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『松の寿とお料理を楽しむ会』in貴田乃瀬

2009年08月26日 | 今日のキモノ

  8月22日(土)、浜松の名店『貴田乃瀬』にて、栃木の銘酒『松の寿』を楽しむ会が催されました。『貴田乃瀬』と浜松のお酒屋さん『丸味屋酒店』との共同開催です。
 『貴田乃瀬』×『松の寿』!これはもう、万難を排しても行かねばっ!!気合を入れて、この夏最初で最後の紗をまとって行ってまいりました。

 今日の着物:露芝紋紗(ヤフオク)
 今日の帯:トンボ名古屋帯(きもの・なかむら)
 今日の半襟:白絽(襦袢についてた)
 今日の帯揚:モスグリーン花柄絽ハギレ(すうちゃん)
 今日の帯締:薄緑三部紐(きもの・なかむら)
 今日の帯留:『松の寿』(酒蓋より自作)
 今日の足袋:水玉夏足袋(まねきや)
 今日の下駄:鎌倉彫葉柄台(松屋)
 今日の簪:金巻きトンボ玉(玉やふちこま)

 今日のコーデのポイント、それは『松の寿帯留』ですっ。

 お酒の蓋ですの。とどけ、この愛。ちなみに、手に持つピンクの袋は『松の寿手ぬぐい』にて作られたもの。蔵元グッズを身に着けると思いが高まるのです。

 さあ、お店に着きました。前回も驚愕させてくれた貴田乃瀬のおやかた、今日はどんな感動を?噂では、静岡のお酒と違って香りの高い『松の寿』に合わせるお料理は…ということで、練りに練っておられるとか。

 
 じゃん!!
 魅惑のマトリックスです~!!
 あちこちで歓声が上がります。
 おやかたがおっしゃるには、香り系のお酒『松の寿』に合わせて、今回は『香り』にこだわったお料理なのだとか。
 おいしそー…そして、ナンダコレハ!!

 
 右端のお椀に入っているのは『鯛の焼き霜降り 梅醤(うめひしお)のジュレ和え』ジュレの淡淡とした口当たりと香りで、鯛の繊細な味がしっとりと感じられます。小さいけどよく通る声のような、そんな感じ。

 
   手前の3部屋のお皿に乗っているのは『香り漬物3点盛り』。左から、カボスと茄子・マスタードキューリとソルダム・ラッキョウと梨です。それぞれ、絶妙な浅漬け加減のお漬物に果物を合わせ、爽やかな香り。真ん中のキューリに乗っているのは梅でなくソルダム(スモモ)なんですね。また、梨とラッキョウがこんなに合うなんて!


 さて、いよいよマトリックスに。上段の3部屋。
 左端は『うなぎの箱焼き 山椒の香り』鰻と鰻の間に肝が入っています!
 中央『 甘鯛黄身揚げ 甘夏のマーマレードソース(チャーリーママスペシャル、笑) 』チャーリーママとは、共同開催の丸味屋酒店店主チャーリーさんのお母様。その手作りマーマレードにおやかたがひと手間かけたソース。甘鯛のほっくりした味わいを引き立てます。
 右端『牛の筋煮 きざみねぎ 』くさみのまったく感じられない深い味の牛筋、それを包むとぅるとぅるの煮凝りは口に入れるとすうっと溶けてしまいます。快感~。


 中段の3部屋。
 左端は『モッツアレラチーズの変わり磯辺焼き風 あんかけ』モッツアレラを、味付けしたお稲荷さんに包んで海苔巻いて揚げてある…!!
 真ん中『黒ゴマ豆腐の生八橋巻き揚げ みたらしあんかけ』どうしてこんなことしようと思ったの?とおやかたを問い詰めたいようなお料理です。なんて突拍子もない組み合わせでしょう。そしてこれがまた、なんてお酒に合うんでしょう。生八橋のほのかなシナモンの香り、もうもう食べながら笑えて来てしまいます。
 右端『南京コロッケ ねぎのクリームソース』ねぎの甘い味わいが南京の甘さと溶け合ってます。幸せです。

 
 下の3部屋。
 左端『トマトの豆腐 トマトのソース 』トマトです!トマトの味と香りが、舌触りとともにふわあんと来て消えていきます。
 中央『サザエのエスカルゴ風 バジルの香り 』バジル風味肝のペーストとサザエの身が濃厚な味わい。それにバジルが爽やかさを添えています。
 右端『鰹のたたき にんにくのソース 』にんにくソースのパンチが効く!

