昨年11月後半、しばらく病院で過ごしていた。
ずっとふせっていたわけでもなかったので
病院内の図書室によくいた。
その図書室から小児病棟への入口が見える。
小児病棟へはほかの子どもたちは入れない。
友だちでも。
兄弟姉妹でも。
本を読む私の耳に聞こえる親子の会話。
「ねぇねぇ、たっちゃん元気にしてた?
この間会った時はたっちできるようになっていたね。
今度会えるのはいつかなぁ。」
「たっちゃん、元気だったよ。
お兄ちゃんに会いたいって言ってた。
こんど調子がよかったら、
このドアの所まで連れてくるね。」
今、思い出しても、泣けてくる。