幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」③
このニーズという言葉の上に「教育的」という言葉がついています。
「教育的」というのは
学校においてその子どもがどんなニーズを持っているかということです。
学校の勉強って,教師が決めます。
それは文部科学省で定められている
学習指導要領というものがあるから。
今の子どもたちには、人として成長するためにはこれだけのことを教える必要があります。
と決められています。
たとえば、習う漢字の数。
小学校1年生では、教育漢字80文字
小学校2年生では、教育漢字160文字
というように。そしてその習う漢字も限定されているのです。
たとえば、小学2年生では
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引羽雲園遠何科夏家歌画回会海絵外角楽活間丸
岩顔汽記帰弓牛魚京強教近兄形計元言原戸古午
後語工公広交光考行高黄合谷国黒今才細作算止
市矢姉思紙寺自時室社弱首秋週春書少場色食心
新親図数西声星晴切雪船線前組走多太体台地池
知茶昼長鳥朝直通弟店点電刀冬当東答頭同道読
内南肉馬売買麦半番父風分聞米歩母方北毎妹万
明鳴毛門夜野友用曜来里理話 (160字)
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以上の160文字です。で小学校6年間で習う漢字は1006文字
こどもたちは大変です。画数、書き順、熟語など繰り返し
学習していく中で、漢字を習得していきます。
でも、ことばとして「夜半」や「強引」などは
生活のなかにない言葉なので、理解はできません。
でも、習った漢字なのです。
学習指導要領の改訂のたびに、この漢字の数は増やされていきました。
2001年改訂
1年-80文字 2年-160文字 3年-200文字 4年-200文字 5年-185文字 6年-115文字
ちなみに、昭和43年 1968年は
1年-46文字 2年-105文字 3年-187文字 4年-205文字 5年-194文字 6年-114文字
計851文字プラス備考に115文字(読めればよい漢字)
これなら、低学年はゆっくり学ぶことができます。
子どもがどれほど漢字に追いまわされているか…
そして1998年の学習指導要領改訂で今の漢字の学年配当数が決まって
2001年の改訂のさいには漢字配当数そのものは変わりませんでしたが、
国語の授業時数は年間34時間減っているのです。
こどもが忙しくなるわけです。
そしてその漢字がマスターできない子どもは
学習障害児?として
その子どものニーズにあった教育が必要といわれるのです。(つづく)