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241022 中国は世界をどのように見ているのか?②

2010年11月21日 | アメリカ:闇の支配勢力と略奪闘争
241022 中国は世界をどのように見ているのか?②
 
猛獣王S HP ( 不惑 営業 ) 10/11/20 PM07 【印刷用へ
241021の続きです。
『いよいよ第7の日に突入2 LEAP/E2020の最新報告書と中国の世界の見方』(ヤスの備忘録 歴史と予言のあいだ)リンクより転載します。
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●中国空軍大佐、ダイ・ズーの描く戦略

最後に、軍事戦略の立案者の論文を見て見よう。中国空軍大佐でタカ派の著名な論客にダイ・ズーがいる。日本ではまったく報じられることはないが、海外では頻繁に紹介される人物だ。中国国内でも、彼の構想する軍事戦略は「人民日報」はじめ多くのメディアで取り上げられている。以下である。

明らかにアメリカは中国を封じ込める政策を基本としている。まず海上の封じ込めだが、それは日本から始まり、台湾を経由して南シナ海に至る領域である。アメリカは、中国をこの領域の内部に封じ込めるつもりだ。

そしてインドからパキスタンを経由して北上し、中国を取り囲む陸上の領域が存在する。これは中国を陸上で封じ込める領域である。事実、陸上のこの線にしたがってアメリカ軍はミサイル基地を配置している。

これらをC型包囲網と呼ぶ。

いまアメリカはアフガニスタンに長期に駐留し、パキスタンでも作戦を展開している。アメリカ軍がアフガニスタンやパキスタンに展開しなければならない理由ははっきりしていない。本国でも疑念が出てきている。

しかしこの理由は明白だ。2009年5月にアメリカで発表された報告書では、中国が港湾施設を建設したパキスタンのグワダル港に、中国が進出することを阻止し、中国が必要とする天然ガスをイランから手に入れることを阻むためである。タリバンとの戦いは名目にすぎない。アメリカがアフガンとパキスタンに長期駐留する本当の理由は、中国を封じ込めることにある。

1999年、アメリカの著名な戦略シンクタンクであるランド研究所は、当時のクリントン政権に対して中国を封じ込める戦略の提案を行った。中国への対応は次の3つの段階に分けて行うとするものだ。

はじめに、アメリカは西欧のイデオロギー(民主主義)を中国国内で宣揚し、中国を政治的に分裂した状態におく。これで中国は経済的に強大になるが、周辺地域への脅威ではなくなる。

第一の段階がうまく行かなければ第二段階に進む。それは、中国を周辺のアメリカの同盟国で封じ込めてしまうことだ。

もしこれもうまく行かなければ、戦争を始める。だがこの戦争にアメリカは直接関与しない。中国と紛争を抱えている周辺諸国を戦争へと駆り立て、また、中国国内の分離独立運動をあおり、国内を混乱させる。

アメリカの中国封じ込め戦略は軍事には止まらない。経済にも及んでいる。中国の経済を日本やアメリカの経済と比べるとその違いはあまりに明白だ。日本やアメリカの主要な産業は、高度な製造業やIT産業などだ。それに比べ中国は玩具、酒、衣料品など軽工業の輸出大国だ。家電やIT産業は欧米企業の下請けにしかすぎない。

結局アメリカは、中国の経済的な自立ではなく、米国債を購入しアメリカ経済を下支えする役割に中国を限定したいのだ。

このように、アメリカは中国を軍事的に封じ込め、政治的に分裂させ、経済的に押さえ込もうとしている。要するにアメリカは、中国を日本のような去勢された傀儡国家にしてコントロールしたいのだ。

このようなアメリカの謀略に対抗するためには、中国は軍事力を増強しなければならない。まず、空軍力を強化し、中国の本土から2500マイル離れた地域でも軍事行動を展開できるだけの十分な空軍力を持たなければならない。

南シナ海は中国の重要なサバイバル圏である。この海域で中国は国益をはっきりと主張し、権益を守らなければならない。それを実現するためには、これから大急ぎで海軍力を増強しなければならない。

以上である。

 ~中略~

●中国をどうとらえるか

中国共産党や軍の中枢は、相当に自己防衛的な反応をしている。このいわばパラノイアとも思われるメンタリティーが、最近の中国の強硬な路線の背景にあるものだろう。

欧米でも、そうした中国に対処するために、これまでとは大きく異なるさまざまな見方が出てきている。今回はそのうちのひとつを紹介する。

週刊のニュース雑誌、「タイム」は、アメリカ史と中国史の2人の専門家のよる興味深い記事、「中国は19世紀のアメリカにどのくらい似ているか」を掲載した。意外に、これが現実の中国に近いのかもしれない。

●中国は19世紀のアメリカにどのくらい似ているか

中国に関しては2つの異なった極端な見方がなされている。

一つは、これからも中国は高成長を続け、近い将来世界経済を引っ張る最大の牽引役となるという見方だ。つまり、中国が21世紀の中心になるとする理解だ。

それに対し、中国は所得格差や民族問題による政治的な対立で国家は分裂し、経済成長も止まり、中国は社会的に停滞してしまうという見方だ。

この2つの見方はあまりに極端だ。おそらく、現実の中国を反映していないのではないかとわれわれは考える。

実は中国は61年前にやっと独立した非常に新しい国であると理解した方が分かりやすい。その意味では、あらゆる点で南北戦争以前の1850年くらいの若いアメリカとそっくりなのだ。

1850年代のアメリカは現在のアメリカとは大きく異なった国であった。やっと自給自足的な農業国の段階を抜け出し、工業国家として急成長を始た次期だ。
当時のイギリスは、「アメリカ製造業の奇跡」と称賛し、また当時のイギリスの大作家、チャールズ・ディケンズは、アメリカには著作権の考え方がまったくなく、自分の作品の違法コピーが堂々と販売されていると嘆いていた。

その後アメリカは、南北戦争の内戦など、さまざまな混乱と変化を経験し、現在のアメリカができたのだ。

ここで重要なことは、アメリカは歴史の混乱と激流を経るたびに強大になり、経済成長は加速したということだ。

現在の中国は、こうしたアメリカと非常によく似ている。中国はこれから激流の中で大きく変化し、これまでとは違った国として何度も生まれ変わる可能性が大きいのだ。そして、そうした変化を経ながら、中国は強大化して行くと見た方が妥当だ。

以上である。

 ~後略~
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