 このお料理、下に行くにしたがってだんだんと味も香りも強くなり、松の寿の香りとしっかり抱き合っていきます。お酒と料理を合わせるって、こういうことなんだーと感動しました。
 初めのお料理をあらかたいただいた頃に、温かいお椀が。

 『甘鯛ソーメン 』揚げた甘鯛の身をほぐしながら温かいソーメンをいただくと、おなかも優しく温められて気持ちも穏やかになります。


 そして、〆の『トマトの雑炊 おかみさんバージョン(笑) 』。熟成したカマンベールチーズが入っていました!濃厚な香り。〆と言いながら、わたくしこれを肴にまだ呑みましたー。

 お料理とかたく抱き合ったお酒は以下のラインナップです。

 1.松の寿 吟醸 夏のうすにごり 山田錦 H20BY
 2.松の寿 純米 五百万石 H20BY
 3.松の寿 山廃純米 五百万石 H20BY
 4.松の寿 吟醸 無濾過生原酒 五百万石 H20BY
 5.松の寿 純米吟醸 無濾過生原酒 五百万石 H20BY
 6.松の寿 純米吟醸 山田錦 H20BY
 7.松の寿 純米吟醸 無濾過生原酒 山田錦 H20BY
 8.松の寿 純米吟醸 無濾過生原酒 雄町 H20BY
 9.松の寿 純米吟醸 生 山田錦 H19BY
10.松の寿 純米吟醸 生 山田錦 H18BY
11.松の寿 純米吟醸 山田錦 H17BY
12.松の寿 大吟醸 鑑評会出品酒 H20BY
13.松の寿 梅酒 H20BY
  (松井酒造店 仕込み水) 

 とりどりに味わい深いお酒。
 なかでも山吹色のラベル『純米吟醸山田錦』は、我が家の定番になっているお気に入りのお酒です。今回、丸味屋酒店さんの企画でその17年度醸造~20年度醸造の4年分を並べて味わうことができました(こういう味わい方を『垂直』と言うそうです)。お酒は生き物ですから、同じ材料同じ造りでも作った年によって、また貯蔵することによっても味が変わってくるのです。

 松の寿純米吟醸山田錦の『垂直』。上から17BY・18BY・19BY・20BY。
 比べて呑むと、だんだんと味が柔らかく、角が取れていくのが感じられます。こういう熟成って好きですわ。わたくしは18BYがいちばん好みでした。
 貯蔵と言っても、それこそお酒は生き物。味わってみるまでどのように変化しているかひやひやものだった、とチャーリーさん仰ってました。専門店の0度の冷蔵庫で貯蔵してさえそうですもの、まして家庭では怖くてできない技です。だからこれはほんとに酒の会の醍醐味。さすが丸味屋酒店チャーリーさんですわ♪

 美味しいお酒とお料理、それだけでなく楽しい仲間にも恵まれました!
 
 左から二番目が蔵元夫人若葉さん、容貌だけでなく気性も美しい方。ひたすらお酒の道を極めていく蔵元杜氏・御主人の、背後の守りをすべて引き受けているのです。お酒の味に加えてこの若葉さんのキャラクターも『松の寿』人気の秘密。

 この会、松の寿と若葉さんを慕って押し寄せてきた面々で大盛況です。愛知から東京から、距離をものともせずに駆けつけ盛り上がりました。マツコト愛・貴田乃瀬愛という共通言語があって、初対面の方ともお料理の話お酒の話であっという間に打ち解け話が弾みます。
 
 蔵元グッズそのほかを賭けたビンゴ大会では、夫婦でワンツーフィニッシュ♪

 
 丸味屋酒店のチャーリーさん、貴田乃瀬のおやかた、松の寿の松井社長が語りあっておられました。なんか漢、って感じですわ(笑)。
 

 会は終始和気藹々と大いに盛り上がり、至福のうちに貴田乃瀬『松の寿とお料理を楽しむ会』はお開きとなったのでした。
 ちなみに、はしっこにちょっと変なひとはいますが(笑)、悪酔いなしのとってもオトナな会でしたわ。味わっていただかないともったいないですもん♪

 二次会はカラオケでもうひと盛り上がりし、帰途につく頃には日付が変わっておりました。
 

 料理とお酒の素晴らしいハーモニー、『垂直』の妙、そして酒仲間。とっても幸せな一日でした。『貴田乃瀬』おやかたとおかみさん、『丸味屋酒店』チャーリーさん、『松の寿』松井社長と若葉さん、そして一緒に楽しんだみなさま。ほんとうにありがとうございました。わたくし、しあわせですわ♪
 あ、すべての写真はオット054です。いつもありがとうー。
 
 そして、浜松の悦楽は翌日も続くのでした。とぅびこんてぃにゅ。