大阪市東部、府東部のいくつかの野宿の仲間たちの居る場を、昨日は夕方前からたずねた。市東部の某公園付近では幾分か風が肌寒さと金木犀の香を何処からともなく運んできていた。その傍らでは夕方の街の辻辻に潜む当該地区管轄警察の「ひったくり」検問が行われていた。10月に入り、「ひったくり」取り締まり強化を名目に東部の各所でこういう状況が目立っており、若者はもちろん、野宿の仲間たちも頻繁に辻辻で止められているのに出会う。「何らかの別の目的」も兼ねての一大キャンペーンであることは予想に難しくない。ともかく、公園ではバーベキューに興じる数群がやたら目立っていたが、その中に顔見知りの野宿の仲間がポツリとベンチにいたので声をかけた。「今日はアホどもが餌をほかしていきやがるから、ゴミ片づけして缶ももらうわ」と、バーベキューの群れを見ながら言い、笑った。「昨日、餌でとったお好み焼きがあるから、食べて行きや、どうせ今日も色々動き回るんやろう…」と数枚のお好み焼きを容器に入れてくれたので、遠慮なくいただいた。ソースも無く、温かくもないがうまい。全部平らげてから色々と今後の話をし、話が弾むうちに暗くなってきたので、釜ヶ崎に向かった。用事を済ますと、再び府東部へ。生駒方面から吹く冷たい風のせいか市内以上に肌寒い某所の路傍で幾人かの顔見知りの野宿の仲間の近況を聞く。厳しい状況下だが、とりあえずは元気なようだ。別の路傍で顔見知りの野宿の仲間の仕事の相談に乗った。以前からその話をしていた彼は随分乗り気で今週にも連絡をとり、仕事に行く決心をしたようだった。全ては本人の意志で進んでいる。筆者はそれをあくまでもそれを見守るだけだ…時に必要だといわれれば可能な範囲で相談に乗るようにしながら。ここでも話ははずみ、気がつけば0時過ぎ。さて、帰ろうかと道を行くと、前から顔見知りの野宿の仲間が… こうして、時は過ぎ、丑三つ時過ぎ。深呼吸をして仰ぎ見た空にもう、オリオンが。冬は確実に近づいている。路傍の仲間たちの冬支度は既に始まっている…