神戸の空の下で。~街角の歴史発見~

足かけ8年、150万PV突破。「近畿の史跡めぐり」のサブタイトルも、範囲が広がったために少し変更しました。

神戸・走水神社。

2006年01月08日 | ■神戸市中央区
五穀豊穣・学業成就・厄除開運・家内安全


走水神社

(はしうどじんじゃ)
神戸市中央区元町通5-6-1




元町商店街を1本南に下った道路沿いにあります。


〔御祭神〕
天照大御神
(あまてらすおおみかみ)
応神天皇
(おうじんてんのう)
菅原道真公
(すがわらのみちざね)


 JR元町駅を南に下り、大丸神戸店あたりまで歩いてくると、西側にアーケードに覆われた商店街が見えてきます。この商店街の名は、元町商店街。東西1.2kmに渡る長いエリアには舶来雑貨の店や洋服店、喫茶店やスイーツの店など、ハイカラな神戸の雰囲気を色濃く残す数多くの名店が軒を連ねています。この商店街の西端、かつて三越神戸店があった辺りを1本南に下った東西の通り沿いに、つつましく立つ1つの神社があります。この神社の名前は走水神社菅原道真公と天照大御神、そして応神天皇を祀る古社で、「書道の神様」としてもよく知られています。ちなみに東西に長い元町商店街では、エリアによってそれぞれ氏神が異なり、西側に位置する元町通5丁目から6丁目付近はこの走水神社を氏神としています。そこから東に進むにつれて、元町通4丁目付近は花隈町に鎮座する厳島神社を、さらに元町通3丁目から東のエリアは大丸神戸店の東に鎮座する三宮神社を氏神として祀っています。





戦争による空襲で焼失した社殿は、1958(昭和33)年6月に再建されました。



 走水神社は旧走水村の氏神で、社伝によると1100年以上もの長い歴史を持つと古社だといわれています。社殿の脇には、筆塚や狛牛が建てられているなど菅原道真公の色合いの濃い神社で、1月18~19日に行われる厄除祭と7月24日から25日にかけて行われる天神祭では、日頃は静かな境内が賑やかな雰囲気に包まれます。この地は、無実の罪で左遷されて失意のうちに大宰府へと向かっていた菅原道真公が立ち寄って村人たちと交流した場所だといわれており、その高徳を偲んだ人々が祠を建立して天神社としたのが始まりだといわれています。

 元町商店街は、昔の西国街道にあたり、東から神戸村二ツ茶屋村、そしてこの走水村で構成されていました。商店街にある「二ツ茶屋」はこの旧地域名にちなんだもので、1874(明治7)年に行われた町名の改定によって消滅した走水村の名前も走水神社に名残りをとどめています。明治維新の頃までは元町5丁目の山側に極楽寺八幡神社があったため、この一帯は八幡町と呼ばれていました。この八幡神社は、戦国時代の1567(永禄10)年に織田信長公旗下の武将・荒木村重公が花隈城を築城した際、城の搦手にあたる場所に勧請して創建されたものだといわれています。1875(明治8)年になり、現在の場所に鎮座していた天満宮とこの八幡神社が合祀され、前年の町名改定によって消滅した走水村の名にちなんで走水神社と呼ばれるようになりました。





「天神さん」特有の狛牛(左)と、稲荷大明神と白竜大明神を祀る稲荷神社(右)。



 兵庫県神戸市中央区は、奈良時代には現在の西宮市を流れる夙川から神戸市の生田川までの一帯が菟原郡(うはらぐん)、生田川
から須磨までの一帯が八部郡(やたべぐん)という行政区に分けられていました。東灘区にあるJR住吉駅の南には「うはらホール」という名の区民ホールがあり、旧名の名残りを残しています。生田川より西側の八部郡には、生田郷神戸郷宇治郷という3つの郷がありました。このうちの宇治郷に流れていた川は宇治川と呼ばれていました。宇治川は1938(昭和13)年の阪神大水害を契機に改修工事が行われて暗渠化され、現在は山手幹線を越える辺りから宇治川商店街の地下を流れ、神戸ハーバーランドの東側に流れる川となっています。

 この宇治川の流れが「走水」という名前の由来となったといわれています。宇治川は雨が降るたびに河水が渦巻くように流れ、流域の村に様々な被害をもたらしてきました。この村はいつの頃からか川の流れを表す「走り渦」にちなんで走水村と呼ばれるようになったといわれています。「はしうど」の名の由来にはもう一つ説があり、12世紀末の寿永年間(1182~1183年)の頃からこの地域に住みついていた、天皇に仕える氏族・「間人氏(はしうどし)」の名に後年「走水」の字があてられて地名となったという説が残されています。





商店街へと抜ける東側石段付近にある、水の枯れた手水鉢(左)と立派な筆塚(右)。


アクセス
・阪神電車「西元町駅」下車、南東へ徒歩2分
・阪急「花隈駅」下車、南へ徒歩4分
・神戸市営地下鉄海岸線「みなと神戸駅」下車、西へ徒歩2分
走水神社地図 Copyright:(C) 2011 NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.


拝観料
・無料

拝観時間
・常時開放

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも同様の内容を投稿させていただきました。

神戸の神社
兵庫県神社庁神戸市支部
神戸新聞出版センター

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Wikipedia (miya)
2006-01-18 07:58:43
こんにちは。ウィキペディアにご投稿をありがとうございました。もしよければ、この日のブログの末尾に「ウィキペディアにも同様の内容を投稿しています」と一行入れていただければ、と思います。
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感謝 (miya)
2006-01-27 07:27:53
お願いを快くお聞き届けくださってありがとうございました 今後とも宜しくお願いします
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