
長い長い一日を終え
ふいに訪れた 自分時間
最近なかなか行けなかった
でも ずっと 行きたいなと思ってた場所へ
YOSAKOIの 余韻が残る夜の街を
走り抜け 天窓の灯りが 柔らかく溢れる空間
そこは バードモナミ
始めてその扉を開けたのは 確か高校生の時
すぐそばにある 体育館で
当時所属していた 新体操部の
大会前の練習を 終え
こん棒とか リボンとか ボールとか 詰め込んだリュックに
ジャージという 今思えば とんだ田舎の
上京娘みたいな いでたちで
パフェを 食べにいった そうかれこれ もう20年も前
それから社会人になり アフター5の大半を過ごした
マリクレールやELLEを読み
自分の部屋では なかなか聴けない名盤に
耳を傾け マスターの ウィットと知性と
スパイス溢れるトークに
ふむふむと 心でメモをとるような
大人ってこんな感じかしらんって 浸っていたな
失恋した時も 二十歳の誕生日にも そこにいた
大人の入り口 そう そんな場所
今日 マスターと 話していて
最近 感じていた でも 口に出すには気恥ずかしいことを
ぽろりと こぼしてしまった
「この年になって 今更なんですけど
自分というものが なによりも 絶対と 思っていたはずなのに
大切なヒトの 言葉や思想にガツンとやられたり
比べてもどうしようもないのに
そのヒトの存在に ハッとして 私って ダメじゃん!
まだまだじゃん!って 素直に認めることが出来たり
あ~大人になるって こういう事かあ~って
ようやく 最近実感してるんですよね」って
マスター曰く 笑いながら
「決して 遅くないさ 妥当な年齢だよ
だって 世の中の いっぱしの 方々に比べたら
まだまだ ひよっこの部類だろうからね その年代は」
だそうな なんだか その言葉にさえ ハッとする
そして ホッとする 私でした
あの頃 そこへ 訪れる度に
胸に 抱えたモノ 心に 綴っていたコト
喜びや 悲しみ 不安や 迷いを
きっと どんな想いも受け付けてくれる
ポストみたいな その空間に
ポトンと 落としては
誰かに 何処かに
いつか届きますようにと 願っていたのかもしれない
若かりし頃の 青春駆け込み寺
その返事が 誰かにでもなく
何処かへでもなく 私自身に
20年の時を経て 届いてくれた気がする
この街に そして 心の中に
変わらない場所が あることを
とても 嬉しく思う
とても 幸せだなと思う