何年もの間、クルディスタン南部(イラク国家実効支配地域クルディスタン)、欧州や地球上のその他地域における我々アナキストと叛権威・叛権力主義者の総ての印刷物やスローガンは、言うまでもなく地球上総ての場やコミュニティにおける自主管理であり、叛国家であった。
我々は、クルディスタン南部を牛耳るクルディスタン自治政府(KRG)とその最近(2017年9月25日)の”クルド国家独立”を問う住民投票とやらの描くシナリオに対峙する声をあげた。
我々は、アラブ人・トルコ人・アッシリア人などのアナキストたちも同様の態度であったことを確信している。我々はまた、叛国家・叛権力・叛ファシストを叫び、ファシストや国家主義者そして国家主義者どもの戦争に対峙している地球上総てのアナキスト同志たちも同じ態度であったことを信じている。
イラク国家実効支配地域クルディスタン(クルディスタン南部=Bashur)は、2015年10月以来、かなりの困難な日々を経てきた。公務労働者の賃金は半額にされてきたし、多くの失業者は格段に増加し、総ての物価が上昇し、住民の仕事や公共業務は劇的に切り捨てられた。
それら総ては、I$I$との戦争によって倍加し、KRGとイラク中央政府の間の予算をめぐる揉め事や、キルクークなどの都市や地域における実効支配権をめぐる係争を更に生んだ。
この数年間の間に、数多のデモやストライキ、職場でのボイコットが起こった。それらの幾つかは数週間どころか数カ月にも及んで取り組まれた。それらの問題群を解決するのを棚に上げ、KRGは、2017年9月25日に勝手に設定した”クルド国家”を見据えたクルディスタン南部独立の是非を問う住民投票の告知を2カ月前の7月に行うことで、目の前の数多の問題からKRG実効支配地域住民の関心をそらそうとした。
むろん、KRGの首領を標榜するMasoud Barzani(マスード・バルザニ=クルド民主党党首)は、イラク国家やイラン国家・トルコ国家など周辺国家、そして欧米国家群への相談もなく独立の是非を問う住民投票日を設定したのである。バルザニが住民投票を呼び掛けるや否や、それら諸国家群は当然ながら強い懸念や拒絶を示し、バルザニに(今後)如何なる支援も支持もないぞと告げた。
9月25日(住民投票日)以降、イラク国家・イラン国家・トルコ国家は(KRGが最も窮迫するだろう)経済制裁で対応し、KRGを寄って集って脅し付けた。イラク国家中央政府は、KRGに独立の是非を問う住民投票の結果提示を取り下げるよう凄み、如何なる決定を行うにもイラク国家憲法下に戻るよう凄んだ。
イラク国家首相Haider al-Abadi(ハイダル・アバディ)はバルザニに、住民投票結果を取り下げなければ、イラク国家が、今一応KRG実効支配という事になっているキルクーク県の油井群の実効支配権を奪い取るという警告を行った。
この文面作成の3日前、イラク国家中央政府は性能に勝る重火器群や戦車、武装装甲車両群を多く擁する警察・軍、そしてシーア派を主とするHishdi Shaibe(民兵組織。大衆動員部隊。旧イラク軍軍歴者を多く擁する)を大量派兵してキルクーク市に近い(KRG側の)拠点群を獲るために進攻させた。
内戦は、10月15日現在、KRGのペシュメルガ部隊と上記のイラク政府軍などで構成された侵攻部隊(軍・警察部隊は後詰、大衆動員部隊が先陣)との間でかなり差し迫ったものとなっている。
我々は、この戦争に対する声明を発する事、この戦争への憤怒を示す事やイラク国家実効支配地域住民(特にシンジャール山地周辺地域を含むクルディスタン南部地域)への連帯行動による、我がアナキスト同志個々人からの支援・支持を要請している。
我々は、我々自身が現行の政治体制に対峙する故に叛国家の立場である。我々は我々自身が、階層的優越や持て余すほどの私有財産を更に増やす事、労働者への奴隷労働を当然とする動きや個々人に対峙するが故に、右翼から左翼に至るまでの如何なる政党にも対峙し、叛権力主義思想である。
