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Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

ハブの ささやき

2010-09-02 20:18:15 | 自転車整備 ハブ
先日ロードレーサーを洗車をした時 フロントハブに普段と違う感触を
指先に感じました ハブが私に一度分解し中を見て! って言っています
そんなハブの願いを無視は出来ません 分解しグリスアップをしてあげましょう






私のロードレーサー LATIDO ラティードに使っているホイールです 普段使いにしていますが
組み上がりの重量が 687g で重量的には決戦用としても使えるホイールです

使っているハブは 1970年前後のオールド・カンパのレコード 28穴のラージです
このハブの回転が先日洗車した時に少しおかしな感触でした そう回転部に水が入った時の手応えです
こんな場合、水が乾けば元の状態に戻るのですが ハブが中を見て確認してって言うので分解してみます




折角ですから写真を使いながら その作業を詳しく見て頂きましょう
ハブの回転部 外からロックナット、舌付きワッシャー、玉押しが
ハブの中空シャフトに装着されています この部分を分解します






玉押し(コーン)にハブスパナを掛けます カンパのフロントは 13mm






ロックナットにはモンキーレンチを使います






ロックナットを緩め 取り外します ネジは正ネジです






次は舌付ワッシャーを取り外します






最後に玉押しを外します






逆側から中空シャフトを抜き スチールボールを取り出します
これで カップ&コーンの回転部の部品は全てです




玉受け(カップ)の内部の状態です マイクロロンの青いグリスを使って
いたのにこんな色になっています
これは このハブはデットストックでカンパの乳白色のグリスが使われていました
そのグリスがダストキャップの裏に残っておりそれが マイクロロンと混ざったのでしょう
今回の水の混入とは関係が無いように思います






清掃に掛かります カップやハブの内部をウエスで拭き取ります
ウエスが入り難い所はソルダーエイドなど 先の細い物を使うと良いでしょう






使われている細かなパーツも洗浄します 鋼球にはこの茶こしが
ボールを無くさず便利です






洗浄した各パーツ オールドカンパのロックナット裏には製造年が刻印
されています これは1974年 何時見ても綺麗なボール カンパは凄い
玉押しには うっすらとボールの当りが付き始めています 新品から 570Km
の走行






じゃ回転部を組んで行きます 使うグリスは Microlon Assembly Lubricant
マイクロロン アセンブリー・ルブリカント 摩擦係数を飛躍的に抑え
回転部の耐久性を伸ばす高性能グリスです






ハブシャフトに薄くグリスを塗っておきます 防錆の為です





玉受け(カップ)に鋼球を入れて行きます 通常の粘度の有るグリスなら玉受けにグリスを塗り
その粘度を利用しボールを並べて行きますが マイクロロンは粘度が無くその方法が取れません
グリス無しで玉受けにボールを納めていきますが少々難しく慣れが必要です






ボールを納めたら グリス用に改良したグリスポンプでグリスを塗布します




グリスも上手く回りました マイクロロンは多くの量は必要有りません






逆側のカップにもボールを納めグリスを塗布し 玉押しをねじ込みます






後は分解した時と逆の手順 舌付ワッシャーとロックナットを取り付けます






ハブの分解整備の最後は玉当りの調整 これは指先に神経を集中し
ガタが出る一歩手前の一点を探し出します そのポイントでロックナットを
締め込みます ただこの一点は遊びが出るのも早く 普段あまり整備をしない
方はやや渋めの調整の方が無難でしょう





ハブの分解整備が完了しました ハブのささやき 自転車にただ乗るのでは無く絶えず自転車に
異常が無いか気を配ってやると、おかしな処が有れば 自転車が教えてくれます 

今回の水が回った時の回転部の手応え 何故そんな事が分かるの? ですよね 
これは文章や言葉でお教えする事は難しい手応えです
あえて表現するなら オイルやグリスが入っていない回転部の感触に似ています
一度ご自分で回転部にわざと水を入れ試してみるのも良いかな?

コメント (12)
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