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  Inclusive・Hearts いま、ここから。

特別支援教育って何だろう⑨

2006-01-31 17:03:38 | ともに生きる
幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」⑥

そろそろ「教育的ニーズ」から離れたいのだけれど。

要は子どもが何を求めているか。
を子どもの視点からみることが大切。

「特別な教育的ニーズ」と言われることもある。

特別でなくていいから、
当たり前に過ごすための支援があればいい。
歩きにくかったら、歩きやすいように、
話しにくかったら、話しやすいように、
そんな子どもが求めるニーズをみつめていきたい。

特別支援教育って何だろう?⑧

2006-01-30 11:07:08 | ともに生きる
幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」⑤

ニーズと言う言葉へのこだわりは
前回お話しましたが、
さらに続きます。

今、幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」に対して
「適切な指導と支援」を行うと言われていますが、
「それっていったいなんなん?」と思っています。
具体的な記述が全然ないのです。

その教育の実際を決めるのが
「個別支援計画」に基いて「個別指導計画」を立てて
長期目標・短期目標を決めて、実際の教育の展開があるとされています。

子どもが、まわりの子どもと人間関係がうまく作れないとき、
その子にどんなニーズがあるでしょう?
「個別の指導計画」で解決できますか?

子どもが元気がないとき、
なぜ元気がないのか、なぜ勉強する気にならないのか、
その子のせいですか?
ひょっとしたら、その子の家では、父さんと母さんが毎日けんかしてるかもしれません。
父さんはリストラにあって、
経済状態が非常に厳しくなっているかもしれません。
ひょっとしたら、だれかにいじめられてるかもしれません。
それを、意欲がない。集中していない。
という理由で、個別に教育することで解決できますか?

またまた話は飛んでいますが、まだ続きます。

特別支援教育って何だろう?⑦

2006-01-29 22:57:56 | ともに生きる
幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」④

なかなか前へは進めませんが、
一つ一つ、丁寧に考えていきたいのでお許しを。

きのうは「教育的ニーズ」にこだわっていましたが、
ほんとうに普段の授業では
「子どものニーズ」という視点で考えたことがありません。
そもそも「ニーズ」ということばになじみがないのかもしれません。

「ニーズ」ですんなり入ってくるのは、
「お客様のニーズにおこたえして、さまざまなサービスを
提供させていただきます。」
というような旅行会社のパンフレットや
「市民のニーズにこたえる地方行政を」
というようなうたい文句のときです。

「本校では、お子様の一人一人のニーズに応じた教育を
ご用意させていただいております。
担当は教職暦30年のベテランの教師です。
えっ、若い教師をお望みですか?
それなら、こちらのTなどはいかがでしょうか。
経験は浅いですが、指導力抜群です!」

となるんでしょうか? 
なんか書いていて
星新一のショートショートを思い出しました。
(つづく)

みたけの沢

2006-01-29 00:27:49 | けしき
phot by To

いつか私もここに来る。

せせらぎの音が聞こえてきます。

空の気配に春の足音が聞こえてきます。

静かな時間をすごしているといろんな音が聞こえます。

ゆっくりでいい。そんなにあわてて歳をとらなくてもいいと思います。

でも一方で、今できることは、なんでもしておかなければならないとも思います。

特別支援教育って何だろう?⑥

2006-01-28 11:48:21 | ともに生きる
幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」③

このニーズという言葉の上に「教育的」という言葉がついています。

「教育的」というのは
学校においてその子どもがどんなニーズを持っているかということです。

学校の勉強って,教師が決めます。
それは文部科学省で定められている学習指導要領というものがあるから。

今の子どもたちには、人として成長するためにはこれだけのことを教える必要があります。
と決められています。

たとえば、習う漢字の数。

小学校1年生では、教育漢字80文字
小学校2年生では、教育漢字160文字

というように。そしてその習う漢字も限定されているのです。

たとえば、小学2年生では

*****************************************
引羽雲園遠何科夏家歌画回会海絵外角楽活間丸
岩顔汽記帰弓牛魚京強教近兄形計元言原戸古午
後語工公広交光考行高黄合谷国黒今才細作算止
市矢姉思紙寺自時室社弱首秋週春書少場色食心
新親図数西声星晴切雪船線前組走多太体台地池
知茶昼長鳥朝直通弟店点電刀冬当東答頭同道読
内南肉馬売買麦半番父風分聞米歩母方北毎妹万
明鳴毛門夜野友用曜来里理話 (160字)
******************************************
以上の160文字です。で小学校6年間で習う漢字は1006文字

こどもたちは大変です。画数、書き順、熟語など繰り返し
学習していく中で、漢字を習得していきます。

でも、ことばとして「夜半」や「強引」などは
生活のなかにない言葉なので、理解はできません。
でも、習った漢字なのです。

学習指導要領の改訂のたびに、この漢字の数は増やされていきました。

2001年改訂 
1年-80文字 2年-160文字 3年-200文字 4年-200文字 5年-185文字 6年-115文字

ちなみに、昭和43年 1968年は
1年-46文字 2年-105文字 3年-187文字 4年-205文字 5年-194文字 6年-114文字
計851文字プラス備考に115文字(読めればよい漢字)
これなら、低学年はゆっくり学ぶことができます。