歴史上の総ての戦争は、階層的優越や私有財産の防衛、そして労働者への奴隷労働を当然とする動き=支配統治する個々人のワガママ勝手などのために起こってきた。
我々は、そういった理由による戦争や異なる文化間や異なる少数民族間における戦争に、そしてそれをけしかけて利を得る個々人に、そして武器やそれを製造させる個々人に対峙する。
戦争とは、概して死と隷属・隷従を生み出すものである。如何なる戦争の結果も社会革命の始まりを支え援ける事はなく、戦争は実際に革命の気運を損壊し弱体化させる事になる。また、戦争は武器売買のとてつもなく大きな市場をその売買で潤う個々人に開帳させ、躊躇いもなく環境を破壊する。そしてまた、戦争は窮迫する個々人を一層窮迫のどん底に落としこみ、階層的優越を謳歌する個々人やその都合による総てのシステムを恒久化する。
我々が戦争に対峙する時、我々自身は我々自身が協同性や共働などの中に生きる総ての場で自主管理を行う幸を一層多く持つ可能性を持つことが出来る。我々はまた、如何なる国家のあるところにも自由など存在しえず、如何なる政党のあるところにも自ら思考する事や個人の独立性など存在しえず、そして如何なる労働させられる個々人とその一応の対価とやらのあるところにも、奴隷的対価(賃金)と不当な利用に遭う個々人が存在することに気付いている。
イラク国家実効支配地域内クルディスタン(=クルディスタン南部)には、過去26年間もの期間、暴虐で強固な権力(機構)が存在し、権力を有したブルジョアが存在した。過去26年間もの期間、クルディスタン南部の住民は本当の自由や自身の事を自身が決めるという自決権を奪われてきた。長期にわたり、支配する個々人とその支配機構は種々の公共サービスにおいてもクルディスタン南部住民には、ほんの少しを供与するのみであった。
支配機構は、クルディスタン南部住民に”田舎には暮らしをマシにするにはロクな仕事が無いから”と、郊外もしくは田舎から町や都会へ行き、支配する個々人や支配機構のための利益のために職場群や多国籍採油収奪企業群に沢山の雇用契約をつくれとそそのかし、そうして過疎にさせた郊外や田舎にある多くの住民の利益に供すべき総ての場などありとあらゆるものを奪い売りとばした。
約めれば、クルディスタン南部は多くの多国籍企業、金融機関やイラン国家・トルコ国家・シリア国家のような近隣国家群やその他国家のスパイ網の安住の場となってしまった。以来、それらがしたい事は何でも、自らの出身国家であるかのようにワガママ勝手にふるまった。故に、支配する個々人やそのご都合のための支配機構が”自分たちの””独立国家”を設える時に、何故それらに我々が何か違った事を望んだり、その事が住民の現在現実としているものよりマシになると考えねばならないのか?…ということになる。
我々は、この戦争を妨げるための我々との連帯と支援を、総ての我が同志個々人に要請する。あなた方のイラク国家実効支配地域における軍事的で国家主義的な戦争への対峙は、何ら効果的でないと思われるかもしれないが、我々にとっては、あなた方の連帯(行動)は大層歓迎すべきものである。
返す返す、我々は、地球上の総てのアナキスト同志個々人、特にアラブ語・ペルシャ語・トルコ語・アッシリア語話者の同志個々人に、イラク国家実効支配地域やその内国植民地であるクルディスタン南部の窮迫した住民や労働者階層に何の益ももたらさない、この悪辣で執拗な戦争を止めさせるよう行動するか声を上げていただくよう、呼びかける。
クルディスタン南部で起こっている事態に沈黙することや何ら重大ではないように扱う事は、直接的であろうと無かろうと何れ劣らぬ悪辣さの政治屋個々人や大企業、そして卑劣で悪辣な資本主義システムを喜ばせることになる。我々は故に、選択の余地なく支配する個々人とそのご都合に奉仕する権力機構やその振る舞い、その戦争行為に対峙して闘う。
我々はまた、我々と共に地球上総ての場の他のアナキスト同志個々人が断固としてイラク国家実効支配地域内の老若男女、特に子供や老人、障害者を支援するために起つことも要請したい。