Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

チューブラータイヤ リムセメントの塗り替え 準備

2017-11-26 20:13:26 | ロード
チューブラータイヤにリムセメントを使っていると走行距離が少なくても
セメントの劣化が起ります セメントを生きた状態で保つのには定期的な
塗り替えを行えば良いでしょう





私が選手時代の最後に作ったフレームで 1974年に National ナショナル自転車で作っています
現在の全日本実業団自転車競技連盟 理事長の斧 隆夫さんに作って頂いたフレームです
この自転車は整備をして何時でも乗れる状態にしていますが 乗るのは年間 50km 程度です
自転車は乗らなくても傷みます 今回は一通りの整備をしてやりましょう




パナソニックの前身ナショナルです 実はナショナル自転車に
就職の応募をして内定を貰っていた時期が有りました






リアフリーは前田のボスフリー パーフェクトの 5速 
それを動かすのは Campagnolo Nuovo RECORD 1969年です






ハブは Campagnolo RECORD SF 36穴のハブと 28穴のリムで
ホイールを組んでいます この頃は今ほど部品が自由に買えないので
色々と工夫をしていました スポークの交点を結線するソルダリングで
仕上げています




ラグは小さく削ってもらっています その他は特に凝った
装飾はせず 実戦的なフレームにしています






チェーンホイールは Campagnolo RECORD Ⅲ型 PCD 151
52×47T のクロスレシオです 後ろのギアは 14-22T 位を使います 
それでも登れない坂は有りませんでした ペダルは RECORD の
ピスト用鉄プレートを使っています






さて自転車はメンテスタンドに載せました 走行距離が少ない
自転車はパンクもしないのでタイヤが貼りっ放しになります 
しかしそれは良く有りません 外したホイールのタイヤの
状態を観察しながら、タイヤの張り替えを行いましょう




タイヤはパナレーサーのPractice Dual 270 と言う物を
使っています 少しまとめた本数を買ったのでまだ
使っていますが 色々と問題の多いタイヤです






これはまだ走行距離が 100km 未満ですが センターの
黒い部分とサイドの黄色い部分の縁が切れています
これはもう使えないでしょうね・・・






スペアにも同じタイヤを使っているので これを使えるか
見てみます






スペアタイヤを空いているホイールに入れました






空気を張って様子を見てみましょう






使っていたタイヤを外します 空気を抜きます






空気を抜いてタイヤを外そうとすると ふんどしと
タイヤが剥がれてしまいます これも問題の一つです






このタイヤも走行距離が少なく 少しでもタイヤは
生かしたいのでマイナスドライバーを使います








差し込んだドライバーでタイヤを持ち上げて
リムから剥して行きます 無理をしてはいけません






タイヤを外しました ふんどしの剥がれは後で細工します




前後輪のタイヤを外しました






リムのセメントの状態を観察すると この上からセメントが
使えるギリギリの状態です これ以上乾燥するとセメントの
剥離が必要になります






リムに残った固いセメントや乾燥した表面を
ブラシ等を使い均してやります 頻繁にタイヤを
交換しているホイールではセメントが生きているので
この様な作業は必要有りません






ホイールのリムセメントは風邪をひきかけています
今のセメントを柔らかく生き返らせてやりましょう






リムセメントに溶剤を足して柔らかいセメントを作ります






柔らかくしたセメントをやや多目に塗ります
これでおそらく古いセメントも柔らかくなり生き返るでしょう






リムの横に付いたセメントを拭き取っておきます
特にブレーキ面には残さない方が良いですね




ホイールはこのまま一晩放置します






さて整備テーブルに移ります タイヤの状態を確認し
なるべく使える様に考えます






パナレーサーだけでは有りませんが最近の廉価な
チューブラータイヤでは良く起る不具合です
タイヤからフンドシが剥がれるのは危なくて使えません




かと言って全てを捨てると言うのは勿体無くていけません
接着剤を使い貼り付けてやります ただ接着剤でどうしても
タイヤが固くなってしまいます 練習や街乗りでは我慢
するしか無いですね








どの接着剤が良く、これに向いているのか分りませんが
色々な場面で実績の有る G17 を使い ローラーで良く
圧着します




これで接着剤が乾いてから使えるか判断します






タイヤの接着面のセメントが乾燥している物には
リムセメントを塗って 乾燥を抑えておきましょう






セメントをタイヤに塗るとフンドシが直ぐに吸い込み
10~15分で 手に付かない程度に落ち着きます






フンドシに傷が付き糸が見えている部分が有りました
そこには別の軽量なタイヤに使われていたフンドシを使い
補修をしておきます




ここまでしてタイヤを使う必要が有るのか これに付いては
練習と言えど弊害が有って良く無いと言う意見も有ります
それも理解出来ます ただ使い途が有るのなら無駄にしない様に
使ってやるのも悪い事では有りません 
全ての人が裕福に新しいタイヤを買える訳でも有りませんし
自分に応じた方法で付き合ってやれば良いのじゃないでしょうか





これでリムセメントの塗り替えの準備が出来ました 今回のタイヤ達が使えるかは
一晩寝かせてから判断します その基準は安全であるかどうか、これは大切な事です
次回もどうぞお付き合い下さい

次の作業 【 チューブラータイヤ 張り替え リムセメント 】


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2 コメント

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Unknown (れん)
2017-11-27 16:20:55
いつも楽しく読ませてもらっています、ありがとうございます。

52×47T のクロスレシオ/後ろのギアは 14-22Tという所で目をむきました。これで逆瀬川から六甲山まで登れるのでしょうか?コツはあるのでしょうか?(私は37tの25でヒィヒィ登っています)

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れんさん (Kino)
2017-11-28 08:52:21
コメントを有難うございます

まず関西地方以外の方々には何処の事か解らないと思います
六甲山と言うのは兵庫県南東部の山で 標高930m程度の山です 逆瀬川と言うのはその麓に有る地域の名称で 逆瀬川~六甲山は一つの練習コースになっています。

そのコースを 52×47T 14~22T のギアで登るコツが有るのかと言う事ですが
練習を真剣に重ねるしか無いかと思います 仰っているコースなら 48(当時のギア)×18T でほとんど登ってしまいます

私は頂上までは年間数回しか行きませんが 自分で決めた所までは 年間 900回は登っていました
自転車に乗っている間は真剣に何かを考えています 乗車姿勢の事、ペダリングの事、身体の使い方やレース展開の事 加えて自分の目標と強くなりたいと言う強い思い込み これらは大切な事です

それをする事で平地と坂での身体の使い方を少し替えますが それがコツと言うものかは解りません

でも今はそんな倍数では登れないですよ 筋力より心肺機能が付いて来ません
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