして有名ですね。日本では怖がられる代表格ですが、ヨーロッパではその赤い色と奇妙な外見で、幸福のシンボルだったそうです。
だから、ベニテングダケそのものもかわいらしく描かれているし、少女も小さくやさしく、たくさんのリボンをつけたキュートな存在として描かれている。
なるほど、この作者には、こう見えているのか。

もちろん毒性の強いきのこは、それをきちんと描いています。
ドクササコというきのこは、食べると手足が腫れ上がり、焼け火箸をさしたような痛みが続く恐ろしいきのこ。死にはしないらしいですが地獄ですね。
これを作者はまた見事に描きました。不気味なドクササコの後ろに隠れているのは、和服で足に火箸の刺さった少女。
でも痛そうじゃなくて、むしろ虎視眈々と何かを狙うかのように、ニヤつきながらこちらを見ている。
実はドクササコは食用のカヤタケに似ているんです。
こっちおいでよ、とさそうかのような少女の視線。怖いのにかわいい。

おいしいきのこもいっぱい載っています。
たとえばハナビラタケ。
花びらのかたまりみたいな大きいきのこなんですが、これを「かわいい」と見た場合、そのイラストは華麗なドレスに!
気持ち悪さは一片もありません。1000メートルを越えたところに自生するこのきのこ少女、気品にあふれています。

じゃあ超メジャーな食用きのこ、ナメコは?
これが個人的にツボだったのですが、すごいくらいじめっとした部屋で体育座りしている少女なんですよ。
だぼだぼの上着にスパッツに裸足。顔が隠れるくらいの前髪。
ああ、これナメコだ。こっそりと増殖するよこの子。

他にも普段食卓にあがるものから、全然見たことも聞いたこともないものまでずらりと掲載されています。
「きのこ図鑑」としては不向きです。写真や精密画はほとんど載っていないので、これできのこ狩りに行く事はできません。
あくまでも、玉木えみのフィルタを通したきのこ達。ネットで検索しながら見るのをおすすめします。
多分、読み終えた頃には毒性きのこすらもかわいく見えてくるはず。

そういえば「森ガール」という言葉がありますが、きのこっていわば究極の「森ガール」の頂点ですよ。
生態が謎に包まれていて、森の中でも影でひっそりしていて、しずかに生えていて、独特な形をしていている。
究極の森ガールたちをきのこで表現したらどうなるか、というのを繊細なタッチで表現したような、そんなきのこ図鑑なんです。
きのこがひっそりしているのは、いわば恥じらい。なのに強い自己主張。
きのこ、かわいいなー。

(たまごまご)
Excite ニュース 2012年11月27日 11時00分

少女系きのこ図鑑
 玉木えみ (著), 飯沢耕太郎 (監修)
 出版社: DU BOOKS (2012/11/9)
 ISBN-10: 4925064592
 ISBN-13: 978-4925064590

スギヒラタケ子実体が人工的に発生していた?

2012年11月14日 | 面白きのこ情報
 古い文献を整理していると,気になるデータを見つけました.
 なんと,スギヒラタケ(Pleurocybella porrigens)の子実体がシャーレ上で発生していたようです.

大山 義朗・吉田 敏臣・田口 久治.高速度子実体形成きのこの検索とSchizophyllum commune の栄養条件 : 担子菌における分化の機構(第1報).醗酵工學雑誌 54(3), 131-137, 1976

 この論文を見る限り,スギヒラタケは30日で子実体を形成したとなっています.
 他のきのこと同様の条件で発生したようです.

 スギヒラタケと言えば,何年か前に中毒症状が報告され,多くの研究者が原因物質を特定しようとしてできませんでした.
Wikipedia スギヒラタケ

 人工培養できれば毒性分の特定も容易なのでしょうが,人工的には子実体は発生することが極めて困難です.
 針葉樹材の有効利用として各地の試験場が栽培試験を行っていますが,ほとんど成功していません.
 信用しないわけではないですが,ウスヒラタケと間違ったのでは?,などと思ってしまいます.



 

なめこ栽培キット : 関連本「世界のなめこ図鑑」が累計15万部突破

2012年11月09日 | 面白きのこ情報
なめこ栽培キット : 関連本「世界のなめこ図鑑」が累計15万部突破

 スマートフォン用ゲームアプリ「おさわり探偵 なめこ栽培キット」に登場するキャラクター・なめこの描き下ろしイラストが紹介された関連本「世界のなめこ図鑑」(エンターブレイン)が1日、発売中の通常版(683円)と、特装版(998円、完売)を合わせて発行部数15万部を突破した。エンターブレインによると、アプリの関連本が15万部を突破するのは極めて異例という。

 おさわり探偵 なめこ栽培キットは、11年6月に配信開始した無料アプリ。スマートフォン用ゲームアプリ「おさわり探偵小沢里奈」に登場するキャラクターのなめこを育てて収穫するシンプルさと、不思議で多彩な種類のレアなめこたちが口コミで話題となり、シリーズ累計約2262万ダウンロード(10月30日現在)という人気を集めている。

 世界のなめこ図鑑は、アプリで栽培できるなめこや白なめこ、枯れなめこ、おおなめこ、双子なめこなどを紹介したゲーム上の「なめこ図鑑」をパワーアップさせたもので、描き下ろしも含む128ページの大ボリュームで、キャラクターの描き下ろしイラストと共に魅力を紹介している。7月30日に非売品のラバーストラップ付きで特装版が発売されたが早々に完売し、9月3日に通常版が発売されていた。(毎日新聞デジタル)

肥料となった廃菌床の取引きに一廃許可は不要?

