磁気物理学研究室の研究活動記

鹿児島大学理学部物理科学科磁性研究と教育活動、周辺での出来事を中心に紹介しています。

磁場中熱分析実験の準備

2011年12月06日 11時57分06秒 | 研究
今朝から、大学院生と卒論生が実験室で
磁場中熱分析の準備をしていた。



熱電対(温度センサー)を2本使い、試料温度と参照物質を熱し、
試料が分解するときの吸熱する温度を調べるものである。

氷が融けて水になるときの温度は常圧ゼロ磁場で約零度Cである。
このとき氷は吸熱して水に変わる。
これを測定するものである。

実は、磁性体は磁場で融ける温度が変わるのである。
K-Labグループは磁場で融ける温度が変わる磁性体の研究を進めており、
この分野では先端を走っていると自負している。
ただ、強磁場が発生できる環境が鹿児島大学理学部物理科学科に無かったので、
東北大学の強磁場センターやアメリカ国立強磁場研究所の磁石を利用してきた。
昨年度、小さいが8テスラの磁場が発生できる無冷媒超伝導磁石を導入した。
これから、このマグネットを利用して卒業研究の実験を行う予定だ。

まずは、取り合いや装置配置の確認。ゼロ磁場での昇温確認。
全てクリアになれば、磁場発生、の段取りです。

下の写真は、熱分析装置を8テスラ無冷媒超伝導磁石に取り付けたところ。
昇温テストをしています。


今年は3名の卒論生がいます。
1名は「強磁場熱分析装置」、
1名は「磁場中高温電気抵抗測定装置」(ブリッジマン単結晶育成炉製作にかわるかも)
もう1名は「強磁場高圧下磁化測定装置」製作としている。

昨夜、「強磁場高圧下磁化測定装置」製作の学生が、
「作業台を壊しました!」を謝りにきていた。
それが下の写真。

実験装置を立てかけるスタンドを製作中、
作業台の固定ハンドルを力入れ過ぎで壊したようだ。
けがしないで何よりだが、「クラッシャーD」と呼ばれないよう、
実験や作業は、大胆かつ慎重に。

最後にもう一つ。
昨日の講義は当初の予想以上に良かった。
(学生のリアクションが予想より良かったの意味。
講義内容ないつも最善を尽くしていて、内容はすごく良いと思っている)

月曜3限の講義(1-2年生向け)で研究者の作法3「Business Cardを作ろう!」を行った。
将来、大学院生、企業での研究技術職など、希望進路に応じて
インターネットで大学や企業を調べ、専門英語、技術英語を調べて
日本語の名刺と、英語のBusiness Cardを作る作業である。
その中には、自分の専門分野のキーワード(物理関係の英語)を必ず入れる。

1)大学4年生の頃の名刺、2)24歳前後の名刺、3)30歳頃の名刺作りが課題です。

学生たちが将来の希望している、70名ほど受講しているが、皆いきいきと名刺を作っていた。
見回りながら指導していたが、皆、立派な自分自身の将来像であった。
テンプレートのK-Lab名を消して、教授になろうと意気込む学生もいた。
これもまたOKである。

今日の名刺の所属や肩書きを忘れず、勉学に励み、夢を叶えてほしい。

K-Labは鹿児島大学で磁気物理学を学び大学院を目指す学生を募集しています。