uncolored wind

私に吹く風
アートとモノづくり

ここにも共通した傾向

2009-01-04 18:08:17 | 映画

「明日への遺言」・・・戦犯裁判。

○か×かって、殺人に良い殺人や悪い殺人があるのか!?と、

戦争にルールがあって、それに則っているのであれば正しい戦争もあるのだと、

ストーリーのプロローグで伝わってくるんだ。

しばらくして、そういうことを言っているんではなく

戦争という猟奇を逸した世界で、

誰もが訳がわからなくなっているんだというところがチラチラ出てくる。

そうして、結局は一番の責任者が逃れて

末端の人間が悲鳴をあげる理不尽さが強調される。

「私は貝になりたい」とは逆に、部下を守る姿勢・自分を犠牲にすることの美化。

歴史に学ばねば。

どんな人が存在しても、二度と辿ってはいけない道。

「あなたになら言える秘密のこと」・・・どんな秘密かと思いながら観ていく。

海中油田と自由恋愛と葛藤。そして、彼女の痛み。

問題は彼女の抱えている問題だ。

誰だって抱えきれるものしか抱えられない。

抱えたくなくても抱えなきゃならない。

人が抱える問題の許容量は必要に応じて大きくなるんだと感じた。

「死ぬまでにしたい10のこと」と同じスタッフというから、

てっきりパーソナリティーな内容だと思っていた。

現代の場面描写でありながら

ボスニア戦争という最近の情勢の中のクロアチアの女性がそこに居て

残忍な体験を少しずつ感情を押し殺して語っていく。

CG何ていらない。言葉を聴いていて、まるで画面に情景が浮かび上がっているかのよう。

ねえ、もっと殺戮は身近なものなんだね。

まさか、ことらも戦後体験の話とは思ってなかった。