甘いコトバを
舐めさせようとする
オトコは
苦手だ
蜜はオンナの特権
そう
想っているから
~私はあなたの口の悪さが好きだった。
こんな時間に、ここであなたといること
を誰も知らないのだと思うとヨロコビが
体中をぐるぐる駆け巡った。~
川端康成文学賞受賞作
絲山秋子さん著
「袋小路の男」
高校の先輩後輩の
小田切と日向子
お互いの本質と
大切さを
見抜いているのに
痛感しているのに
指さえ触れるコトなく
繋がっていく18年を
何処にでもありそうな話
として
夢みたいな憧れのセカイ
として
あっという間に
呑み込んでいった
日向子が
長い月日の間に
コトバや
体温ではなく
「ばかだな、」
そんな一見
冷たい
でも
親愛ある
コトバで
小田切との
距離を測ったり
保てたりしたのは
ふたりの中に
ふたりにしか
解らない
寄り添うモノが
あったからでは
ないだろうか
むかしむかし
心地よい存在の
オトコトモダチから
「おれたちは
ともだちだから
永遠に別れる
必要はない」
そう
云われたコトを
ふいに
想い出した
その時は
改めて
何言ってるの?!
ともだち。
それを
わざわざ
強調したかったのか・・
そう少しだけ
シラけたけれど
月日がうんと経って
都合よく解釈できる
図々しさを
持ち合わせた
いまなら
永遠に別れる必要はない。
その
確信犯の美学
に
感動しなければ
いけなかったの
かしらん
そう
舌打ち・・
いや
舌を出して
おでこを
パチンと
叩きたい
気分になる
オトコの方が
うんと
繊細で
永遠を
信じている
イキモノ
なのね
自分なりに
色んな情景を
振り返ってみて
わかるコトが
結構
ある
物事には
白と黒しか
ないなんて
嘘っぱちだと
とくに
オトコ
と
オンナ
の
間を
流れる
暖流
と
寒流
の
交わる
その
部分
には
当事者
と
傍観者
の
狭間
に
於いても