全道造形大会で目にした「みんなで100色色相環をつくろう」。
職場の研究テーマが「コミュニケーション」なので、自分でもトライ。
美術での「表現」そのものがコミュニケーションツールなのだから、
コミュニケーションを高めると力が高まるというのは、全てには当てはまらない。
言語活動が活発になると価値観を共有することになって、
理解が広がり深まるということは、鑑賞の分野には言えるかも。
逆に、理論が先行して作品が薄まったり、
言葉も出ないほどの感動の扱いが難しくなる。
100色色相環は、個々の試行・思考の保障もするけど、
隣り合わせの価値観と理解し合わないとならないし、
目やしぐさも含めて「塩梅」をわかりあって自分のやり方を矯正しなければならない瞬間もある。
はじめは「100~!?」と驚いていた子どもたちも、
配列調整をした後、全体像を見て「うわ~!!」と声をあげた。
どちらかというと、表現することがコミュニケーション能力を高めることになったと言える。
この後、窓辺に並べた100色は、
いろいろな人を教室へ誘い込んではうっとりさせている。
それから、意図的にバラバラに置いておくと、
誰かが入ってきて色相順に並べ替えられている。
日常って、こうあってほしい。
素敵な森に足を踏み入れたとき、
音楽家は小鳥のさえずりや木々のざわめきを音楽にすればいい。
アスリートは、駆け抜けるも良し、ダンスにするも良し。
詩人や小説家は詩や文に。
そして、画家や彫刻家は自分の作品に。
それがコミュニケーションにつながる。
美術表現では、形や色などより言語が先行しないように私は配慮する。
大切なことがまた少しわかった。