馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

道志川行方不明少女 と大室山。

2022-05-09 09:17:41 | 日記



続きです。
丹沢山系、大室山の沢筋に行方不明少女らしき
衣類が見つかった報道。
深い疑念が巡る。
神奈川県丹沢山塊秘境の山。
54年前、上級生一人 同期とで沢登りに出かけた。
小田急線新松田駅からバスに乗り
中川沿いの林道を90分ほど乗り
玄倉バス終点に着いた。

僅かな集落があるだけ。
武田信玄の隠し湯がある。
峡谷の中川沿いを遡る。
見上げる空は、緑の樹林が川を挟んでせめぎ合い小さかった。
3人黙々と小石の林道を行く。
腐りかけた木の道標があった。
同角沢への入口。
沢を遡行する。
時折、鳥がけたたましく警戒の鳴き。
大石を穿つ水音が強くなる。
急流になる。
樹間から水爆の音が徐々に響く。
滝に近づいたのだ。
見上げる滝は45m。
逆層の岩に滴る水と苔の滝。
昼夜別無く、時を経て滝岩は磨かれた。
滝の名称は
「遺言棚」
この滝を登攀するなら、遺言書を書いて登れのと言われる。
トップは4年生。
今でもスキー登山を敢行している。

ザイルで確保しているのは同期で
51歳で死去。
生まれ故郷の富山平野の田の畦道の墓標で
立山連峰を仰ぎ見ている。





滝を登攀して大石山の頂に立ち、
それから、大室山に向かった。
登山者とすれ違うことなく、山路を辿り
山梨側、道志川に下山した。
沢の水流の音と鳥の羽ばたきが
森閑とした急峻な下りであった。
僕は75歳になった。
20歳の時の山登りだ。
半世紀を過ぎてキャンプ場が開設され
マイカーで誰でも秘境野外活動を楽しめる。

少女行方知れず。
車でさらわれたと想像したが?
違うようだ。
幼い子は、地理的方向感覚は
まだ会得していない。
海水浴場で、幼児が行方不明になり
度々、案内放送で保護場所で
預かっているのを知らせる。
私の娘も幼稚園から帰宅して
母親はショッピングセンターに買い物でいると
思い込んで探しに行った。
迷って泣いているところを
隣に住む奥さんが見つけ連れて帰った。
少女が深い森に入り込めば方向感覚は失う。
本能として上に登る。
空があるからだ。
大室山の急登を彷徨い
谷底へ滑り落ちる。
幼児では脱出は出来ない。


当時の山岳部員は、呼び笛を必ず携行している。
山中ではぐれることがある。
見えない。
呼び笛が互いの位置を知らせる。


私は6年前 69歳の時、滑落した。
単独登山で、急峻な斜面の草付きを滑り台に腰掛けたように
落ちたのだ。


高松山で滑落!