キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

『小袖  江戸のオートクチュール』を見に行きました

2008年05月21日 | 今日のキモノ

 しばらくご無沙汰をしていましたら「元気にしてる?」と心配してくださった方もみえたようで申し訳ない。キモノ着なかっただけで、元気に飲んだり飲んだりしておりました。
 で、昨日。久しぶりにキモノでおでかけ。名古屋市博物館に『小袖 江戸のオートクチュール』を見に行って来ました。

 今日の着物:鰹縞単紬(和裁教室で縫った)
 今日の帯:蝶々リバーシブル昼夜帯(羽織と道行きからカクマさんに作ってもらった)
 今日の半衿:百合模様モス(すうちゃんからもらったハギレ)
 今日の帯揚:薔薇レース(Berry工房)
 今日の帯締:ピンク鱗(きむら)
 今日の足袋:白青カジュアル(まねきや)
 今日の下駄:青縞市松台(松屋バーゲン)

 今日は『小袖』を見に行くということで、ほんとうは小袖っぽい小紋を着て行こうかなーと思っていたのです。でもそれ袷で。5月なのでしきたりから行ったらOKなのでしょうが、いかんせん暑い。というわけで、この単となりました。鰹縞ということで季節モノ。蝶々もまぁ、季節かな。で、どこかに江戸というか昔っぽいものを持ってきたかったのでこの鱗模様のぶっとい帯締めを〆ました。色合いから行ったら↓のコーデのほうが上品にまとまるかなあとも思ったのですが、なーんかどっかに『ハデ』がほしかったのです。
  
 なんか久しぶりなのでコーデの勘が鈍っている。とか言えるほどふだんばっちりというわけでもないのですが…でも、もっとなんかぱっとした格好がしたかったなあ…。

 さて、名古屋市博物館の『小袖』。
 いやー、素敵です。特に『寛文小袖』という、大胆なデザインが特徴的な小袖が私は好きだなあ。背から肩にかけて流水が、そしてその間に大きな杜若が咲いていたり、アンシンメトリーで個性的。展示のタイトルも『アートを纏う』だったりしましたが、まさにアート。わたくしがキモノに惹かれるのもそこなんです。絵画や彫刻は眺めて楽しむことしかできないけれど、キモノは身に纏えますもの、ああ、こんなキモノが着たいい~。

 また、模様で古典の物語を暗示しているものも。上記の杜若は、そうです『伊勢物語』東下りの段、ですわね。そのほかにも扇に夕顔の花で源氏物語『夕顔』の段を現していたり。
 ふふっと笑ったのは庭に雪が積もり赤い花がちらほら見える場面に「なつかしき色ともなしに…」と散らし書きがしてあった小袖。これ、源氏の君が末摘花とちぎった翌朝の風景、という見立てですわね。いったいどんなひとがこの小袖を誂えたのでしょう?

 そのほか、上布や絽、夜着になっている小袖などもあり。
 また、着尽してもう着物としては着られなくなった小袖の端布で袈裟を作ったり額装して飾ったりと、昔から変わらぬ『キモノ愛』あふれる展示もあったりして、見ごたえのある展示でした。

 出口近くには『羽織ってみよう』のコーナーがありました。もちろん羽織ってみるわたくし。


 ふくれかえって見えるのは、わたくしの脂肪ゆえ…ではなく!着物に綿が入っているのです。この頃って、そうだったんですって。これを細い帯でゆるく結んでたって。慶長年間の屏風絵はそんな感じですよ、と教えてもらいました。

 今回の展示は着物だけが展示してあって帯がほとんどなかったので、どのようなコーディネイトで着ていたんだろうなあと想像しながら見ていたのです。コーディ達人すうちゃんだったらどうする?とか訊いてみたかったぁ。
 この日は予定が読めなかったので、どなたにも声をかけずに一人でふらりと出かけましたが…これはやっぱり、キモノ仲間と行きたかったな。どれが好き?わたしはこれ。そんな会話を思い浮かべつつ、まぁけっこう面白くまわった展示でございました。