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需要期きのこ打撃 長野北部震度6弱

2014年11月25日 | 大地震
需要期きのこ打撃 長野北部震度6弱

 長野県北部を震源とした最大震度6弱の地震が、年末の最需要期を迎えていたきのこ産地を襲った。JA中野市管内では培養施設にあったエノキタケやブナシメジの培養瓶が倒れるなどの被害が多発。JAは地震災害対策本部を立ち上げ、100人体制で復旧作業と被害の全容把握に急いでいる。

 ブナシメジを栽培する中野市の吉澤正弘さん(42)の施設では、コンテナに入れて積み上げていた20万本のブナシメジの培養瓶が倒れた。23日はJA青壮年部の仲間やJA職員ら15人が朝から駆け付け、傷んだ瓶を除いたり、再びコンテナを積み上げたりする作業に追われた。吉澤さんは、1週間で培養瓶約1万5000本分を出荷する計画だが「当面の販売に大きな影響はなさそうだ」と安どの表情を浮かべた。

 きのこ類だけで2013年度、190億円を販売した国内有数の産地・JA中野市は、地震の発生した22日の深夜から、担当職員が携帯電話もつながらない中、農家の施設を見回るなどして被害状況の把握に努めた。23日夕方の時点で、管内に約60あるエノキタケ、ブナシメジの栽培施設のうち、約20戸の被害を確認。出荷直前の瓶の被害は少なかったという。

 JAは23日朝に、阿藤博文組合長を本部長とする地震災害対策本部をJA本店に設置。24日の作業にはJA職員の他、JA全農長野や行政機関からも応援に加わる予定だという。
JA長野県グループ 対応を協議

 JA長野県グループは23日、緊急時対応事務局会議を開き、各連合会の担当者を集めて対応を協議した。JA長野中央会によると、同日午前中までに被害を確認したのは、5JA(大北、グリーン長野、中野市、ながの、北信州みゆき)。農業被害では、きのこの栽培瓶の倒壊や水田のあぜの崩落などの報告があった。JA直売所の天井が抜けたり、ライスセンターの通気ダクトが外れるなどの被害も出ている。

 震源に近いJA大北では、A・コープ店の天井が崩落したり、商品が倒壊したりし、緊急物資の供給以外は店舗を閉鎖している。JA中野市やJA北信州みゆき管内ではエノキタケやブナシメジの栽培棚が倒れ、瓶が落ちる被害が発生。JA職員が対応に追われた。JAながのやJAグリーン長野では、リンゴの荷崩れが発生している。

 この他、長野厚生連は、県からの要請を受け、災害時派遣医療チーム(D‐MAT)の医師など4人を派遣した。

日本農業新聞

最終更新:11月24日(月)11時57分

マツタケ食えない 野生キノコの放射能、基準超え【福島・いわき発】

2012年12月12日 | 大地震
マツタケ食えない 野生キノコの放射能、基準超え【福島・いわき発】
 J-CASTニュース  2012/12/11 15:17


きのう(12月6日)早朝、夏井川渓谷の無量庵へ車を走らせた。生ごみがバケツにいっぱいになった。無量庵の堆肥枠に生ごみをあける。同時に、菜園から三春ネギを何本か収穫する。冬がきて、甘く、やわらかく、香りのあるネギを食べたくなった。

雨上がりで、地面がぬれている。家を出るころには暗く、ライトをつけての運転だった。小川町・三島の夏井川にハクチョウたちがかたまって休んでいるのがぼんやり見えた。渓谷に入ると、夜が明けた。山霧がたなびいていた(=写真)。

無量庵の対岸の落葉樹はあらかた裸になっていた。カエデが色あせ、葉を落としながらも、なおところどころに残っている。

無量庵の寒暖計は、室温0度。ちょっと早いかなと思いながらも、台所の温水器の水を抜き、洗面台のボックスの中の栓を締めた。繰り返し凍結・破損しているので、今シーズンは早めに手を打った。あとは堆肥枠に生ごみをあけ、三春ネギを5本ばかり掘り起こして、わが家へ直行するだけ――。

玄関から差し込まれていた回覧チラシ(各戸配付)=放射能検査結果=を見る。野菜や米、果物のほかに、野生キノコの線量が載っていた。クロカワ303、コウタケ1019ないし278、ハツタケ1432、マツタケ129ないし48ベクレル。ついでにイノシシ肉は3540ベクレル。

そういえば、前に地元の人と話したとき、マツタケは口にしなかったと言っていた。マツタケとコウタケは高級食菌。料亭などに卸すため、秋にマツタケ採りに専念する人がいる、という話を聞いている。結果的に経済的損失を受けた人もいたに違いない。――渓谷に身を置くと、考え方がたちまち「自然と人間の関係」に切り替わる。