2012年11月07日 | きのこ ゼミ
 新規事業の法律面で行き詰まっておりご相談します。
 Aが排出するきのこ廃菌床をBが買い、バイオマス固形燃料を作る計画を立てました。当県ではきのこ工場から出る廃菌床は事業系一般廃棄物となっており、当市の担当者に相談したところ「たとえ有償で廃菌床を買うとしても廃棄物だから許可が必要。だが一廃の許可は絶対に出さない方針」といわれてしまいました。(県にも相談に行きましたが市町村の判断に委ねるということで回答なし)

 そこで回避策(もちろん法に適ったもの)として、

1.廃菌床の排出事業者(=A)が自ら作ったボカシ肥料をBが有償で購入するのであれば一廃の許可は不要でしょうか。
この肥料は特殊肥料として登録されているもので肥料販売業の届出もされています。トン1万円前後になろうかと思います。

2.毎日7トンの肥料を加熱圧縮加工してバイオマス固形燃料を製造する場合、廃棄物でなければ処理施設として「1日5トン未満処理」の基準に抵触しないと考えて良いでしょうか。

3.Bが下取りとして廃菌床(肥料ではない)を回収する行為には一廃の許可は不要とききましたがもし不要なら、AとBの市町村が異なっていても不要でしょうか。

 この他にも気をつける点、落とし穴がありましたらご教示ください。

○回答はこちら↓
 EICネット 環境Q&A
 

常時点灯可能で動画撮影もバッチリ、アクセサリシューに装着できるLEDライト

2012年11月06日 | カメラ・撮影 などなど
常時点灯可能で動画撮影もバッチリ、アクセサリシューに装着できるLEDライト

 エバーグリーンは23日、写真がグッとプロに近づく一眼カメラ用LEDライト「DN-82386」を、同社直販の通販サイト「上海問屋」で販売開始した。価格は14,999円。

 カメラのフラッシュとは異なり、LEDを常時点灯できるため、連続撮影や動画撮影に便利である。ライトは6,500K(昼白色)のLEDが160個、2,800K(電球色)のLED素子が160個の合計320灯になっており、光量と色温度は調節可能だ。
 光量は0%~100%、色温度は2,800~6,500Kの無段階調節を裏側のダイヤルで調整できる。

 電源は付属のACアダプターを家庭用コンセントに接続して使用する。ACアダプターの代わりにバッテリー電源でも動作できるが、同製品には付属してないので、別途「NP-F750」対応のバッテリーを用意が必要だ。また、アクセサリーシューを搭載しているカメラにライトを固定して使うことができるため、両手が塞がる心配が無いのがありがたい。 本体サイズはD250×W100×H55mm、重量は約350g。  
 付属品はACアダプター、ディフューザー、自由雲台付きアクセサリシュー。

上海問屋
 
光量・色温度可変式 カメラ用LEDライト 320灯
 

大阪自然史博物館 自然史オープンセミナー「菌類生態学講座」

2012年11月02日 | きのこ ゼミ 情報メール
大阪自然史博物館 自然史オープンセミナー「菌類生態学講座」
 
 キノコをはじめとする菌類についての研究というと、培養技術や遺伝子、電子顕微鏡などの設備と専門知識を必要とする研究機関職員でなければできないものだというイメージが一般的かもしれません。けれども、アマチュアだからできる研究課題もたくさんあるはずです。今回の講座は、生態学分野に特に注目して、研究手法の実例を学びます。キノコを見て取るだけで満足しない、次のステップに向けたヒントを実際の研究例に学んでいきます。
 今年は「野外の観察から始まる生物多様性探求」をテーマとして、研究者はふと目に留まったきのこのどういった点が気になり、どう掘り下げて、いかに研究としてまとめていくのか、実際の研究例を交えてお話頂きます。

日時:1月19日(土)午後1時~4時30分頃
場所:自然史博物館 講堂
対象:どなたでも参加できます。
定員:150名(先着順)
お問合せ:植物研究室の佐久間まで
お申込:申込みは不要です。直接集合場所・会場へお越しください。
参加費:無料(ただし、博物館入館料が必要)
【講師】
「変わったキノコに目を留め記録する技術」
   その1:名部みちよ
   その2:斎木達也
「街の地衣類から環境を見る」
   濱田信夫(大阪市立自然史博物館 外来研究員)
「記録を束ねてレッドデータブックをつくる」
   佐久間大輔(大阪市立自然史博物館)