目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ぼくらの七日間戦争 ★★

2011-05-06 21:03:45 | ★★
地上波で放送していたのを鑑賞。子どもの頃に何度もVHSで鑑賞していただけに懐かしさもひとしおでした。

(あらすじ)
ある日、校則に反発した青葉中学の一年・菊地ら男子生徒8人が失跡した。彼らは廃工場に立てこもっていたが、学校側は体面を取りつくろうばかり。そのうち、ひとみら女生徒3人も加わり、11人での自炊生活か始まった。しかし、居場所がバレて教師や親が説得にやってきた。その場はなんとか追い返したが、子供たちはバリケードをつくり武装を始めた。体育教師の酒井らはエンジン・カッターで工場のシャッターを壊して侵入。ひとみらは地下からついに戦車まで持ち出した。
(以上 goo映画より)



それにしても子どもの頃の記憶というのは強烈ですね。ほとんど全てのシーンをかなり克明に覚えていて、それでいて少し誇張といいますか、大げさに覚えていて、久々に観ていて結構違和感もひとしおでした。「あれ、このシーン、ってこんなにショボかったっけ?」とか。それにしても、小学校のときはこの校則が厳しい中学校という存在自体が恐ろしく思えたし、機動隊を倒した後に出てくる先生たちとの対決にドキドキしたものですが、今見ると、なんで、機動隊の後に先生が出てくるねん、とか、校則もそんなには厳しくなくね?とか、色々考えるところ、突っ込むところが年齢の経過とともに変わっているのだなあ、と思ったのですよね。花火師のお父さんの「あいつ、なかなかやるなあ。」のセリフでは相変わらずぐっと来てしまいましたが・・。ってか、花火師のお父さんがタイーホされるよーって逆に心配になったくらいですが・・。あと、お咎めが無さ過ぎることも驚きでした。戦車や機動隊まで出て来て退学にもならずに学校に通えてるのが、時代性を感じます。おおらかな時代だったのかなあ。。まあ、このあたりを細かく描かないというところにも時代性を感じます。


まあ、当時の角川映画と今現在の邦画では映画製作の方法論も映像技術も撮影技法も文化も大幅に違っていますけどね。でもま、この頃の映画制作の方法論というか角川映画の方法論ってほんと、ある意味トレンディドラマの方法論を映画に持ち込んだような映画が多いですよね。見ていてやはり、この手の映画制作方法が時代というフィルターを通して見ると古臭いものになってしまうことを如実に描き出してしまいました。つまり、時代性は取り込むことに成功しているものの、結果的には映画の鮮度は時間とともに失われていくというか・・・。そもそも、この映画からは原作では大きく含まれていた「学生運動」の要素が取り払われていて、やたらめったら校則の厳しい学校と教師への反抗として立てこもりが描かれます。ここからして、この映画のテーマは大きく損なわれているのですが、そういう意味でも、なんと言うか当時も今も邦画のヒット作にはこういう部分が見え隠れしているよなあ、と思わざるを得ません。


うーん、でも悔しいけど、私、この映画好きなんだよなあ。今更人に勧めるような映画ではないということは重々承知していますが、自分を構成する思い出的映画としてこの映画は確実に自分の中に根付いているのだなあ、とつくづく思わされたのでした。


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