※詳しくはこちら↓
マツタケ食えない 野生キノコの放射能、基準超え【福島・いわき発】

日本菌学会東北支部からのメッセージ

2011年05月23日 | 大地震
被災された東北地方に所在する菌学会東北支部からのメッセージが菌学会ホームページに掲載されています

それを転載しておきます。

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 日本菌学会東北支部の宮嵜厚会長より、日本菌学会に下記の通り協力のお願いが参りました。会員の皆様におかれましては、ぜひ応援をお願い申し上げます。

日本菌学会会長 奥田 徹

             記

 日本菌学会東北支部会の活動は、年1回(通常10月開催)の総会+採集会と会報「つちぐり」の発行です。支部会員はいわゆるアマチュアの方が多く、ネット利用による情報収集は困難であり、現状(4月14日時点)では被災状況は把握できておりません。予断は許されない状況とは思いますが、そろそろ落ち着いてきましたので、郵便等を利用した会員の被災状況の確認は行なう方向で考えています。

 なお石巻にある私の大学は無事だったのが幸いして、現在も避難所(4/28まで)、ボランティアセンター、仮合同庁舎の一部として使われており、校庭はボランティアのテントで一杯になっています。研究室への立ち入りはまだ一カ所のみに制限されており、連日の道路渋滞により通勤に時間を要する状況が続いています。

 さて、副支部長と相談して次の項目を支部の希望として上げたいと思います。
 ご協力いただければ幸いです。

・ 東北・関東で生産され市場に出回っている栽培きのこ類 の放射能汚染に関しては、風評にまどわされず正しい知識・情報を参考にして応援して下さい
・ 東北で日本菌学会のイベントが開催された場合には、ぜひご参加下さい

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 下記のサイトで東北関東地方の栽培きのこの放射能検査について紹介されています。
 前メールではきのこ学会からの要望書も紹介しましたが、風評被害が広まることは東北関東地方の復興の妨げになりますので、積極的にご覧下さい。
http://homepage2.nifty.com/amadeus-tokyo/tohoku/cultivated_mushrooms.htm

菌根菌と放射性物質について

2011年04月28日 | 大地震
菌根研究会のHPに以下のようなコメントが掲載されていましたので、紹介させ
ていただきます。

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菌根菌と放射性物質について

 この度の大地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災に端を発した福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故により、広範囲への放射性物質の拡散が確認されている。影響を受けた地域で生産された野菜等の出荷制限がなされるなど、既に農産物・食品にも広範囲への影響が出始めている。文部科学省が公表している情報からも、今後も予断を許さない状況が続くと思われる。さらに4月4日には放射性物質に汚染された水の海洋放出が開始され、海洋生態系への影響も懸念されている。

 1986年に発生した旧ソビエト連邦(現ウクライナ共和国)のチェルノブイリ原発の炉心火災に伴い大量の放射性物質が広域に飛散した結果、原発周辺のみならず、1000km以上離れたスウェーデンでも深刻な高レベルの土壌放射能汚染を生じた地域があり、それから20年以上を経過した時点でも高濃度の土壌汚染は続いている。放出された放射性核種中でも137Csの半減期は30.2年であることから、現在も継続的な調査研究が行われている(Mascanzoni 2009)。

 きのこ類には137Csをはじめ、放射性物質を蓄積しやすいものがあり、とりわけチェリノブイリ事故の影響を受けた地域で採取されたきのこ類(特に菌根性きのこ)からは、日本の食品衛生法の暫定基準を大幅に超える137Csが検出されて輸入禁止となった例がある。ただし、栽培きのこか野生きのこか、さらに前者では施設栽培か露地栽培かによって、放射能汚染の程度が大きく異なる。そのため、冷静な対応が強く求められる。

 今後、きのこ生産が直面する風評被害を最大限食い止めるとともに、消費者に安全で安心なきのこ類を届けるためには、放射性物質による汚染状況を正確に把握し、科学的に安全な範囲をしっかりと定めていく必要がある。放射性物質のきのこへの影響の把握は緊急を要するため、今回一報として、2008年に公表された過去の知見を集約した情報を提示する(Duff & Ramsey 2008)。今後、最近の情報を追加していく予定である。

 被災地の復興,災害に遭われた方々の1日も早い回復を願います。

○Accumulation of radiocesium by mushrooms in the environment: a literature review
 Duff MC, Ramsey ML (2008) J Environ Radioact 99: 912-932

○文中引用:Long-term transfer of 137Cs from soil to mushrooms in a semi-natural environment
Mascanzoni D (2009) J Radioanal Nucl Chem 282:427-431

