キング・アーサー ★★

さて、今回取り上げるのはまだDVDリリースの話は聞きませんが夏公開の映画です。

　題材はアーサー王と円卓の騎士、ということで原典を知る人も知らない人もアーサー王や聖剣エクスカリバーの名前くらいは聞いたことがあるでしょう。円卓の騎士の物語には魔法使いが出てきたりするのでファンタジー色が満載の話なんですが、今作はファンタジーはほぼ一切無視！して史実になぞらえて物語を構成しています。これが失敗でしたね。近年はファンタジー色がかなり強いハリー・ポッターやロードオブザリング三部作が世界的に大ヒットしたわけで、直前には史実に基きファンタジー無視で英雄アキレスを描いた傑作「トロイ」も高い評価を得ていたわけです。観客は古代西洋の伝説的英雄アーサー王の勇ましい姿を想像したわけですが…
正直言って見所あるシーンは少なく、ファンタジー色を無くしたためか、はたまた脚本のせいなのかキャラ一人一人の個性がありません。伝説では13人もいたはずの円卓の騎士も数が減っているのに、それでもキャラを描ききれなかったのは脚本がまずかったのでしょう。主人公であるはずのアーサー王も割と描き方が浅い…。ランスロットなどはもっと原典には出番があったはずなのに全くナシ。これもかなり減点ですかね。アーサー王伝説だと思わずに見ればもう少し評価も高くなったとは思います。エクスカリバーに関する描写もほとんどありません。

　戦闘シーンなどはそれなり見れますが、やはり今年はロード・オブ・ザ・リングやトロイの凄まじい戦いを見てきたせいかショボショボ感は否めません。いえ、まあそれなりに迫力はありますけどね。ストーリーも小さくまとまりすぎな感じで単なる部族闘争のレベルで描かれているせいで、肩透かしもいいところです。
「キング」アーサーなどと大風呂敷を広げた割には……って感じでいただけないですねー(-.-;)
始めからそうだとわかっていれば別の見方も出来たんですが…予告編に期待しすぎた悪い例ですね。