昨日、いただいた花束はこちらです。なんて素敵。大好きな花のアレンジ。
式場の花はこちらです。担当者の自宅の庭にあるねこ柳と椿。それから大好きな季節の花でアレンジしました。
・・・とここで気が付きました。どちらにも共通の花・・。ストック、またの名を「アラセイトウ」と言います。
新川和江さんの「私を束ねないで」という詩に登場します。大好きな詩のひとつです。
最近思います。勧学院を「高齢者」「シニア」というくくりで束ねられたくない・・・・以下に引用します。
わたしを束ねないで
新川和江
わたしを束(たば)ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱(ねぎ)のように
束ねないでください わたしは稲穂(いなほ)
秋 大地が胸を焦がす
見渡すかぎりの金色(こんじき)の稲穂
わたしを止めないで
標本箱の昆虫のように
高原からきた絵葉書のように
止めないでください わたしは羽撃(はばた)き
こやみなく空のひろさをかいさぐっている
目には見えないつばさの音
わたしを注(つ)がないで
日常性に薄められた牛乳のように
ぬるい酒のように
注がないでください わたしは海
夜 とほうもなく満ちてくる
苦い潮(うしお) ふちのない水
わたしを名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
座りきりにさせないでください わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風
わたしを区切らないで
,(コンマ)や . (ピリオド)いくつかの段落
そしておしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください わたしは終りのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩
―詩集『比喩でなく』