※ 参考データとして、Duff & Ramsey 2008より引用したチェルノブイリ事故後にきのこから検出された放射性セシウムのデータ(有志により日本語化されたPDFファイル)も掲載されています。
 見応えのあるデータです。
 http://jmrs.ac.affrc.go.jp/mailinglist/FNC2011/data_table.pdf

日本きのこ学会から厚生労働大臣宛に質問状

2011年04月19日 | 大地震
日本きのこ学会から厚生労働大臣宛に質問状

 4月14日付毎日新聞朝刊に掲載された「シイタケ出荷を停止」の記事中に事実と異なる厚生労働省の見解が示されました。このことに関して、日本きのこ学会は「質問状」を厚生労働大臣に提出いたしました。(2011年04月18日)

厚生労働大臣への質問状の提出について

 『4 月14 日付毎日新聞朝刊に掲載された「シイタケ出荷を停止」の記事中に,きのこの風評被害を助長するような厚生労働省の見解が示されました.このことに関して,日本きのこ学会は下記のような「質問状」を厚生労働大臣に提出いたしました.』

                   記

                       2011 年4 月14 日

厚生労働大臣 細川 律夫 殿

                 質 問 状

                       日本きのこ学会
                       会長 山 中 勝 次

 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます.
 毎日新聞社4 月14 日付朝刊の「シイタケ出荷を停止」の記事中に,シイタケの出荷制限に関する記述と,厚生労働省によるとされるきのこの放射性物質の蓄積に関する記述がありますが,以下の2 点の質問にたいし,4 月25 日までにご回答いただきたくお願い申し上げます.

質問1
 「福島県東部の16 市町村で採れた原木シイタケの出荷停止を指示した」とありますが,これらの対象地域を設定した科学的根拠を明示していただきたい.

質問2
 「厚生労働省によると,キノコ類は放射性物質を蓄積しやすく,チェルノブイリ事故が起きた86 年以降,放射性物質が規準を超えた輸入食品のうち3 分の1 はキノコ類だった」とあります.しかし,チェルノブイリ事故以降,放射性物質濃度が高くなったのは,汚染土壌のミネラルを吸収するポルチーニなどの外生菌根性の野生きのこにおいてであり,野生の木材腐朽菌きのこや腐生性きのこにおいては未検出か極めて低濃度であったことが報告されています(Smith, M.L. et. al., Appllied and Environmental Microbiology, vol.59, 134-139,1993).日本の栽培きのこはすべて木材腐朽菌きのこや腐生性きのこであるのは自明です.
 「放射性物質が基準を超えた輸入食品のうち3 分の1 はキノコ類だった」とありますが,チェルノブイリ事故の影響を受けたヨーロッパからの輸入きのこは,ポルチーニ類(Boletus spp.,ヤマドリタケなど),アンズタケ(Cantharellus cibarius),クロラッパタケ(Craterellus cornucopioides)などで,いずれも野生採取の外生菌根菌であり,栽培きのこは輸入されていません.本来,「基準を超えた輸入食品のうち3 分の1 は栽培きのこではなく,菌根性の野生きのこであった」とするべきでしょう.新聞にあるような厚生労働省の見解では,「すべてのきのこが放射性物質を蓄積しやすく,栽培きのこも放射性物質を蓄積しやすい」と一般の人には誤った解釈を生じさせます.このような誤解を生じる見解は,日本全国のきのこ生産者はもとより,きのこの研究にかかわる研究者にとって,看過できない重大な錯誤といえます.日本の食用きのこの大半が室内で栽培されており,栽培基材には土壌をもちいません.
 厚生労働省は,新聞記事にあるように日本で屋内栽培されているきのこも放射性物質を蓄積しやすいとお考えなのでしょうか.そうであればその根拠を示していただきたいと考えます.また,「チェルノブイリ事故が起きた86 年以降,放射性物質が規準を超えた輸入食品のうち3 分の1 はキノコ類だった」という見解が誤りで,正しくは「3 分の1 は栽培きのこではなく,菌根性の野生きのこであった」と訂正した見解を報道各社に提供する用意がおありでしょうか.

 上記2 つの質問について文書で回答していただきますようお願い申し上げます.
                            以 上


大地震被災者へのお見舞いと無事な方々へのお願い

2011年03月15日 | 大地震
このたびの大地震の被害に遭われた方々に
謹んでお見舞い申し上げます。

被害に遭っていない私たちにできることは、
募金や支援物資の提供です。

募金情報は下記のサイトに詳しく出ていますので、そちらからご覧ください。
平成23年東北地方太平洋沖地震 募金情報まとめ

支援物資を送りたいという方々も多いかと思いますが、輸送経路がまだ確保できていないようなので、情報を待ってから送るようにしましょう。