子どもがどれほど漢字に追いまわされているか…

そして1998年の学習指導要領改訂で今の漢字の学年配当数が決まって
2001年の改訂のさいには漢字配当数そのものは変わりませんでしたが、
国語の授業時数は年間34時間減っているのです。

こどもが忙しくなるわけです。

そしてその漢字がマスターできない子どもは
学習障害児?として
その子どものニーズにあった教育が必要といわれるのです。(つづく)




「プレゼント」

2006-01-27 23:30:13 | なんとなく私
ボクと出会ったすべての人へ…

「ボクだって、みんなといっしょにやりたいよ」
手足のない少年、ユウタの涙に6年3組の仲間たちは?
乙武くんが自らの体験をもとに綴った爽やかなストーリー。」
と本の帯に書かれてる。

この物語の主人公は、ユウタ
ではなく
そのまわりの人たちだという。
ユウタのまわりの先生や友だち。
ユウタはとくべつではなく、なかまのひとり。
だからけんかだってする。

「からだの不自由な子は、車いすという理由だけで、
みなさんとは違う学校にいかなければならなかったり、
いっしょの学校だとしても、
特別な目で見られたりしてしまいます。
ぼくはとても悲しいことだと思っています。
車いすにのる子どもたちが、あたりまえのように学校にいる。
そうなることをねがい、この本を書きました。」と乙武さん。

前に「障害」のある仲間と共に歩む豊中若者の集いで
中学生たちが、「障害のある友だちのために体育大会などで
特別ルールは必要か」って
議論していたことを思い出した。

特別ルールではなく、当たり前に過ごしたいという願いが
いっぱいこもった絵本だった。


特別支援教育 って何だろう?⑤

2006-01-27 17:16:03 | ともに生きる
幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」②

「ニーズ」ということばは微妙です。

「ニード」・・・つまり必要とすること・要求
だから、必要とすることたち・要求の数々です。

一人ひとりの子どものニーズは、それぞれ違います。
その子どもがどうしたいと思っているかによってもニーズはかわります。

内気な子は、自分が主張できなくて、
主張できない自分を責めたり、何とかして自己主張したいと願ってたりします。
子どもによるけれど、そんな子どもには、
「主張できなくても、しっかりと自分の意見をもっていること」を誇りに思うようなそんな話をしたりします。
でも、あるとき、どうしてもそうしたいとき、
またはどうしてもそうしたくないことにぶつかったとき、
その子は主張し始めることもあります。
主張することが、相手に受け止められることがわかったら、
だんだん主張することができるようになったりします。
自分に自信が持てるようになったら、
何もいわなくてもどんどん主張し始めます。
あまり多くを語らない子どもは、その分、しっかり見て、
物事の本質を捉えていることが多かったです。
その子が自分が出せるきっかけがあればいいと思います。

もっとも、あまり「ニーズ」という言葉で考えたことはありません。
「どうすれば、その子が自分に自信をもつことができるか、
どうすればその子の力が発揮できるか」を考えると言ったほうがピンと来ます。
(ニーズについて つづく)

特別支援教育 って何だろう?④

2006-01-26 20:01:57 | ともに生きる
幼児・児童・生徒の「一人一人の教育的ニーズ」①

この特別支援教育では、この語が、頻繁に使われている。

特殊教育と特別支援教育の違いが、この語を使用することで説明されている。

特殊教育・・・・・障害の種類と程度にあった教育でその「障害の軽減と克服」が教育目標である。
それに対して
特別支援教育・・・一人一人の教育的ニーズにふさわしい教育で「自立と社会参加」が大きな教育目標である。

ということで、大きな発想の転換があるという。

使われている言葉は、ノーマライゼーション・インクルーシヴ教育と
昨今の世界の情勢を視野に入れていることは確かである。

しかし、その具体的な記述は1行もなく、専門的な指導・医療など専門機関との連携が繰り返し述べられている。(つづく)

特別支援教育って何だろう?③

2006-01-25 12:31:41 | ともに生きる
前回の「幼児・児童・生徒一人ひとりのニーズに応じた教育」の続きです。

この「幼児」が入ってきた背景に、「日本の教育改革」全体の戦略があります。
2006年1月17日に文部科学省から発表された「教育改革のための重点行動計画」の「具体的なスケジュール」において
4つの戦略が示されている。
戦略1「教育の目標を明確にして結果を検証し質を保証する」の中で
幼児教育と特別支援教育は4つの大きな柱のうちの2つです。


小1プロブレムをはじめとする子どもの問題の低年齢化。
人間力強化の必要性。

そして、子どもを育てる家庭もまた、問題にされます。
厳しいしつけの必要性、家庭生活の充実。
「早寝・早起き・朝ごはん」を標語にして、子育てをしっかりしなさいって。

「国際社会で活躍できる心豊かでたくましい子どもの育成」が
その目標です。

教育は、「国威発揚」のための大事な手段なのです。
(小坂文部大臣就任演説より)

文部科学省のHPに行ってみて下さい。

国家戦略としての教育の姿がよく見えます。