
朝
目醒める
と
指先
に
不自然
な
煌き
が
ーウロコー
だ
昨夜
釣り魚
を
張り切って
拵えた
名残り
だろう
その後
お風呂には
入っていたけれど
それでも
しがみついていた
らしい
そもそも
古くなった角質
が
繊細なる真皮
を
守るため
の
鎧兜
が
鱗
とは
ー自分の身は自分で守れー
そう
諭されてみた
ような
意識
は
自家発電
なりけり
ただ
其の電力
は
常日頃
どなたか
の
励み
と
なったり
どなたか
の
潤い
と
なったり
そんな
たいそうなコト
では
なくとも
どなたか
の
ヒント
くらい
には
なっている
で
あろうか
と
かくいう
この
書面
も
鱗
なりけり
生きてきた
昨日まで
も
ほんの数秒前まで
も
鱗
なりけり
キラキラ
した
鎧兜
で
今日
も
明日
も
泳ぐ
の
だ
泳ぎ切る
の
だ
向こう岸
は
見えている
いま
すべきコト
も
見透せている